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SUMMER SONIC2023に行ってきたよーーーん

京都に夜行バスで行こうとしたら予約日間違えてて乗車拒否喰らってそして僕は途方に暮れてもうすぐ雨のハイウェイになりました、○代目です。

というわけでそんな予約日間違えから一夜明けてなんとか夜行バスに乗れてます。だがしかし自分夜行バスで寝れないタイプの人間なんで、今回は暇つぶしがてらにこないだ行ったサマソニの感想でも書いていこうかなと思うぞい!




と書いてから1ヶ月経過...

段々めんどくさくなってきしまい、しっかり記事の鮮度を落としてしまいました。無念。

では本題にレッツゴー

サマソニ前の日

今年の1月下旬、第一弾ということでヘッドライナーの二組が発表されました。

1組目が90年代のUKロックシーンの主役の一組で、まさにイギリスが生んだイギリス人らしいバンドBlur。

2組目がUSヒップホップシーンの王者であり、2010年代以降のポピュラーミュージックにおいて最も評価されている時代の代弁者ことKendrick Lamar。



強すぎない?????????

ついこないだ数年ぶりのライブ活動再開を発表したブラーを呼べただけでも万々歳なのに、ケンドリック呼んじゃうの?え?予算大丈夫???って感じでして。去年のThe 1975とポストマローンという10年代後半のヒーローが満を持してヘッドライナーに抜擢されたのも2020のスーパーソニックから続くストーリー性があって良かったけど、積み上げてきた実績と日本での支持も熱いブラーと現行のシーンで最も影響力があるケンドリックとでは正直去年の二組では弱く見えてしまうて(もちろん1975もポスティも最高よ)。

しかもその後も我が永遠のアイドルことLiam Gallagher、下北系四つ打ちバンドを生み出した元凶ことTwo Door Cinema Club、なんかよくわからないけどめっちゃ人気なNewJeans、政治に口出ししそうなアイルランド人に声がそっくりなInhaler、邦楽もAwichに Corneliusと気になるメンツが揃うことに。だがしかし、実はブラーの日にするかケンドリックの日にするかで結構迷いまして。というのもこの2組、見てみたい気持ちはあるけど個人的に別にすごいフェイバリットなわけでも無いんですよね。そりゃThe 1975とかポールくらいの熱量があれば即答で選べただろうけど、ぶっちゃけブラーなんかはアルバム1枚最後まで聴くのはダルいし、ケンドリックも「To Pimp〜」と「Damn」以外の作品は聴いたこと自体はあるけど曲と名前が一致しないくらいのニワカだし、むしろ一番見たいやつで言えばリアムなんだよなぁ〜ブラーと同じ日だったりしな...


リアムとブラー別日か〜〜〜〜〜〜

うわぁこれはめちゃくちゃ悩ましいやつだーーーー。知ってる曲は多いし好きな曲もたくさんあるけどブランクとか考えるとライブはあまり期待出来なそうなブラーにするか、見たら一生自慢できそうなくらい凄そうなライブは見れそうだけどノリについていけるか謎なケンドリックか...どっちにすれば良いんだ!!!!!!!!!!!!!!!!






なーんだ両方行けば良いじゃん^ ^

ということでまた例年の如く金欠の春を迎えることになった筆者、8月楽しみが増えたぜい〜くらいの気持ちで当日まで迎えるのであった。


サマソニ DAY1

いよいよ待ちに待った8月19日、ついにSUMMER SONIC2023が開幕しました。

さて筆者はと言うと10時半に到着しました。

船橋駅に。



は????????

SAY 何???????????

説明しよう。サマソニのチケットを購入してから3ヶ月くらい経ってからのこと、会社の方で推奨される資格試験の受験をすることになってしまったのだが、まさかの受験日が19日しか無いとのことで絶望。やむを得なく朝イチの時間帯で、幕張メッセから一番近かった船橋の会場を選択という経緯に。それでも10時スタートで2時間の試験をやるとなると、どーーーーう考えてもこの日の注目の的の一つNewJeansは現実的に厳しい感じに。いやそんな俺もNewJeansに愛着は無いけど、こんだけ注目されてると見てみたいやん!ミーハーで何が悪いねん!!!ってわけで。しかも深夜までガッツリ追い込んだので、さらに遠い会場ということもありちゃんと寝不足、というか徹夜。寝たいよ??????

