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#4:そうは問屋が卸さない
お久しぶりです。しばらく間が空いてしまいましたが、第4話です。
お忘れになってしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、アソビアリと言う会社が生まれ、なんだかんだとあって、ドラマチックマーケティングという企画をつくったよー!
というのが前回までのお話で。
さて、そのドラマチックマーケティングとは何ぞや!と思いましたか?
思っていただきありがとうございます。
何の御礼か良くわかりませんが…。
ドラマチックマーケティングは、私が前職にいた際に、マーケティングについてあれやこれやと考えていたものをベースとして、起業してから2年間の経験も踏まえ、体系化したマーケティング手法です。
詳細はそのうち話すとしてですが、なぜそんな手法を考えたかを、まずはお話したいと思います。
私は元々前職ではアニメのプロデューサーもしておりました。
アニメというのはちょっと変わったビジネスモデルで、アニメそのものが商品でもある一方で、グッズをつくったり、玩具をつくったり、ゲームやイベントをつくったりと、二次利用で収益化を図ることを前提としていたりもします。
これのどこが変わったビジネスモデルなのかと言いますと、例えば、ペットボトルのドリンクがあるとします。これはペットボトルのドリンク自体が商品です。そりゃあそうですね。ペットボトルのドリンクの製造メーカーは、ビジネスを考える際には、ペットボトルのドリンクが何本売れるのか?きっと、それを考えると思います。ペットボトルのドリンクでグッズを作ったり、玩具を作ったりはしないと思います。たぶん…。飲食店のドリンクバーに入れてもらう、そういったことはあるかもしれないですが、ペットボトルのドリンクの二次利用を収益化の前提にはあまりしないかと思います。
それが割と必要なのが、アニメのビジネスなのです。
プロデューサーはアニメ作品の収支表みたいなものをつくるわけですが、そこには
ビデオパッケージ
配信
商品化
海外販売
みたいな項目が並んでいて、それぞれでいくら売り上げる。
みたいな計画を立てる訳です。
一昔前はBDやDVDのようなビデオパッケージがアニメ収益の主要な柱でしたが、今やBDやDVDが柱となるような作品はかなりのレアケースになっています。
今現在の主たる柱は海外販売です。
ですが、当然ながらどんな作品でも買ってもらえるわけではないので、海外販売にあまり向いていない作品をプロデュースするためには、国内でどうやって収益化を図るのか、あれやこれやと策をめぐらせることとなる訳です。
BDやDVDはそんなに売れない、海外も売れない、そうなると、配信か商品化で儲けるしかない。が、実は国内配信もそんなに儲かるわけでもなく、商品化もこれまた作品によって、売れる売れないは大きく異なります。なので、あの手この手を考えたりする訳です。例えばTV放送前に、劇場で先行公開をしてみるとかです。もちろんこれもこの手法が上手くいく作品もあれば上手くいかない作品もあります。
つまり何が言いたいかと言いますと。アニメというコンテンツは、作品毎でどうやって儲けるか、ビジネスの出口を都度都度考えなければいけなかったりします。
しかもアニメと言うのは、漫画原作、ノベル原作、ゲーム原作、オリジナルアニメ、アニメの続編や新シリーズなどなど、そのパターンも様々です。
そんなこんなもありまして、アニメビジネスに関わると、どんな作品をつくるか?はもちろん大事なのですが、どうやって儲けるか?を考えるのも同じかもしかするとそれ以上に大事だったりします。
加えてアニメは製作委員会というビジネスモデルも採用しています。複数の事業会社が出資しあってアニメをつくり、ビジネスをする組合です。
この製作委員会も作品によって、参画している事業会社はだいたい異なります。なぜか?先ほども言ったようにビジネスの出口が作品によっても異なるからです。
つまりアニメのプロデューサーは、こんな作品をつくりますというのを考えるのと同時に、こんなビジネスをしますというのも考え、さらに社外の出資パートナーを募り、アニメとビジネスを動かす訳です。
まあ毎回毎回新規事業をやってるような感じに近いのが、アニメビジネスなのです。
ということもあり、必然的にどう売るかというマーケティングも考えねばならないのもアニメプロデューサーのお仕事だったりします。
そんな訳で、前置きが長くなりましたが、これまで自分がやってきたことを体系化して、アニメビジネス以外でも使えるようにしたのが、ドラマチックマーケティングという訳なのです。
どんなマーケティングなのか気になりましたか?
気になりましたね?
気になったでしょ?
気になったと言って!
それはさておき、なんでそれが、そうは問屋が卸さないとなるの?
私としては、エンタメ以外の産業でも使えると思っているわけですが、いかんせんその実績が無い訳です。そして私はここで思い知らされるのです。エンタメ業界は、思った以上に他の産業との溝があるのだと言うことを…。
この企画を事業化するには、まだまだ乗り越えなければならないハードルは、100mに30cm間隔で、333個くらいならべられていて、まあ、成人男性なら30秒もあれば、いけるでしょ?できなかったら会社潰れるだけだからwww、みたいな軽い絶望感が、というのは大袈裟ですが、新しいビジネスをつくりだすのは、そんな簡単にはいかないもので。
とは言え、そんな事でいちいち絶望していたら、先には一歩も進めないので、事業企画を事業にするべく、新たな試行錯誤をはじめる事となるのですが。
私はふと気付いたのです。あれ、なんか仕事のやり方が、なんかおかしい、と…。
次回!番外編「アソビアリのAriaちゃん!」乞うご期待!
え?今回の話の続きじゃないのかって?そうは問屋が卸しません!