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#5 暇だからアメリカ横断する―最大ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダ4州横断

ニューオーリンズは生憎今日も曇り模様。小雨がぱらぱらとしているでしょうか。この年末はあまり晴れの日がありませんね。ヒューストンくらいでしか綺麗な青空を見ていません。

昨日、マリファナ下さいおじさんと出会ってしまい、ジャズバーで大ジョッキ5杯ほど、しっかり2時間くらい飲んでしまいました。起きれるか心配でしたが、意外と眠気もなく元気です。息子は元気なさそうです。アルコールの副作用でしょうか。

朝ごはんには、由海さんに教えてもらった甘い甘いプラリネ(砂糖を煮詰めて焦がし、ア-モンドやヘ-ゼルナッツを加えて、冷やした豆板を砕いてペ-スト状にしたもの)を食べて、英気を養います。甘いが、それがいい。美味しい。

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今日はルイジアナから3州移動して、最終目的地であるフロリダ州に入る日。行程の途中でタイムゾーンが変わり、時差で1時間が自動的に押すのも覚悟の上。更に、旅行で一番長い走行距離670miles(約1070km)です。

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ついに最終目的地のフロリダ州東海岸へ!

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1,000㎞越えの単純な移動日。

10時間を超える運転と疲労がどこに一番影響を与えるか考えたことあるでしょうか。

腰?
目?
肩?

いえいえ、あたまです。

■ロードキルについて運転しながら考えてみた

これだけ走ってくると景色も変わります。

サボテンやブッシュ(低い木)ばかりが広がる荒野から、草や葉をつける木々が生える緑の土地へ。次第に沼地が多くなり、霧に覆われる湿地帯へ。そして、池が多く点在する開けた半島へ。当たり前なのですが、景色(植生)が変わればそこに住む動物も変わります。

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こんな岩だらけの荒野から木が生えた湿地に変わります。

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都市部では人付き合いと諧謔に長けた人が、山の近くでは変に動ける変態どもがいるのと同じ感じです。

僕は高校生の時に、他の中学の部活仲間にそう言われました。「○○中学(山の上にあります)の人って、変に動けるよね。やっぱり山育ちは違うわ」と。

同じ市内だわ。心外だ。

と抗議しましたが、周りを見ていると全日本ランカーの走り屋、ムキムキのラグビー部×2、猿のように飛び回る僕、という何とも言えない布陣だったので説得力が逆に皆無でした。

さて、旅の話に戻りましょう。

植物が変わるのは景色を見れば分かる。じゃあ、動物が変わるのは時速130km/時で走る車の中からどうやって分かるのだ。という疑問をお持ちでしょう。

とはいえ、動物も結構な頻度で見れるんですよ。
ほぼ100%死体(ロードキル)ですけどね。

つまり、道路脇で死んでいる動物の種類が変わっていくんです。

これはとても面白い発見でした。きっかけは英会話の先生との会話で「テキサスはアルマジロが住んでいるから、もしかするとロードキルのアルマジロが見れるかもね」と聞いていたこと。だから、僕は結構ロードキルを見るたびに何が轢かれているのかを見るようにしてきました。

アリゾナ、ニューメキシコくらいまではやっぱりコヨーテが多かったですね。次点でウサギ、猫、鹿と言う感じかな。

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荒野を超え、高地を超えてテキサスの東側までくると次第に鹿が多くなってきます。そして、ルイジアナに入るころにはアライグマが大量に横たわっていました。しっぽがしましまだったのでアライグマだと思います。それ以外は良く分かりませんでしたが、イタチ的な何か?