とまぁそんな感じで試験もボコボコな状態で11時半に船橋の試験会場を後にし、どうせ生で見れないしなって思ってNewJeans聴きながら海浜幕張へ。俺も聴きたかったよ「Super Shy」


そうこう言いながら海浜幕張に到着。さまーそにっくという字面、トラメガで誘導するスタッフの声、浮かれ気味なオーディエンス、クソ暑い夏の日差し、ついにサマソニに来たぞって実感が湧いてきました。

2DAYSのリストバンド交換所に向かうタイミングで、NewJeansの「ASAP」が聴こえてきましたね。見たかったよ...。


そんなこんなでクッソ硬いことでおなじみのリストバンドをもらいいざ入場。カラフルなゲート、おじさんからギャルまで様々な人が行きかう光景、絶対そんな並ぶほどのもんでもないやろって感じで盛況の屋台、そしてありがた迷惑な放水、凄くサマソニに来た実感が湧いてきました。

1日目を一緒に回ることになっていた大学時代の友人と合流し、さてとりあえず一発目ということでPale Wavesでも見に行くべってなった矢先、マリンスタジアムへの入場ゲートが動きません。本来開始時刻の13時5分になっているにも関わらず一向に動かない待機列。Twi…いやXを開くとどうやらNewJeans目当ての観客が多すぎてまだマリンから出れないという投稿もちらほらあり、どんだけNewJeans人集めたんだよと思うと同時に、俺もNewJeansに対してもうちょい熱量があればこの狂想の目撃者になろうって気概があったのかなと思った次第。


1.Pale Waves(マリンステージ)

今年のサマソニの一組目はマンチェスター出身のロックバンドPale Wavesですね。

それにしても前のNewJeansの規制退場が大幅に遅れたこともあり、5分送らして開演しても18年のChance The Rapper???ってくらい悲しいほど人がいなくて、少し遅めの入場の自分でもかなり前の方で見れましたね。

とはいえ肝心のパフォーマンスについては屈強かつ力強い安定感のある演奏と、Dirty Hit仕込みのポップでエバーグリーンな楽曲が快晴のスタジアムに更なる光を彩るナイスパフォーマンスでしたね。自分は19年のソニックステージでのパフォーマンスを見ているのですが、その時はまだボーカルのヘザーもドラキュラか?ってぐらいゴス系の出で立ちで、レーベルメイトのThe 1975の妹分って言われてもおかしくないくらいの80sポップの影響を受けていた印象だったんですよ。ただそれ以降の4年で出した2枚のアルバムが元々武器だったポップなメロディを活かしつつ、00年代のAvril LavigneやParamoreなどの影響を受けたポップパンク路線へと舵を切ったことでこのバンドの個性をさらに花開かせた印象がありましたね。

んで、今回のサマソニでのパフォーマンスは彼女たちのポップパンク路線が正解であることを証明するかのようなステージングで、スタジアムで鳴らした時にいかにオーディエンスのハートにガツンと曲を届けるかっていうのを重点においてライブしているのがすごく伝わるものだったんですよ。たしかにヘザーはどんだけファンデ塗ってんだってくらい顔白かったけど、そんなことよりも曲の良さとPower is Powerな強いステージを堪能できました。


めっちゃNewJeans見れなかったことへの恨み辛み溜まっとる当時のワイ

2.ペトロールズ(ビーチステージ)

続いては友人たっての希望でビーチステージにてペトロールズを見ました。

サマソニ東京会場の魅力の一つにビーチステージの存在ってのは凄く大きいなと思っていて、場所としては郊外だけど都会にいながら海を横目に音楽を楽しめる非日常感、横から吹き抜けるBREEZEが心の中を通り抜ける。そしてありがとう木々たちよ。

さてペトロールズですが、実は筆者このバンドのスタジオ音源を聴いたことが無いんですよね。YouTubeで数曲ライブの動画を見た程度で、その話を友人にしたら「いやぁ~俺もペトロールズ聴いたことないんだよね(笑)」っていうお前も知らねぇのかよという状況になりましてですね。俺の中で長年抱いてきた”ペトロールズ好きって言ってる人ペトロールズ聴いたことない説”がさらに信憑性を増す中で、いざ初めての生ペトロールズということなんですけどこれがまた素晴らしい演奏でしたね。

