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美容技術の伝え方

長らくブログを書けていませんでしたが
あるセミナーを受けて、自分がいかに美容室経営者として努力を怠っていたかを自覚し、お店のカリキュラム、求人、集客等などをもう一度見直して「もっと良い美容室創り」に取り掛かっていました

お客様に寄り添う為にはスタッフの教育カリキュラムは欠かせません!

今日は美容室スタッフ教育に関する考えかたで悩んでいる方
なんか美容師に飽きてきたなぁと言う方達に読んで頂くと幸いです



「伝える事」の「伝え方」


「見て覚えろ」から始まって
見たけど覚えれなくって先輩に聞いても「わかんない」
そんなに拘らなくても大丈夫だよ って言われて
納得いかないから「SHINBIYO」とか「TOMOTOMO」なんかを穴が開くほど見て実践して、何となく上達した時は本当に嬉しくって泣きそうでした

そういえば技術を教える事を面倒臭がる先輩が多かったな
自分が出来るようになったら絶対に後輩に1から10まで教えよう!!

なんて思っていたのが30年前

今ではマニュアルも作って「見て覚えろ」とは言わないものの
「もうちょっと考えてみて」とか「ちょっと基本が解ってない」なんて
すっごい偉そうな大人になってしまいました

「なんで出来ないんだろう?」「なんでわかんないんだろう?」って
ずっと違和感はあったんだけど

ま、違う人間だし、仕方ないか
ってどこかで「本気で全てを伝える事」を諦めていたような気がします

ま、いつか必要になったら本人が気づくだろ
怒ったって、叱ったっていじけるか不貞腐れるだけだし
そんな職場面白くないもんな

ま、今日も練習してないけどいちいち言うのも面倒臭いな
今日は黙って帰ろっと

って!!

こんなオーナーに誰かついてきてくれますか?

熱量も無く、ただ売上売上って困った顔して
気が付けば僕は新人時代を忘れ「伝える事」を諦めて自分の事ばかり考えていました

何が問題なのか?

それは「伝えることの伝え方」の工夫を全くやらず
途中で勝手に諦めていたことでした

100を教えないこと


「こんな環境で勉強をしたい!」
「こんな先輩やオーナーに教えてもらいたい!」
「先輩によって言うことが違う」

などなどの自分が抱えていた悩みをすっかり忘れていました

じゃあ、僕が覚えた事を全部伝えれば
それがカリキュラムになるじゃん

と、シャンプー、カラー、接客、カット、セットなど
一つ一つ細かい所まで書いているとキリがないんだけど
なんとか完成させ、それはもう隙が無いくらいみっちり

みっちり情報量のカリキュラムとなり
早速、スタッフ全員に浸透させるところになると違和感を覚えます

おっと

自分の全てがそこに入っているはずなのに
物凄く伝えづらいし、教えづらい
全然伝わった気がしない

それはそのはず

それは「僕のデザイン」であって「スタッフのデザイン」では無いから
どこかやらされてる感じが自分でものを作る人達への違和感になります

僕が1から100まで伝えることは
「自分で考える」事を奪ってしまっていました

「ヘアデザイン」を教える為に


基本や応用まで全てを網羅し、伝えようとすると
「自由度」」や「考える力」を損ないかねません

そういえば、僕達美容師はデザインの仕事をしているのであり
一度スタイリストになったら、自分でそれを考える力が必要です

なので急遽カリキュラムに新たな要素を入れてみます

「自分で考え、発展させる力を養う」こと

この考えが無ければ多種多様なお客様の髪質、髪の状態、考え方に対応する事は出来ず
長い美容師人生を送ってもらいたい僕としては本末転倒
「マニュアル美容師」」を作ってしまいかねません

僕は自社のカリキュラムに大量に注ぎ込んだ美容情報を
スリムにする作業に入りました

「何か足りない」という気持ち
足りないからこそ、なんとかしたいと言う気持ち

それが「ヘアデザインを作るために必要なこと」だと思いました

創造力を育む為に思う事


前述したように完全にマニュアルでカットしたり、カラーしたり、ヘアスタイルを作ることは決して悪い事では僕は無いと思っています

それどころか、本当はその方が早くスタイリストになれるし、若いうちに活躍できるのかもしれません

もちろん、必要に応じて今のカリキュラムに対する考え方は変化していくと思いますが、「何か足りない」がファッションを楽しむ為の必要な考え方だとして

もっともっと美容師を長い間楽しんでもらう為に、敢えて僕がスタッフに伝えたいことは「自分で創造する事の楽しさ」

それが美容師でいる事の楽しさに必ず繋がると信じています

そう思うと「見て覚える」はその最高級品なわけで
先輩たちが必死で叱ってくれた事を今は感謝しています

全ての一生懸命な美容師さん達が
自分達のお仕事を大好きでありますように

最後まで長い文章を読んで頂いてありがとうございました

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