ただアルマジロは見かけませんでした。良いことだとは思いますがテキサスでアルマジロを見たかったです。

フロリダではアリゲーターが見れるのかな、と少しビクビクしています。

こうして見返すとやっぱりなかなか特徴的ですよね。そして、はらわたをぶちまけて、こと切れている動物をみると、なんだかやる瀬なくなります

「キミがこんなことになるなら、僕が美味しく食べてあげたかったなぁ」と思います。

なんというか、死ぬのが決まっているのなら、その血肉を吸収したいというか……。これは人の深い業だと、罪だと糾弾する方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は肉も野菜も食べて生きている以上、食に関しては思う所があります。

以前、エッセイで書いたことがあるのですが「キミが死ぬときは僕が食べたい」と、僕を乗せてカポカポ歩いてくれている馬に対して思ったことがあります。

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(この子達のどれかに乗りました。全員可愛かったです)

逆に言うと、僕が死んだ時はその後はどうなろうがどうでも良いというのが正直なところ。死んだ瞬間に僕と言う自意識は存在しなくなりますからね。知りようもないですし、どうなろうが何かを思うことすらできないですから。自分が死んだ後のことを考えるのは無意味です(遺産とか、迷惑とかそういうお話ではありません。それはまた別のお話しです)。

でも、無意味だと思っていても「どーせなら何かに、出来れば可愛い哺乳類の動物たちに食べられたいなぁ」と考えてしまいます。火葬されて、骨だけになって大切にしまわれるくらいなら、何かの糧になった方が僕以外の皆にとっては有益だよなぁ、と。

その意味で鳥葬とかは良いかもしれませんね。僕は大した存在じゃないからこそ、最期(の後)くらいせめて何かの役に立ちたいのかもしれません。

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そういう意味では、過大な承認欲求の現れなのかもしれませんね。

道端で命を散らしている動物を見て、そんなことを思いました。残念とは思いますが、それも生なのでしょう。理不尽ですが、運が悪かったのですね。
 
考える時間があったわりに、考えがまとまりません。
とにかく、僕は死んだら可愛い動物に食べられたいということです!


ちなみに、生きている間に女の子にも食べられてみたいです。


よし、旅に戻りましょう。

■あたま以外は無事、フロリダ州オーランドへ

結構、気合を入れて、ニューオーリンズを後にしたのですが、結果として杞憂に終わりました。というよりも、一番楽な行程に感じました。

眠気に襲われることもなく、長い渋滞も無く、ほぼ予定通りに着けました。

日本の地図上では鹿児島の南端から3日とちょっとで最北端まで来たことになります。そして、そのまま北海道の東の先、根室まで行き、札幌まで戻ってきたくらいを今日は走りました。あぁ、今日も頑張った……。

・Airbnb最高!! 一人旅最高!!

今はAirbnbで見つけた、フロリダ半島北部の都市オーランド郊外にあるシーザーさんの素敵なお宅の一室でキーボードを叩いています。このお宅は本当に素晴らしいですね。今まで泊ってきた中でもかなりの綺麗さと大きさを誇っています。シーザーさんも優しそうでしたし安心です。

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(ビールがおいしい。こういう一見変な味のビールはそこら中で売っています。アメリカは地ビール大国です)

しかし、大きなトラブルも疲労も無かったとはいえ、7時に出て、現地時間の6時前に着きました。実10時間も運転に使ってしまったので、今日は何にも出来ていません。

一つだけ、思ったことがあるのでそれを書きます。

一人旅は自分でどこに泊まるか、どこに行くかを行き当たりばったりで適当に決められる。その自由度の高さが魅力的ですよね。

実際に、シーザーさんのお宅は今日の朝予約しました。幸い二日間で120ドルと格安でした。ホテルは最低でも一泊200ドル。モーテルでさえ100ドル越え。やっぱりこの時期のフロリダは高いですね。三分の一以下のコストで済んだのでAirbnbは重宝します。

・一人旅で困ること

しかし、自由な一人旅にも一つだけ欠点が……。
人の多い場所での食事が困る。ということ。

これは個人的な意見なのですが、長蛇の列が出来ているレストランに一人で並ぶのは気が引けるのです。ましてや、家族やカップルで和気藹々と過ごすこの時期のアメリカのお洒落なレストランは特に。

