Share Concierge Interview【特別編】よろん発・頼りあいを、みんなの当たり前に! 「NPO法人よろん出産子育て応援隊あんまぁ~ず」 座談会
全国で1,800名以上がそれぞれの地域に共助コミュニティを広げ、課題解決に取り組むAsMama認定・地域サポーター「シェア・コンシェルジュ」。
今月は特別編!鹿児島県最南端の島・与論島で活動するメンバー4人の座談会をお届けします!
メンバー紹介
村上 由季
神奈川県出身。2013年移住、「くじらカフェ」運営
重久 チエミ
埼玉県出身。2010年移住、漁師の妻
山下 順子
佐賀県出身。2009年移住、「ボクラビーチ」運営
沖 朱理
京都府出身。2015年移住、リモートワーカー
※以下、敬称略
「NPO法人 よろん出産子育て応援隊あんまぁ~ず」
出産・通院のための宿泊施設や親子の遊び場運営、制服のリユースなど、離島ならではの出産・子育ての課題解決に取り組む。第13回(2019年)よみうり子育て応援団大賞【奨励賞】ほか受賞歴多数。
代表:内野正世
▼あんまぁ〜ずホームページ
https://yoronanmas.wixsite.com/mama
ー まずは自己紹介をお願いします。みなさん子育て中ということで、お子さんの年齢と、得意なことを聞かせてください。
村上:今日は代表の内野が参加できないので、私から。あんまぁ〜ずの副代表をしています。子どもは中1、小2娘。得意なことは妄想!
重久:子どもは上から中1、小5、小3、年長の4人。得意なことは村上と同じく、妄想!(笑)デザインも好きです。
山下:中1、小4の子どもがいます。 私は…みなさんの妄想の補足とか、形にするアイデアを出すのが得意なんじゃないかな?あんまぁ〜ずの活動も10年近くやっているので、これを実現するためにはこういうものが必要かな?というのがだんだん先回りして提案できるようになってきました(笑)裏方的な役割が多いです。
沖:子どもは年長、1歳です。 私も比較的妄想タイプ…ではあるんですが、バランスを考えて調整タイプです!10年弱、リモートワークをしているので、デジタルツールを使うことや仕組み化が得意分野です。
ー 2016年に発足した「あんまぁ〜ず」、制服のリユースプロジェクトや出産・通院のための宿泊施設立ち上げなど、すでに色々な活動をされてきたなかで、2021年にAsMamaの「コラボ団体」に認定されています。応募いただいた経緯はどのようなものだったのでしょうか?
村上:沖さ〜ん!おねがいしま〜す!
沖:はい!ここは私ですね。私は第一子が産まれるときにあんまぁ〜ずにジョインしたんです。これからもっと活動を広げようとういうタイミングで、どうしたらいいのかな、と色々調べていました。
実はAsMamaのことは全然別のルートでちょっと知っていたんですけど。イケてるベンチャーみたいな感じで紹介されていて(笑)
AsMamaのやっていることと、離島で発信のすべがない実体験・現状とがマッチするなと思って。「子育てシェア」の仕組みを上手く使って、一緒になにかできるんじゃないかな?とそれこそ「妄想」して、みんなに提案したんです。
ー みなさんはどう思われましたか?
重久:いやもう、沖が言うなら間違いないかなと!
山下:「譲るよ」の機能なんかは、すでに島でやっていることとすごく合っているなと思っていて。そこに保険が使えるなら、デメリットはないよね、と。
村上:SNSとかデジタルを使いながら子育て世帯がつながっていくっていう発想がなかったんですけど、デジタル得意な沖と山下の2人がいいって言うなら、これはイケるなと。ニーズあるんじゃないの?という話になりまして。
ー すごい…それだけ信頼できるメンバーがいるって最強ですね。
重久:ほんと、このひとたち(山下・沖)フワッとしてないんで。すっごいしっかりしてるんで!
村上:すごく冷静に考えて、ちゃんと言葉にしてくれるんですよね。あんまぁ〜ずは、山下・沖の冷静組と村上・重久の情熱組に分けられます(笑)冷静と情熱の間に、代表・内野が立っているという。
ー とてもいいパワーバランスですね。どちらかが1人だけだとしんどいこともあるかもしれませんが、仲間がいることでうまく回っている。
重久:冷静組も、普通の冷静な人と比べたらだいぶアツいですけどね!
ー 実際、認定コラボ団体になって「子育てシェア」を使ってみて、いかがですか?
沖:さっき山下が言ったように、モノのゆずりあいとかおさがり、子どもの預けあいも、もともと島でやっていたことではあるんですが、これまでつながりがなかったIターンやUターンで入ってくるような人たちにも、もっともっと広げていきたい気持ちはあって。どう増やしていくかは今からさらに取り組んでいくところです。
そもそも心強い先輩がたくさんいますし、「子育てシェア」で哺乳瓶ゆずって〜って発信したら2つももらっちゃったりとか、個人的には恩恵はすごく受けてるので、いかに他の人たちにも成功体験を見せて、実感させてあげられるか、かなあと思ってます!
