出張で河井寛次郎記念館を訪ねたら、収穫ありでした。
軽雨の中、本日仕事で、京都の河井寛次郎記念館を訪れました。
仕事を済ませたのち、せっかくいらしたのでどうぞ館内をご覧になっていってくださいとスタッフの方が言ってくださいました。有り難いです。
河井寛次郎氏は、随筆や詩、書、彫刻など幅広いお仕事をされた方。本職は、陶芸家です。柳宗悦や濱田庄司らと共に民藝運動を進めた第一人者でもあります。
記念館は、生前河井寛次郎氏が五条坂に自ら設計し建てた住居と窯場をそのまま保存したものです。
今日、こちらにお邪魔して思ったことがあります。それは、本当の意味での知識とは、足を使って得るものなのだなという事です。
河井寛次郎氏が設計した自宅は、風通しの良い、とても清々しい気持ちになる家でした。
展示してあった詩は、仕事に対する熱い感情が込められていました。
初期、中期、後期に分けて展示してあった陶芸作品は、安住をせず、新たな挑戦をしていたことが伝わってくるものでした。
そして何と言っても、寛次郎氏が鐘けい窯と名付けた登り窯を見た時、陶芸にどれだけ真摯に向き合っていたかを感じ取ることができました。薪の束がたくさん置いてあり、『ああ、ここで河井寛次郎氏は作陶に励んでいたのだな』という息吹がありました。
そういうことは、机上だけではなかなか分かりません。文章を読むだけで分かった気になるのは危険だな、と思いました。今日の訪問で、河井寛次郎氏について深く知ることが出来た気がします。
ふと、うちの店主が良寛さんの住居五合庵があるからと新潟を訪れたり、棟方志功が生まれ育った青森を旅したりしていたのを思い出しました。
足を使って時間を使って、そうして初めて見えるものがある。
とても嬉しい収穫。来てよかったです。