3ピースというミニマルな編成を活かした過不足ないさらっとした演奏で奏でるシティソウルは、まさに灼熱の大地に現れたオアシスといった趣。まさに今俺らが欲しかったのはクッキーでは無く、レッドブルウォッカとペトロールズだったわけです。このバンドを語るうえで欠かせないのはやはり顔とも言える長岡亮介の存在だと思うんですけど、個人的にはリズム隊に目が生きましたね。長岡亮介ってBOOWYの布袋なんかと一緒でソロもガンガン弾けるけど、バッキングで小技をちょくちょく見せて楽曲にアクセントを加えるのが強みのギタリストだと思っていて、だからこそベースの三浦淳悟が結構主旋律もがんがん行っちゃうベースラインで牽引していく構図も良い。あとドラムに関してはテクニック面も申し分ないけど、ライブでの音作りがずば抜けてるので音の抜けがとにかくよかった。正直、良いライブってドラムの音の抜けの良さにかかっている部分って非常に大きいので、ペトロールズはそこが凄い良いと感じました。King Gnu、お前らのことだからな!


3.Two Door Cinema Club(マリンステージ)

この後メッセの方でさっくり飯を食ってから再びマリンに。

流石にペトロールズの時点で大分熱さに体力持ってかれたので、スタンドから見ることにしましたが実は今回が初めてのTDCCのライブです。19年の時はソニックステージのトリかトリ前だったのかなんだか忘れたんですけど、とりあえず見る機会を逃したので今回は絶好の機会ということで。

セットリストは10年代の日本のバンドに4つ打ちを使えばフェスで簡単にアゲられることを教えてしまった傑作「Tourist History」の楽曲が半数くらいを占めており、それが功を奏したのかアリーナが異様な盛り上がりというか各々が好きなように踊るダンスフロアが形成されているのがスタンドからだとよくわかりましたね。かくいう筆者自身もGalileo Galileiの影響で海外インディーを聴き始めたころに、「Tourist History」が入門アルバム的な立ち位置を確立していたのもあって、「I Can Talk」、「Do You Want It All?」、「Undercover Martyn」、「What You Know」といった名曲が流れると懐かしい学生時代がよみがえってきましたね。ちょうど受験勉強のお供で聴いていたのでうぅっ…苦しい思い出が….。

最後は「Something Good Can Work」で終わる流れもすごく良くて、やはり4つ打ちは偉大なりと感じさせられたライブでした。


4.Gabriels(マウンテンステージ)

TDCCのマリンでの灼熱のダンスフロアから逃れるように、メッセでかき氷でも食うかってことで戻ってきたわけですが、たまたまマウンテンで演っていたGabrielsをそのままチラ見することに。

2,3曲しか見れてないんですけど、ゴスペル仕込みのパワフルなんだけどシルクのようにとろけるボーカルは絶品で、送風機を当ててマントをなびかせて歌ってたのも相まって完全にラスボスと対峙している構図に。

キングクリムゾンかよってくらいバイオリンの人が全面に出ているのも含め、ゴスペルとR&Bをベースにしたそのパフォーマンスは一言で言えば"リッチ"なもの。でもどの楽曲もソウル。R&Bのポジティブな感触というよりは、どちらかと言えばブルースにも近い怨念めいたものを感じさせたのも魅力的でしたね。


5.Cornelius(ソニックステージ)

ここ数年で最も見たかった邦楽のアクトの一組です。

オリンピックでの大バッシングなどを経て、去年奇跡の大復活を遂げた時は日本の音楽シーンにおいていかに小山田圭吾という人物が重要であるかがよく分かった象徴的な出来事であって。そして今年、親交も深かった高橋幸宏と坂本龍一の死、そして歌モノへと回帰した7年ぶりの新作を引っ提げてのサマソニということもあり、今見なきゃいつ見るんだ?くらいの使命感に駆られてソニックステージへと向かうことに。

「MIC CHECK」から始める刺激的なオープニングから、最新作からの2曲で場内にひんやりとした空気を持ってくる流れは凄くクール。このバンド自体がMCをするようなタイプのバンドじゃないので、各々がそれぞれの演奏に打ち込んでいる独特の緊張感が張り詰めます。そんなヒヤッとした空気をぶっ壊すかのように、世界中の民族音楽が矢継ぎ早に流れるVJに合わせるかのように切れ味溢れるバンドアンサンブルで勝負を掛ける「Another View Point」はめちゃくちゃ痺れましたね。聴覚と視覚の両方からオーディエンスに鋭利なイメージを提示できるのはこのバンドの絶対的な強みであることを再確認させられます。その後のVJと轟音の嵐はすさまじく、間違いなくこの日の全アクトの中でうるさかったのはCorneliusです。