全国でこれだけの人が「子育てシェア」に登録しているということは、私たちが広めようとしている「頼りあい」が「いいな」と思われてるということなので、「間違ってなかった」という安心感がもてています。自信につながっていますね。
離島の中で変わり者が頑張っている、ということだけでなくて、日本全体で広がっていくべき取り組みなんだなと。
ー 離島の変わり者、とおっしゃいましたが、島のママたちの反応はどんな感じですか?
沖:地域性かもしれませんが、ママたちの中で「環境を変えていこう」「新しいものをとりいれていこう」ということに消極的な人が多かったり、女性が積極的に行動することがまだまだ多くはない中で、こういう活動を堂々と楽しんでやろうとしているところは、変わり者とみられている可能性はあるかもしれないですね。
村上:2016年から活動を始めて8年。やっとここ数年「あんまぁ〜ず」のことを与論の人たちがすんなり受け入れてくれてるな〜という感じはしています。あんまぁ〜ずを立ち上げた当初はそれはもう「なにを始めたんだ!?」みたいな感じで、驚いた目で見られることもよくありました。
さっき沖が言ったように地域の中での女性の考え方もありますし、出産や子育てにおいての不便や、今まで島の生活に当たり前になかったものに対して声をあげたり行動したりすることが「え!?そういうことってやっていいの!?」という感覚ですよね。
でも、実際やってみたらすごくニーズがあって、ママたちには「こういうのほしかった!」と言ってもらえたので、やって正解だったんだなというのは実感しています。
先頭切ってやってるみたいな想いも別になかったんですけど、変わり者と思われてはいたんでしょうね。まあ、今もですかね(笑)
ー 悟ってますね(笑)
村上:どんどん思いついちゃうんですよね、妄想族なんで。思いついて、やってみよう!ってなっちゃう。
重久:そうそう。子供の成長にあわせて、やりたいこともどんどん変わっていくよね。最初は妊娠してたから妊産婦向けの取り組み。子どもたちに制服が必要になっておさがりリユースをはじめて、スポ少(スポーツ少年団)の遠征に行ったら「宿代こんなにかかるんだ!」ってなったことが、宿泊施設を学生向けに展開するきっかけになったり。
ー 当事者だからこそ本当に必要なものを形にしてきたんですね。
「Yadoo!(やどぅ〜)」「ASiBee(あしびー)」など、あんまぁ〜ずのプロジェクトのネーミングのセンスが秀逸で!どうやって考えているんですか?
沖:アイデアは妄想組(村上・重久)ですね。
村上:みんなで考えてる中で、可笑しなノリからポン!と
重久:与論の方言をうまく取り入れたりしてね。
↓個性的なサービスの数々(あんまぁ〜ずInstagramより)
村上:完全にネーミング先行ですね(笑)。そこから、具体的にどうしていこうか、ということはみんなで話し合って詰める感じです。誰かに一任するのではなく、みんなで意見を出し合ってブラッシュアップしていきます。
ー 本当に素晴らしいチームですね!「自分たちが楽しむ」ことは、活動を続けられる一番の秘訣かもしれませんね。
最後に、あんまぁ〜ずとして今後やってみたいこと・夢・野望を教えてください!
村上:これからの話でいうと、まさに今私たちも「子育て」の当事者じゃなくなってきていると感じはじめていて。
私たち「あんまぁ〜ず」だけが頑張るのではなく、地域の人たち自身が子育てしやすくなるために、よりいっそう自分ごととして、積極的に活動できるようになるといいなと思っています。みんなが楽しめる、当事者がやりやすい空気作りをしていきたいですね。
このあたり、子育て世代の声を集めて行政へ届ける役目をしていけたらと。
ーいまAsMamaでは、「子育てシェア」が進化した「マイコミュ」を使って自治体をリードパートナーとしたより地域に特化したコミュニティづくりが始まっています。与論でもぜひご一緒できたらいいですね。
沖:与論は住民と行政との距離感も近めで、行政の子育てに対する理解や課題感については当事者意識はあると思います。ただ、「具体的な困り事」がわからなかったり、「変えるためにはどうするか」「行政とタッグを組んでいくためにはどうすればいいのか」は言語化されていない。
今トレンドでもある「官民一体」みたいなところを、まず「あんまぁ〜ず」が行政と手を携えて、島の子育てのためにシステム作りができないかを模索したいですね。その先、子育てだけでなく、農業とか観光とかにも還元できる仕組みづくりができることが理想です。
村上:沖さん、かっこいい!頼もしい!!!
重久:先の先の夢は、今のメンバーが引退!あんまぁ〜ずを引退して「ぱーぱーず」(ぱーぱー:与論のことばで「おばあちゃん」の意)になって、みんなでわちゃわちゃいろんなことを続けていたいですね。
ありがとうございました!夢も野望もすぐに実現しちゃいそうな、パワフルなみなさんでした。AsMama一同、心より応援しています!
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