保育士や、先生が持っている、 「こうやれば子どもの気分を変えられるよ!」を教えてください|asobi基地への相談への回答
■asobi基地への相談
親も生まれたてで知らない事だらけ。
保育士や、先生が持っている、
「こうやれば子どもの気分を変えられるよ!」
みたいなカードをもっと持ちたいのに、手持ちのカードは数枚しかなくてすぐに出し切ってゲームオーバー。
なので、保育士や先生が当たり前にやってるのかもしれないそのカードを、もっと知りたいと思っています。
asobi基地キャスト:清岡麻子(幼稚園教諭)の回答
こんにちは!asobi基地キャストの清岡麻子です。
2020年3月まで、認定こども園で教員をしていました。実際に園でやっていた方法を例に挙げて、「子どもの気分を変える方法」をいくつか提案させてください。
例えば、こんな感じです。
1 やるべき行動をゲームにしてみる
2 少し前に予告する
3 別のやり方を提案する
詳しく説明します。
1. やるべき行動をゲームにしてみる
子どもはゲームや勝負が好きですよね。
『勝負』と言っても、勝てなきゃいけません。
負けると、余計に暴れたりもしますから。
(たまには負けるのもいいけどね。)
例えば、公園で遊んでいて、そろそろ帰りたいのに言うことを聞いてくれないという状況だとします。
もう暗くなってきたから帰るよー!という声は、子どもの心に届かない時もありますよね。
そんなときは「ねぇ、よーいどん、しない?あの木にタッチして、次あっちの木にタッチして、公園の看板にタッチするんだよ。いい?」と提案する(さりげなく出口に誘導する)とか。
「砂場の片付けと、ママ(パパ)の帰る準備、どっちが早くできるか競争しようよ。負けた人が10秒おんぶする。どう?」とか。
ポイントは、ワクワクするかどうかです。
ルールが難しい方が燃える子もいれば、変な罰ゲームに夢中になる子もいますから。
2. 少し前に予告する
ちょっと、自分自身に置き換えて考えてみます。
例えば映画やドラマを見ている途中で、誰かに急に止められたりすると、イラッとしませんか?
それがすごくいい場面だったらなおさらです。
子どもの遊びは『今すごくいいところ!』の連続です。
いいアイデアが思いつきそう。あ、思いついた。あれ、失敗した。こうすればいいのかな?う〜ん、あ、なんかうまくいきそ・・・「ごはんだから片付けなさーい」
えぇぇーーーー!今いいとこだったのにー!ぎゃー!!
となるわけです。たぶん。
そうならないためには、ちょっと前に予告するのがいいです。
「あと10分でご飯できるよ。今日はカレーだから、あったかい方が美味しいよー。」とか。
あとちょっとでカレーかぁ。じゃあ、ここまではできそうだな。こっちは食べてからやろうかな。
というように、子ども自身も、生活に見通しを持てるようになります。
でもすぐに忘れて遊びに没頭してしまう場合もあるので、「あと5分だよ〜」 「あと20秒だよ〜」 「あと3秒!!」とカウントダウンするのもいいかもしれません。
大人が楽しそうに声をかけることで、そのワクワクさが子どもにも伝わります。
たとえ10分という概念がなくても、繰り返すうちに、10分ってこのくらいか〜と、なんとなくわかるようにもなってくるかもしれませんね。
3. 別のやり方を提案する
どうしても言うことを聞いてほしい時って、よくありますよね。
駐車場で走り回らないでほしい。
電車の中で静かにしてほしい。
ソファの上でジャンプしないでほしい。などなど・・
子どもだからといって、何をしてもいいわけではありません。社会にはマナーがあることを少しずつ知っていくべきだし、物を壊すような行動は避けるべきだと思います。
大人の目線から見ると困るようなことも多いですが、大人を困らせるためにしているのではなく、多くの場合『楽しいからやっている』のです。
保育園や幼稚園では、先生たちがその子の『楽しい』を理解し、それを経験できる別のやり方を子どもたちに提案して、一緒に楽しむということがよくあります。
例えば、子どもがフェンスに足を引っ掛けて、乗り越えようとしていたとします。
でもそれは乗り越えてはいけないフェンスだったりするわけです。
その向こうは道路だったり、落ちると骨折をしそうなくらい高かったり。
でも、「やめようよ」と言いたいところをちょっと我慢。まずは観察してみます。
フェンスの向こうがどうなっているのか知りたいのかも。
ちょっと難しいことにチャレンジしてみたいのかも。
高いところが好きなのかも。
と、いろいろ想定して声をかけます。
「あのね、あっちに木登りができそうな、すっごーく高い木があるんだよ。ちょっとやってみない?」
という感じです。
何度も繰り返しますが、ワクワクできるかがポイントです。
どんな方法がいいか、ぜひ考えてみてね
けっこう当たり前のことばかりですが、パニックになっているときは子どもも大人も冷静になれません。
時間に余裕のあるときに、「今度こういうことがあったら、こんな風に声かけてみようかな〜」と考えてみてください。
年齢や性格、その時の気分によって、ちょうどいい関わり方ってあると思います。
他にもいいアイデアがあれば、ぜひ教えてください!
体罰ガイドラインって?
2020年4月施行の改正児童福祉法と「体罰ガイドライン」。親を含めたすべての人による体罰禁止が明記されました。
■体罰等によらない子育てのために ~ みんなで育児を支える社会に ~
https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/000598139.pdf
「大人も子どもも、みんな一人の人間として平等である。」とのモットーで活動するasobi基地に集まってくる、パパ・ママや、保育・教育関係者からは、
「どんな理由があるにせよ、暴力は人権侵害」
との観点から支持はありましたが、とはいえ、現実問題として、どう対応していいかわからない場面は多いとの意見も。
そこで、asobi基地・顧問 よしおかゆうみや、asobi基地キャストが、子どもや親子との豊富な関わり、知識から、疑問・質問・相談に回答いたします。
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