しかしこの日のハイライトはラスト3曲でした。YMOの「CUE」のカバーから始まり、元々はMETAFIVEの楽曲として制作された「環境と心理」、そして大名曲「あなたがいるなら」で締める流れ。もうわかる人にはわかりすぎて切ないセットリストですよ。「CUE」は確かに以前カバーしていましたが、今回のライブでは限りなく本家YMO版に近いアレンジで演奏されてましたね。個人的には「CUE」という、YMO屈指の攻撃的な音像を持つ問題作「BGM」の収録曲の中でも数少ないメロディアスな楽曲をピックアップするところに今の小山田圭吾らしさが表れていると思いまして。というのも小山田圭吾ってFlipper'S Guitarというデュオで素晴らしい"歌"を作り上げて、そこからCorneliusでサウンドの快楽性を追い求めていくキャリアになるわけですが、そんな彼がまた再び歌モノを武器に携えて感情の刹那を訴えることが出来るようになったという、またワンランク進化したことが感じられるパフォーマンスを見せつけられた気がします。戻ってきてくれてありがとう。


6.HONNE(マウンテンステージ)

友人からBlurをなるべく前方で見たいというリクエストもあり、マリンへの移動がてら数曲鑑賞。

マウンテンステージに入った瞬間、国境超えたんか!?ってぐらい雰囲気が一変しまして、まぁとにかくハッピーオーラで充満されていて、なにこれ?日向坂のライブかなのか???

あと意外と音源で聴くよりもソウルのバイブスが強くて、そこも凄く横ノリでノれて良かったっすね。


7.Fall Out Boy(マリンステージ)

さてBlurをなるべく前で見るためにマリンに到着。

19年の時もFOB見ているんですけど、その時は今じゃ伝説のThe 1975を見てしまった後で、放心状態で見ていたんでほぼ記憶の片隅にも残ってないんですよね。

というわけで今回はフラットの状態で見ることになったFOBですが、これぞアメリカって感じのTHE スタジアムロックな趣で、マリン映えする力強さがありましたね。パトリックスタンプの声は抜群にカッコいいし、あれ?お前いつの間にこんな少林サッカーの相手チームのキーパーみたいな風貌になったんだっていう稀有をよそに客席にダイブするピート諸々、見せ場は要所要所にありつつ、往年の名曲を爽快に鳴らしていくステージングですたわい。


8.Blur(マリンステージ)

いよいよ1日目のヘッドライナーBlurの時間となりました。

FOB終了後、いそいそと前の方に前進していき、ステージ上のメンバーが肉眼でも余裕で確認できる位置にまで来ることが出来ました。これはステージ前方に来た人ならわかってくれると思うんですけど、ヘッドライナー前で涼しい夜風が吹き抜けるあの時間帯にホースで水ぶっかけられるのめっちゃムカつきません???昼のクソ暑い時間ならありがたいけど、夜は普通に寒いよ???あともうやめてってみんな言ってるのに、フリだと思ってもっとかけてくるスタッフ、ダチョウ俱楽部やってるわけじゃねぇからな!!!!!

とまぁそんなわけで普通に寒さに震えながら「The Debt Collector」をバックに本日の主役がステージから登場しました。

僕が想像していた数十倍、Blurの4人はおじさんでした。

そりゃメンバーみんなアラ還だからおじさんなんだけど、デーモン以外の3人は休日に草むしりしてそうなくらいラフな出で立ちだし、かといってデーモンもジャケットを着てスマートな感じはあるのにそのジャケットに養生テープ思いっきり貼ってあってなんか抜けてるというか…。そもそも今回のBlurのライブ実はちょっと不安なところもあって、それは元々自分の中でBlurがライブ上手い印象が無かったことと、こないだのコーチェラでのGorillaz見てたらデーモン全然声出てなかったのも気になってて。だから最初登場したとき、ホンモノのBlurだ!って感動と同時にちゃんとパフォーマンスできるのか?っていう二つの気持ちが行ったり来たりしてたんですよ。

だがそんな不安は早々に払拭されました。オープニングを最新作からの「St. Charles Square」でアリーナをスイングさせてからの、初期の名曲「Popscene」で場内を一気に熱狂の渦へ巻きこみ、たった2曲でマリンスタジアムの空気を掌握したタイミングで名曲「Beetlebum」で勝ち確。強い、強すぎる!!!!!!

