菅原敦夫展 阿曾美術にて
なんとも言えない感情が湧いてきます。押し付けず、そっと心にいてくれる、故にいくらでも観ていたくなる、そんな繊細な絵画が描かれております。
菅原さんご本人は、豪放磊落な方です。何があってもガハハと笑い飛ばしそうな、そんな剛さを感じます。
そういう人には、他人の心を汲み取る優しさも備わっているもの。高校の美術教師だった菅原さん。展覧会二日目に、教え子だった女性が来廊。こんなお話をしてくださいました。
『20年ほど前、高校3年の時、全く学校へ行けなかった。そんな時でも、菅原先生の美術だけは受ける気になれた。そして、いろいろな相談に乗ってくださった。力になってくれた。もし先生がいなかったら、また別の進路になっていたかもしれない。だから、とても、感謝してるんです。』
やわらかな笑い方をする人でした。いろんな時を経ての、現在のこの笑顔なんだな、と。
菅原氏の繊細さと剛さが、教員時代、生徒の心を豊かにし、幸せにしてきた。
そして今、画家として絵画に結実されている。
これからも、菅原敦夫さんという『人間』で、芸術を生み出していって頂きたいと思います。
11月18日から24日までです。皆さまのご来廊をお待ちいたしております。