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小6でレゲエを聴き、Hot-Dog PRESSを読むという、おかしい方向に早熟な僕が形成されたのは、親父のせいに違いない。
幼少の頃を振り返ると、僕はおかしい方向に早熟だった。
一番おかしいのは、これだけは人生の七不思議なんだが、
スポーツ紙のエロ写真を切り抜いてテレビ下の隙間に集めていた。
頼むからここで読み終わらないでくれ!!
なぜそうしたのかも全く記憶がないが、おそらく、
親父がふざけてそれを友人宅のポストに投函する。
そんないたずらを楽しそうにしたからだと思う。
いま考えたら夫婦間に亀裂が入り兼ねない。親父...
エロ収集家の片鱗を見せる一方で僕の服装は
リーバイスの赤耳に古着のネルシャツに紫のコンバース。
今より断然イケてる、イカしたこともやっていた。
キムタクならぬ、リトタクが出来上がっていた。
ちょっと言い過ぎた。
当時初めて買ったCDはBIG MOUNTAINのUnityって
レゲエのアルバムで代表曲はBaby I Love Your Way。
うー、べびぃーあいらびゅぁー うぇぇぇぇぇ♪
テキストにしたら小島よしおみたいに仕上がったけど、
チャゲアスのSAY YESが全盛の時に。小6で。渋過ぎる。
雑誌はPOPEYEやSTUDIO VOICE、あとはBoon、
加えてHot-Dog PRESSまで読んでいたんだから、
早熟ったらありゃしない。
この早熟感がわかるのはおそらくアラフィフ。
でもね、これ全部親父の影響。
やらかしの原因は両親も祖父母も末っ子から来ているのではないかという仮説。 に書いたけど、僕の家族はゆるい。
なんて説明しようか。そう、緊張感がない。
じゃなきゃ、エロの切り抜きを友人宅に投函する
なんていたずらを子供とやらないよね。
そう、父親は長男と20歳近く年が離れていたと思う。
父親はシャイな人で外ではあまり話さなかったし、
ゆる過ぎるので先輩面で後輩に語るような事もなかった。
そう、父親は今まで
年少者にウンチクを垂れる機会がなかったのだ。
そう、親父は末っ子だから、やったことなかったんだよ。
これがおかしな方向に早熟になった最大の分岐点。
子煩悩だったんだけど、親父は大人のそれではなく、
末っ子がお兄ちゃんぶるかのように。
おかげで僕と兄貴は
親父から溢れ出るウンチクのシャワーを浴びて育った。
夜中に口笛を吹くと蛇が出る。
さすが年寄りの子、その辺りの迷信まで刷り込んできた。
とにかく雑学もあった人だから、ジャンルは幅広かった。
でも、大人になって振り返ると、あれはウンチクではなく
飲み会のネタレベル。いい加減な話が多かった事に気付く。
そこでも我が家のゆる過ぎトラップ。
そう、親父がどうでもいいネタばっか吹き込んだせいで
かっこいい物の感覚がアラフィフ世代になり、
ファッション雑誌がHot-Dog PRESSに至ったのだ。
最近はアラサーくらいに見られるので、その差18歳。
性別も年齢も会話のネタも何もかもカオス。
僕は性別もそうだけど、
何より年齢と職業に興味を持たれることが多い。
初対面の人と少し話すとみんな僕の職業を聞く。
中、高の同級生なんかは
いまだに僕が定職に付いていないと思っている。
働いていると言うと「ああ良かった」という返しがくる。
誤解のないように言っておくけど、
僕は学校を卒業してからずーっと定職についている。
日本で専門を卒業してからワーホリに行ったけど、
でも、そのあとは渡航先でも専門学校を卒業している。
就職したのが25歳だったから20歳からの5年間。
1年の旅と約2年の学校。それ以外はお金を貯めていた。
定職に付いていないどころか、しっかりしちゃってる。
僕は普通の大人。
エロ写真をテレビの下に貯めたことさえなければ。
親父め。