アスクレピオスのアイデアノート:VRで痛みの緩和!?
こんにちは。IN//SEKIの中尾です。
今日は、VR(バーチャルリアリティ)を痛みの緩和に使うお話。
患者さんが感じる痛みには癌性疼痛、神経系の慢性疼痛、手術後の創部疼痛、陣痛など様々な痛みがあります。その痛みをVRで脳を乗っ取り、疼痛を減らしてしまう!という研究が世界中でなされています。
みなさんもゲームや映画、ドラマなどを夢中になって観た経験はありますよね。私も集中しすぎて人の声が聞こえなくなったりすることもある程です。
VRで好きなゲームや映画を観たら、まるでその空間にいるような臨場感が体験できるので、集中を超えてその世界に没入できます。その没入感が、痛みを緩和させるのですね。
慢性疼痛に使われるオピオイド。量がふえていくことで依存性が問題になることもあります。
Hoag Hospitalより
カリフォルニア州ニューポートビーチにあるホーグ病院(Hoag Hospital)は、VRを使ってオピオイドの量や種類を弱いものにする試みをしています。
この研究の責任者神経外科医、ロバート・ルイス(Robert Louis)医師によると、2017年におこなわれた無作為化試験では、VRを使って患者を治療したところ、0~10のスケールで定義した痛みが平均で3ポイント軽減したという報告がされたそう。
例えば、7か8のレベルの痛みが3か4の痛みで済めば、強いオピオイドを選択せず一般に使用される解熱鎮痛剤で済む可能性もありますね。
weals onlineより
他にも出産時の陣痛。この痛みは筆舌に尽くしがたい痛みのひとつ。ウェールズ大学で研究されている陣痛中の妊婦さんに森林浴やビーチなどリラックスできるVR体験で、陣痛の痛みを少しでも和らげるという研究もなされています。私も試したかった・・・
うららかVRより
日本では特許出願中の『うららかVR』というサービスもあります。順天堂大学大学院医学研究科 堀江教授、医学部麻酔科学・ペインクリニック講座 井関教授とパルス社との臨床研究に基づき、入院時の不安緩和と、3か月以上続く慢性化した神経障害性疼痛の緩和を目的として開発されたものだそう。
VR技術は日進月歩で進んでいます。ICUで術後の痛み緩和のためにVRのヘッドセットをつける日が当たり前になる日もそう遠くないのかも・・・。
参考:
アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
医療者のみなさんが、ふと思い浮かんだ「こんなアイデアはどうだろう?」「こんなものが、あったらいいな」があったらぜひお聞かせください!
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