ICUで感じたこと。(その2)
こんにちは。西尾です。
前回の「ICUで感じたこと(その1)」の続きになります。
今回は、ICUの夜勤環境で驚いたことについてお伝えします。
前回は、ICUの音環境について多く触れました。
私たちは日々の業務の中で、医療者の日中の業務風景を見ることはありますが、夜勤帯の業務を見ることは滅多にありません。
きっと、夜勤は看護師の人数も少なくなるため、様々な課題を抱えながら業務をしているのではないかと思いながら、見学させていただきました。
消灯は21時頃、徐々に部屋の照明は落とされ22時頃にはナースステーションや廊下の照明も落ちていき、日中とは全く違う環境になります。
まず驚いたのは、22時以降の看護師の働き方です。
みなさん記録用のPCの光やペンライトを使いながら、PCカートのデスクの上で作業しているのです。
こちらからは手元はほぼ真っ暗に見えたのですが、薬剤のチェックやハサミを使う作業もあったり、黙々と作業をしていました。
ここまで暗い環境で、作業しているとは、本当に驚きました。
きっと患者さんのためを思って、できるだけ寝やすい環境を作るために、自分たちの環境を犠牲にしているとも見て取れました。
「いつもはこんなに真っ暗なことは少ないよ」と森田さん。
本来は、夜までかかる手術の患者が入室したり、救急でICUに入室があったりすると、フロアの電気を付けたり消したりするので、慌ただしい雰囲気になることがあるようです。
しかし、先ほどの写真のような真っ暗な状況になることもあるわけです。
近年、集中治療医学会でも患者さんの睡眠の質について、講演されることも多くなってきました。しかし、患者さんが過ごす環境と医療者の働く環境のバランスが問題になっていると思います。
ICUという環境を考える上では、単純に患者さんだけの環境が良ければいいとは思いません。
患者さんを中心に考え、医療者にとって働きやすい環境も同時に考えていく必要があると思っています。
この記事を見てくださった医療者や、医療関係者の皆さん、自分の病院の工夫や、こんな働き方しているよ、こんなアイディアあるよ、など少しでもICU環境をよくするために活動されていることあれば、教えてください!ご連絡お待ちしています。
そして、本年も残りわずかとなりました。
アスピオは活動をはじめて約6か月、多くの方々に賛同、ご協力いただき、少しづつですがプロジェクトは前に進んでいます。
この場を借りてお礼申し上げます。
来年は、今以上アスピオを盛り上げ、医療者の皆さん、ご協力いただける皆さんと共に、本当により良い医療環境は何かを見つけられたらと思います。
引き続き、来年もよろしくお願いいたします。
Project Manager 西尾
アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
医療者のみなさんのご協力なければ、医療環境は変えられません。少しでも興味ある方お問い合わせ、ご意見ご感想お待ちしています。