どうしても観光地は人が集まりますから、人気店は列が出来る。その中で待ちたくないのです。一人が好きなくせに、ふり切れないのが悲しいですね。でも、どうしても周りの目が気になるのです。

実は今日も近くにある少し高級感の漂うシーフードレストランまで車を走らせて、雰囲気を覗いてみたのですが、どうみても場違いだったのですごすごと諦めました。

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(こういうレストランは一人じゃ入りにくいよぅ)

やっぱり一人に優しいのは、大きなテーブルやボックス席ばかりの大型店より、比較的小ぶりな二人席やカウンターがある隠れ家的なお店ですね。

そして、その中でも選定基準は待たないかどうかです。つまり、行きたい順位を決めておき、待ち時間があるかどうか聞きます。20分以上待つ必要があれば次の店に行きます。といった風にします。これも運ですね。レストランとも出会いです。忙しかったり、臨時休業とかで入れなかったらしょうがない。それは運が無かっただけなのです。

予約とかはしたことないです。予約すると自由度が減りますし、単純に面倒なので……。もちろん、複数人で旅行する時は、全部予約しますよ。誰かといる時は人気店に行きたいので。閉まっていて、何か変な空気に……とか嫌ですし。童貞とは言え、モテないムーブは出来る限り避けたい

・ディナー:イタリアン TERRA MIA

とにかく、僕はシーフードレストランを諦めて、近くにあるよさげなイタリアンTERRA MIAへと足を伸ばしました。外から見ると数人のカップルが待っているようで、とても盛況でした。ダメ元で受付に待ち時間を聞いてみると、カウンター席が空いており、カップルより先に入ることが出来るとのこと。

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ダメ元万歳!
恋愛でやったら大体玉砕するぜ! 今のところ100%砕け散っています。

早速お店に入ると、明るい雰囲気の木の温かみがしっかり出たお洒落なインテリア。お店は活気があって、とても好きな空気でした。僕はそのお店の名前がついた一番高いディナーメニューを頼みます。

これが何も考えずにそのレストランを一番楽しめる方法だと考えています。英語でメニューを読んでもどんな料理か分かんないですもの。ほぼ全てのレストランに言えますが、一般的な料理名じゃない限り、英語のメニューを理解して読んだとしても、出てくるまで全く想像がつきません。それも楽しくないですか? こんな料理だったんだ! という驚きが好きです。

そして、出てきたのはトマトクリームベースのソースがたっぷり掛かったフィットチーネ、チキンブレスト、シュリンプが一つの楕円型の大皿に大胆に乗ったとても美味しそうな料理でした。

アメリカのイタリアンは場所を選ばないと麺がのびのびだったりして死ねます。ネコと同じくらいびっくりするくらいのびてます。油断するとやられるので気を付けましょう。

ただ、このレストランはしっかり食感が残っていて、とても満足のいく固さでした。もちもちのパスタの上には、フレッシュなトマトと少し甘味のある干しトマト(?)が散りばめられており、その右側には柔らかい鶏肉の上に弾力のあるエビが乗っています。そして、全体にクリーミーなソースがたっぷり掛かっています。

店員さんが「チーズはいかが」と聞いてくれたので、笑顔で「もちろん!」と答えます。全体に掛かる削られたチーズ……。僕はもう待ちきれませんでした。

パスタを一口楽しんで、お肉に浮気しては、エビのぷりぷりを確かめる。
 
単独でも美味しいのに、それらを三つ一遍に食べられるなんてめちゃくちゃ豪華なお料理でした。これで20ドルは良かったなぁ、と満足してお店を出ました。今回のレストランは良い出会いでした。

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お腹もいっぱいですし、そろそろ寝ようと思います。

明日、明後日は天気が悪いのですよね。
どこに先に行くか早起きして決めたいと思います。

それでは、また明日。




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