その後も「Coffee & TV」、「Country House」、「Parklife」、「Girls & Boys」、「Song 2」といった往年の名曲のオンパレードに、最新作からの曲も織り交ぜるという今のバンドの強さも見せつけるセットリストを展開。それでも節々で結構もたついたり、何回も演奏してるだろその出だし‼って感じで入りミスったりすることもあるくらい、演奏としては不完全というか緩い完成度なんだけど、不思議と始まってしまえばそれすら愛嬌に思えるくらい素晴らしいものを見ている気分になるんですよね。それはひとえにこのバンドの持ってる手札が強すぎる、つまりBlurという究極の普遍性を持ったバンドが紡いできた人々の生活に溶け込む名曲の訴求力が強いことが窺えるわけです。そこを堅実なリズム隊とデーモンの愛嬌で丁寧に演奏しつつも、グレアムというバンド最大の秘密兵器がノイジーにぶっ壊していくのがこのバンドの面白い所で、Blurがとっつきやすくてとっつきにくい所以でもあるんですよね。

個人的には結構グッと来たところが何個かあって、そのうち一つが「Country House」を初めていい曲だと思えたこと。正直に白状すると、ぶっちゃけこの曲変な曲だな~くらいにしか思ってなくて、なんでoasisの「Roll With It」に勝てたんだろうくらいにしか思ったことないくらい愛着無かったんですよ。ただ、今回のサマソニでこの曲演奏したときに、デーモンがアリーナまで下りてきて観客に支えられる形で歌ってたじゃないですか。あのときのデーモンの姿を見て、めちゃ今を生きる人たちの讃美歌だって感じたんですよ。人々に支えられながら一身にスッポトライトを浴びて歌い上げる「Country House」がめちゃくちゃエモーショナルに響いて泣きそうになりましたよね。

そしてその後の「Tender」での大合唱、そして「The Narcissist」でのイントロ部分でのメンバーが歩調を合わせる様子、そして「The Universal」で大団円で終わるところ、全てが美しかった。あの頃のようなスタイリッシュでカッコいいBlurというよりは、年相応でありのままのちょっと抜けてるところもある音楽が好きな4人って感じで、なんというか彼らの楽しんでいる空気感と生き様がそのままステージに投影されている感じがあって素晴らしかった。そして名曲はいつまでも錆びつかないこと、楽しむ心があれば思わず口ずさみたくなる名曲を作り続けられこと。キャリア屈指の歌モノ作品となった「Ballad Of Daren」を引っ提げた今回のライブは、本当に今のBlurだからこそこの目に焼き付けて良かったと思える感動的なライブだった。


10.Jacob Collier(ビーチステージ)

結構楽しみにしていたんですけど、すいませんBlurで完全に体力を使い果たして記憶がほぼありません(笑)

見たのも結構ライブも佳境に入ってきたころなので、しんみりした曲で逆に疲労が体に回ってしまいほぼ放心状態で見てましたね。ただ波の音と音楽が混じりあった状態で見上げた夜空が美しかったことだけはなぜか記憶にあるな…。




サマソニ DAY2

前日の疲労が全然抜けきってない状態で、特に午前中も凄い見たいアーティストもいなかったのでゆっくり行くことに。

そんなわけでこんな機会もないしということで実験企画です。


幕張豊砂駅からサマソニに行ってみた

今年の3月に新たに開業した幕張豊砂駅。イオンモール幕張新都心というサマソニの会場からでも見える馬鹿でかいイオンモール、またはBUMP OF CHICKEN「Sailing Day」のMVのロケ地、a.k.a.GLAY EXPO 99の開催地の最寄り駅として作られた駅なんですけど、ここ経由でサマソニに向かうとどうなのか?っていうのを検証するために、今回幕張豊砂駅から会場に向かってみました。一応サマソニ公式だと最寄駅は海浜幕張のみの記載でして、これはシンプルに直線距離だと海浜幕張の方が近いからですね。

