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京都、洛東

100 million aberration

 Berekの代表作はElmarなのでしょうか。
 このElmarは戦前に作られ、のちにLeitzでコーティングが施されたものです。メッキはクローム、50-3.5ですから鏡胴はできるだけ長いものを探しました。
希少価値のない、ふつうのものですが、それがよいのです。
戦前のレンズとはいえ、Berekのテッサーなのでよく写ります。
開放からキレますが、ボケ方にBerekの秘密が隠されており、Berekとしては少し写実的ですが、京都、洛東に合います。

Elmar50mm3.5、鴨川

  線が細く、Elmarの特徴がでています。

Elmar50mm3.5、マルバの木

 マクロでも艶を隠しません。



Summaron35mm3.5、三条

 SummaronではElmarほどの奥行きは出ません。広角にも味わいを求めるのであれば、これもよいものです。


 BerekのLeitzはElmaxで始まりましたが、Summitarで終わりました。
本来はSummaritなのでしょうが、そうは思わないのです。
SummitarのレンズデザインはBerekのものといえそうです。
 このSummitarは戦前に作られ、のちにLeitzでコーティングが施されたものです。
最初期のものですが、ふつうのSummitarです。
カメラはFuji GFX100Sですが、沈胴させます。
これも開放から十分にキレますが、少し絞るとよいと思います。
その背後にある生活までも滲みます。
 やはり、京都、洛東に合います。

Summitar50mm2.0、鴨川

 これは開放で撮りました。
こういうときは絞るのがよいと思いますが、そうしませんでした。
濃い鉛筆で描いたようです。


Summitar50mm2.0、鴨川

 白鷺という種類はないのですね。
これは青鷺と思います。



Summitar50mm3.2大陸絞り、鴨川

 ワンピースの女性と寝そべっている男性のせいで、まるでジブリの世界のようです。

寺町、三嶋亭
祇園、片岡象牙店
祇園、斎藤
寺町、梅園


 三条、祇園の老舗です。
しゃぶしゃぶ屋のショーウィンドウにはハレの日の、象牙屋の看板には象牙の、呉服屋の暖簾には染めものの、そしてお茶屋には一服の、それぞれ気品があらわれます。



Summitar50mm2.0、祇園
Summitar50mm2.0、祇園
Summitar50mm2.0、花見小路

 花見小路では開放での撮影になります。タクシーが祇園らしさを手伝ってくれているでしょうか。舞妓さんが降りてくればと期待しましたが、そううまくはいきません。
 この女性はどなたですか。てる子ではありませんよ。
ここだけ時が止まっているようです。


Summitar50mm2.0、天井の龍
Summitar50mm2.0、天井の龍

 戦前のレンズですから、よりモノクロに適しています。
カラーでもよいと思います。

Summitar50mm2.0、南禅寺
Summitar50mm3.2大陸、南禅寺

 開放と大陸絞り3.2での比較です。
ずいぶん描写が異なります。
絞ると当然引き締まりますが、Summitarは絞っても味わいを失いません。
橋脚の影にそれがあらわれています。


Summitar50mm2.0、順光
Summitar50mm2.0、逆光

 順光と逆光の比較です。
 生前、父との最後の旅行でいただいたゆどうふです。
おいしいゆどうふです。
 疏水は、当時、水力発電などとして、現在は水道水でしょうか。
おいしいゆどうふでしたが、それは疏水と関係がありますか。関係ないでしょうね。
 ずいぶん経ちます。


Summitar50mm2.0、琵琶湖疏水
Summitar50mm2.0、蓮
Summitar50mm2.0、瓢亭の朝がゆ

 疏水で暮らす生き物です。人もそうです。
Summitarで写すと、どこか誇らしげに感じられます。
 どちらかと問われれば、朝がゆとこたえます。


Summitar50mm2.0、鴨川

 強い光はうまく捉えられません。全てニ線ボケのようです。
どうしてでしょうか。これはこれでよいのでしょうか。
よくないと思います。



Summitar50mm2.0、川床

 夏の夜ですが、暑ささえも写ります。
そう感じられるのも暑さのおかげでしょう。


Summitar50mm2.0、先斗町 山とみ

 おしまいに山とみと白い鷺。
 惜しまれつつ。

 おわり

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