最愛の亡き夫がつないでくれた子育てシェア。送迎・託児のお手伝い、子育てを頼りあう仲間づくりがライフワークに。
保育士資格を持ち幼稚園の教員経験があっても、我が子の子育てがうまくいかず行き詰まったことのある伊藤真理さん。自身の経験をもとに『ひとりきりで子育てをさせない』をモットーに、長崎で活動をしています。AsMamaシェア・コンシェルジュ・アワード2020では、一緒に子育てシェアできる顔見知り=シェア友つながり数で九州No.1の実績をおさめ、頼りあい子育てを広げています。
―シェア・コンシェルジュになったキッカケを教えていただけますか?
大きなキッカケは、最愛の夫との死別かもしれません。
私は子どもが大好きで、大学を卒業した後、幼稚園の先生をしていたのですが、我が子の子育てはうまくいかず、行き詰まってしまったことがあったんです。だから、同じように「子育て、ちょっとしんどいなあ」と思っているお母さんたちがリラックスできるような場を作りたい、とずっと思っていました。
そう思いつつも、なかなか行動に移せない中で、大切な夫を突然失うという経験をしました。
当時の私は、完全な抜け殻・・・
とはいえ、2人の子どもたちを育てていかないといけないのが現実。
しかし、家庭の事情から「どこかに勤めに出る」という選択肢は難しかったのです。
私の息子たちには食物アレルギーがあり、毎日の代替食作りが欠かせませんでした。高齢の両親も身近にいて、介護のサポートもあります。
そこで、「家でできることはないかな?」と色々調べて出会ったのがAsMamaと「子育てシェア」でした。
子どもたちの送迎・託児のお手伝いや、子育てを頼りあう仲間づくりの交流会等、私が「やりたいなあ」と漠然と思っていたことが、すでに仕組み化されている!と驚きました。
それで「私もシェア・コンシェルジュ(当時ママサポ®︎)になってみよう!」と思ったのがキッカケですね。
―「シェア・コンシェルジュになろう!」と思った後、研修や活動は順調にすすめられましたか?
いえ、実はそうでもないんです。
「これが私のやりたかったことだ!」と思って、説明会に参加したり、近隣のシェア・コンシェルジュさんに話を聞きにいったり、他県のシェア・コンシェルジュさんのブログ等を何度も何度も見たりしたものの、「私にできるかな?」と不安ばかりが募ってしまって、行動に移すには半年以上もかかってしまいました。
そんなとき、身近に託児を必要としている人との出会いがあり「やるしかない!」と覚悟を決めて、マイペースながらも少しずつ少しずつ活動を始めていきました。
―元幼稚園の先生で、託児はプロの伊藤さんでも、初めてお子さんを預かる際には覚悟が必要なほど緊張なさったのですか?
そうですね。シェア・コンシェルジュ仲間でも「最初の一歩を踏み出すのはドキドキした!」と言っている人が多いですよ。
私も最初は、以前勤めていた幼稚園に「こんなことはじめました~」とチラシを持って行ったり、知り合いのお子さんを預かったり、まずは自分のペースで安心してできる活動からはじめました。
ブログもそのひとつです。もともと自分の活動の記録を残す目的でブログをはじめたところ、ブログから私のことを見つけてくれる人がでてきて、そこから知り合いになり「子育てシェア」での送迎託児の支援依頼をいただくケースが徐々に増えていっています。
▼伊藤さんのブログ
―伊藤さんの温かい人柄や子育てで大切にされていること等が、ブログからも伝わってきますね。最近では、どんなお預りをされていますか?
そんなに頻繁に依頼がくるわけではないんですが、最近では、コロナ禍のため里帰り出産ができなくなった方の、上のお子さんの送迎託児をお手伝いしていました。
ベビーシッター等の派遣やマッチングサイトとは異なり、「子育てシェア」って、地域の顔見知り同士の共助、頼りあいコミュニティアプリなので、「お守り代わり」に登録している人も多いんです。AsMama認定シェア・コンシェルジュになったからといって、すぐに送迎・託児の依頼がいっぱいくるというわけではありません。
でも、いざというときに「あ、そういえば、こんな人いたな」と思い出してもらえるような存在でいたいと思っています。
だから、常にカバンや車の中に「子育てシェア」のチラシを入れておいたり、何かあるごとに「送迎・託児のサポートやっているよー」と言ったり、
ブログやSNSで発信したり、ということを続けています。
長く続けていくには、気負いすぎないことがコツですかね。
▼頼りあえる関係づくりのために、お花見やハロウィンなどの季節イベントや、オンラインでも交流会を企画・開催している伊藤さん
ー最後に、伊藤さんにとって、シェア・コンシェルジュはどういう存在か教えてください。
私にとって、シェア・コンシェルジュはライフワークです。夫を亡くしたことで自分を見つめなおす期間ができ、自分が何をしていきたいのか、いっぱいいっぱい考えました。
その結果、やはり私は、子どもが大好きだから子どもと触れあっていたいし、自分の子育ての苦い経験からお母さんたちが気持ちを吐き出して分かち合える場を作りたいなあと。
そのどちらもできるのが、シェア・コンシェルジュの活動です。
これからも、あせらず、あきらめず、自分のペースで活動を続けていきたいと思っています。
▼AsMama10周年記念祭には2人の息子と一緒に参加
Interviewer 川添華子
Interviewee AsMama認定シェア・コンシェルジュ伊藤真理さん
Interviewee Profile
AsMama認定シェア・コンシェルジュ(当時ママサポ®︎)。
長崎県長崎市出身、在住。中3と小6、2児の母。座右の銘は『一期一会』。
自身も卒園した幼稚園に教員として7年間勤め、結婚を機に退職。
約6年前にご主人が他界し、息子2人と3人暮らし。近くに高齢の両親が住んでおり、介護サポート中。
趣味は、読書、ネットサーフィン、音楽鑑賞。特技は、読み聞かせ、書道。
好きなことは、絵本・情報収集。AsMama以外では、学校図書ボランティア、星読み、Kanaiプレートアート・ナビゲーターとしても活動中。
《あなたも子育てシェアやシェア・コンシェルジュに参加しませんか?》