まず駅を降りますたロータリーを挟んで目の前にはもうイオンがあります。あとはこの中を入ってイオンを突っ切っていくんですけれども、イオン自体がかなり大きい(建物を約2棟分)ので歩数だけ言えば結構歩きます。ただ利点はめちゃくちゃあって、まずはイオンの中が冷房が効いているので快適であること、トイレにストレスなく行けること、あとは水とかの買い足しもできますし、レストランも充実しているのでここでお腹を満たすこともできるのかなと思います。特に海浜幕張から行くとサマソニに向かう人たちで道がそこそこ混んでますし、2DAYチケットの人なんかは進行方向の反対から幕張メッセに向かう人とかちあったりするので、そういったストレスがなく冷房混みで快適に歩けるという利点はあるのかなと。あとは駅から降りてすぐのプレナ内の飲食店も混みあってるので、先に腹ごしらえという意味でもイオンを利用するのはアリですね。

で、リストバンドの交換についても多分一番利用者が多いのって1DAYチケットの人だと思うんで、どうしても一番混みあうのが大階段のところのリストバンド交換所(メッセ内の飲食店ブースの階段の近く)になります。そうなると他の交換所を見ると、比較的利用者は少ないけれど場所が狭いマウンテンステージ側の1DAY交換所とマリンステージ側の2DAY交換所に関しては、どちらかというと海浜幕張よりイオン寄りの場所にあるので、特に東京方面から京葉線を使って来場する方に関しては幕張豊砂で降りる来場方法はアリなのかなと感じました。


11.The Snuts(ソニックステージ)

この日は彼女と行くことになっておりまして、せっかくならももクロが見たいというご意向に沿って幕張メッセに向かったものの、途中のイオンで筆者のうんちタイムが長引き間に合わず。一応メッセには着いたものの特に見たいものも思い浮かばず、なんか向こうで音鳴ってるし見てみるかということでソニックステージに。

The Snutsに関しては前評判の時点で良いとは聞いていたんですけれども、これも筆者の疲労のせいもあり最後の曲の後半部分しか聴けず。でもぱっと見でもわかるくらいフロントマンに華があるのがわかるくらい、ふてぶてしくてカッコいいなと思いましたね。後からTwitt…Xで見ても凄く評判が良かったみたいで、次はもうちょい万全のコンディションで見たいなと思いました。


12.HY(ビーチステージ)

もう完全にリアムとケンドリックのために日中は省エネモードでも良いかなぐらいの気持ちになりかけてたんですけど、

彼女「HY見たい、366日聴きたい!」

と無邪気な満面の笑みで言われちゃいまして、もちろんそんな可愛い顔で言われちゃったら行くしかないよねぇぇぇぇぇ(お惚気ですいません)ということで急遽ビーチステージに。ちょうどこないだドライブしているときに、HYの366日いい曲だよねーって話をしていたので、こういう機会でも無ければ一生見ることは無いアーティストなんで少し楽しくなってきましたよ。

そんなわけでビーチステージ向かったんですけど、まさかのプチ入場規制がかかるくらいには人が集まっておりまして、HYの人気は本物なのか?もしくは筆者のように彼女に366日聴きた~い♡ってせがまれた人々が集まったのか?またはHYをNewJeansと勘違いしているのか?はたまたタイムテーブル上にはHYと記載しているけれど実はThe Libertinesが来ることに淡い期待を抱いているUKロックファンの亡霊が集まっているのか???

真相は闇の中ですが、ライブ自体はさすが20年近いキャリアを持つベテランということもあって非常にエネルギッシュなライブでしたね。随所に00年代の香りが潮風と共に運ばれてくるというか、この年代特有の沖縄系J-POPのいい意味での軽さがお昼のビーチステージと相性が良かった気がします。

個人的には男のボーカルがMC「みんなで手を広げて虹を架けよう!そうすると世界が平和になるからさ」みたいなことを言った瞬間ケッてなったのはさておき、ライブは凄く楽しかったですね。

結局366日はやりませんでしたが(笑)。


13.FLO(マウンテンステージ)

暑い、暑すぎるよぉ~ということで、涼しさを求めメッセ方面に。

しかしながら1日幕張で熱でやられた体では足取りも重く、しかも事前に買っておいた水1リットルも底をつき、とりあえず飲食物売ってるスタンドがあったので木陰でコーヒーを嗜みつつ、のろのろとマウンテンステージに着きますた。

さてちょうどついた時間にやっていたのが去年デビューしたばかりのイギリス出身のガールズトリオ。去年デビューしたばっかの頃に、このMVめっちゃY2Kみ凄くない???みたいな感じでTw…Xでバズっておりまし、あれ...去年の時点ではTwitterか…というわけでTwitterでバズっていたのを機に存在を知りまして。

