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【002】初のセルフ給電にドキドキ

 電気自動車(EV)といっても、ハンドルやペダルの操作などはガソリン車と変わらない。ホンダeに乗り始めて、最初にドキドキさせられたのは充電だ。感電したりしない? そういえば、セルフ給油のガソリンスタンドも、慣れるまでは緊張したっけ。

 近くのショッピングモールに充電スポットがあったので、買い物ついでに充電にトライすることにした。駐車場の専用スペースに止めて、充電口のフタを開ける。コンセントの親玉みたいなのがある。なるほど、給油口にホースを突っ込む代わりに、ここにコードを繋げばいいのね。

 ところが、決裁用の充電カードを読ませるカードリーダーが見つからない。どういうこと? とりあえず、コードを引っ張ってきて接続してみる。車のメーター部に「充電中」の表示が出る。なんと無料で充電できるらしい。

 ただし、普通充電器だった。自宅などに設置するのと同程度の出力。ホンダeの充電は、普通と急速の二種類あって、普通充電だとゼロからフル充電に12時間かかる。そんなに長くは止めていられない。でも少しでも継ぎ足せるのは悪くない。

 夕食の買い物やらなにやらで1時間弱。面白いのは、充電中だと思うと行動がのんびりすること。レジ待ちも苦にならない。いいよ全然、急いでないから。車に戻ると充電量は5%ほど増えていた。

                ☆ ☆ ☆

 楽しく走り回っていたら、電池はどんどん減って、数日で本格的な充電を迫られることに。ネットで急速充電ができるスポットを検索。区役所の駐車場にある充電器が24時間利用可と判明した。しかもこれまた無料ってほんとなのか。

 深夜に訪ねてみる。初めて使う急速充電器は、いかにも機械という雰囲気。コードも極太で、ビリッときたら即死しそう。ただし、使い方は難しくない。要はつないでボタンを押すだけ。あっという間にセット完了。

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中央区役所の急速充電器

 普通充電のときと違い、スタートすると「ゴーッ」と結構大きな機械音が響き始めた。なんだかすごく頑張って充電してくれている感じだ。15分後、リーフがやってきて後ろに並ぶ。もうすぐ日付も変わるというのに活況である。そりゃそうか。だってガソリンを配ってくれてるようなもの。普及促進策とはいえ、EVというだけでこんなに厚遇されていいのだろうか。

 急速充電器は30分で自動的に終了。連続充電は推奨されていないし、次の車も待っているので今日はここまで。充電量は約30%から80%超に。航続距離は100キロ以上増えていた。自宅から徒歩圏で24時間無料。自前の充電施設を持たない「野良EV」にとってはじつにありがたいスポットだ。

(夕刊フジ/2021.8.2)

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