ICUダイアリーをつくってみた。その1
こんにちは。IN//SEKIの中尾です。
以前お話ししたICUダイアリーの続きです。アスクレピオスではICUダイアリーの可能性と現状の課題について整理し、より簡単で効果的なICUダイアリーがつくれるような仕組みをつくれないか、アイデアを出し合う中で、
院内専用タブレットやスマホで、手軽にICUダイアリーがつくれるアプリがあったらいいんじゃないか?というアイデアが生まれました。
ICUダイアリーは決まったフォーマットがありません。大学ノートに文字だけでその日の状態や出来事、激励の言葉などを記述したり、シールやカラフルなマスキングテープなどを使って、工作をし、可愛らしく仕立てたり、写真を貼ったり・・・さまざまな形のICUダイアリーがあります。
いくつかの事例を拝見し、中には工作をしながらのICUダイアリーでは、通常業務時間以外に1時間以上かけてつくっているケースや、ノートに文字だけでその日のトピックや励ましの言葉を記録しているシンプルなものもあります。
そこで、実際にアスピオのメンバーも医療者の気持ちになって、ICUダイアリーをつくってみることにしました。
その中で、書いてあると良さそうな項目や制作時間、どんな見栄えだったら患者さんやご家族にとって、喜んでもらえるか、また医療者さんにとって必要な情報はどんなものなのかを発見したかったのです。
ワークショップをするうちに、さまざまな事に気づきました。
医療者になった気持ちで・・・
ワークショップでは工作の時間を30分に設定しました。
想定した患者さんは、ICUに1週間程度入室予定の成人。コピー用紙、カラフルなマスキングテープ、カラーペン、シールなどを駆使しながら、自分がICUの医療者だったら?という視点でそれぞれ工作をしました。
実際につくったICUダイアリーの一部をご紹介します。
上田さんのダイアリーでは、(写真右)タブレット画面で写真を指でなぞった形に切り抜けたり、プリクラのように装飾がつけられ、その人らしい見栄えにできるようになっています。また、(写真左)患者さんやご家族が、その日どんなことが起こるかがわかると、目標の設定や励ましにつながるのではないか?という視点でつくられています。
私のダイアリーは学級新聞仕立て。患者さんの日記を振り返る時に、楽しい気持ちなるような見栄えを意識しました。その日に起きた一番印象に残ったことをタイトルにし、体の状態やリハビリで何をしたかなどがわかるようにしています。手作り感が伝わるような仕組みを手書きの部分をつくりました。
西尾さんのダイアリーは夏休みの絵日記のような見栄えです。プリクラのように写真にふきだしが出せたり、スタンプで装飾がほどこせたり縦書きに、その日の状態やトピックを記録できるようになっています。
花田さんのダイアリーにはその日のお天気やご家族の励ましの言葉も入っていたり、体の状態によい変化がおきたことを記載できるようになっています。
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実際につくってみたことで、必要な項目と不要かもしれない項目、見栄えのイメージや伝えたいことなどが見えてきました。
次の会では、どんな内容が見えてきたのか?についてお話しします。
IN//SEKI 中尾
アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
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