で、幕張のひんやりとした床に寝そべりながら見てもTLCとかデスチャを意識している感があるというか、凄くスタイリッシュなルックの3人組といった感じの装いなんだけど、オーディエンスからかわいい~みたいな声援を受けるとキャッキャしたりする感じは年相応の女の子って感じでいいギャップでしたね。音楽はやはりド直球のディーヴァ系R&Bといった感じで、それこそデスチャとかミッシーエリオットとかカバーしてたのかな?まぁそんな感じで先人のいいとこを上手く再解釈していて良きでしたね。


14.Inhaler(マウンテンステージ)

ああああああああああああああああああ幕張メッセの床ひんやりしててきもちぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。

ということで床でぬっくり休んで、レッドブルウォッカ飲んで気合を入れたところでそのままInhalerを見ることに。

アイルランド出身の中年男性ポールヒューソン63歳の息子を擁するこの若手ロックバンドですが、1曲目からマウンテンの反響する空間を最大限に活かしたスケールの大きいロックを展開。やはりなんと言ってもその空間の中心にいるのがフロントマンのイライジャの声、これがまたアイルランドを代表する某世界的ロックバンドを彷彿とさせる雄大さがあり、この声あってこそこのバンドの魅力を何倍にも増幅させているのが伝わりましたね。

ただその一方、スケールの大きさに反比例するかの如く曲が良くも悪くもスマートにまとまりすぎている印象は感じまして、なんというか売れるタイプのインディーロックの模範的な曲って感じで印相が薄いんですよね。持ってるポテンシャルはほんとに素晴らしいものなので、後は突き抜けるような魅力がある曲が作れれば余裕でマリンの良い時間帯も狙える立ち位置になりそう。このままだとCirca Wavesみたいに微妙な立ち位置になるぞぴょまえら!


15.Awich(ソニックステージ)

Inhalerを途中で切り上げて隣のソニックステージへと移動、開演5分前の時点で結構パンパンになっててこいつら全員ケンドリック見るなと思いながらAwichへ。

最近彼女が「LONGINESS REMIX」にはまった影響でせっかくなら見に行こうということで初Awich。もう言わずもがな近年の国産ヒップホップシーンにおいて音源もパフォーマンスもしっかり評価が高い人というのが自分のイメージで、去年出した「Queendom」なんかも当時リアタイで聴いてかっけぇ~ってなったんですけど、結果的に言うと今回のライブは見れて大正解でしたね。

1曲目の「Queendom」の時点で完全に自分の世界へとオーディエンスを引き込む彼女のストーリー性の強いバックボーンと滲み出る強い人間力、もう正直この日のライブは1曲目の時点で彼女の勝利です。彼女がステージを縦横無尽に横断し、そして声を荒げるたびに熱波が沸き起こるソニックステージ、幕張メッセの温度が外の気温よりも暑く感じたのは間違いなくAwichのパフォーマンスの時だけです。音源以上でも結構熱量高めですが、やはりライブとなると対人となることでアジるために自然とガナり声になってしまう様(これを俺はTravis Scott現象と呼んでる)はめためたにカッコいいです。

そして「TSUBASA」で熱気を帯びたステージをクールダウンさせる運びも、完全に空気をコントロールしていて良きですね。あのままぶっ通しで走り抜けるのも全然いいけど、この間が生まれることで緩急がついて次の「GILA GILA」での爆発へと繋がり圧巻。その後は一杯ゲストが出てきたんですけど、いかんせんラッパーの顔と名前が一致しない人間ですのでフロアが湧いても全然誰が誰だかわからないけどめちゃ楽しかったっすね。来年あたりマリンだったり、他の国内向けのフェスでヘッドライナーに据えても全然ありだじゃんって感じの凄さ。


16.Liam Gallagher(マリンステージ)

この日のサマソニは多くの人々がリアム→ケンドリックの導線で動くことが予想出来てたので、早めの腹ごしらえとトイレ(これが一番大事)を済ませて夕暮れ時のマリンスタジアムへ。

予定よりも結構早めにアリーナに着いたんですけど、案の定もうすでにパンパンパンに人が詰め込まれてましたね。正直ヘッドライナーのケンドリック以上に日本ではファンの絶対数が多い、いわゆる洋楽ロック初心者三種の神器(オアシス、グリーンデイ、レッチリ)の一角を担う男のライブというだけあって客層のバリエーションはケンドリック待ちのラップキッズも含めまんべんなく広いといった趣で、この雑多な感じこそサマソニだよなとしみじみ。

同郷の先輩The Stone Rosesの名曲「I Am the Resurrection」が終わり、アリーナにこだますリアムコール、そしてあのお馴染みに「Fuckin' in the Bushes」が鳴りモニターにこれでもかと自分を褒め称える賞賛の嵐の言葉と映像が流れる。その圧倒的な自信の表れは、それこそ4年前のヘッドライナー前で見た同じマンチェスターのThe 1975とは真逆の演出(彼らは自分たちに来た批判をモニターに移した)でそこもまた面白い。ついに姿を現した相変わらず暑そうなマウンテンパーカーを身に着け、タンバリンとマラカスという二大凶器をもってついに降臨した。

ついに始まったロックショー!

しかしこの時筆者はとんでもない事実に気付いてしまう。

リアム「All your dreams are made~」

俺「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
隣の人「おーゆどりーむさーめーいー」
マリンスタジアム「おーゆどりーむさーめーいー」

どうやら筆者が来たのはマリンステージではなく、リアムギャラガーカラオケ大会in幕張だったようです!!!

リアムの声よりお前らの声の方がでけえよ!

oasisのライブと言えばシンガロング、そんな共通認識がこの空間で生まれてしまったがゆえにみんな思い思いの大熱傷パーティで、リアムの声がかき消されとるがなという事態に。まぁそういう筆者も大熱唱だったんで人のこと言えないんですけど(笑)

リアム「wake up! wake up」

俺「うぉ~モノホンd...」

隣の人「

ぷぁぷぁぷぁぱあああああああ
ぷぁぷぁぷぁぱあああああああ
ぷぁぷぁぷぁ


ちゃららららっらら~~~~~~~

どぅどぅどぅじゃっじゃ~~~~」


俺(ノエルの代わりにギターのパート歌っとる亡霊がおる…)

まぁそんな感じで次の「Rock 'n' Roll Star」も当然の如く大熱唱の嵐だったんですけど、凄いと思ったのが「Wall Of Glass」でも大きなシンガロングが発生したこと。この曲っていわばソロ転向後の最初のシングルで、当時キャリアのどん底のいたリアムが復活するきっかけとなった曲でもあるんだけど、人気があるoasis時代の楽曲じゃないものでもこうして日本の人々が歌えるっていうのが彼の人気の根強さと本当に自力で這い上がってきたんだなっていうのが感じられましたね。

個人的に感動したのはなんといっても「Roll It Over」
筆者、いままで割といろんなアーティストのライブを観てきたんですけど、一番すげぇって思ったボーカルって誰かって言われると映画館で見た「Knebworth1996」のリハで「It's Getting Better (Man!!)」のリアムなんですよ。

その時に感じた腹の奥底からまるで地球全体をシェイクするような地鳴りのようなあの声こそ、今まで聴いてきた人の声で一番インパクトのあるものだったわけで、逆にその後の彼のキャリアを知ってるからこそ二度とあの声を聴くことは出来ないだろうとも思ってたわけで。だからこそこうやってソロでまた復活した彼がこの日本で、全盛期のようなクリアさこそ無いにしろあの強烈な波動のような声をスタジアムで鳴らしてることに感動しているというか、たった一つの声、これを聴くためにこの会場にこれだけの人々が集結すること、それがリアムギャラガーという稀代のロックスターたる所以だと感じた。

最後は「Wonderwall」と「Champagne Supernova」の鉄壁の2曲で見事に締め括ったリアム。「Wonderwall」に関してはサマソニ2018でノエル版も聴いてるのですが、こうしてリアムの声で聴いてしまうと圧倒的説得力の差というか、今でもドキュメンタリーでノエルがリアムの声だけ認めてる理由が痛いほどわかるというか、最初のToday〜の部分でもう加速力が半端ないすんよね。それにしても陽が落ちたタイミングで聴く「Champagne Supernova」は別格だったなぁ...


17.Kendrick Lamer(マリンステージ)

つ!い!に!本日の主役の時間です。

リアム終了後、なるべく前の方で見たいなということで前方に移動を試みるも、例年ほどこの時間帯の移動のスムーズさが無く、やはりリアムからケンドリックを見たいという人々の多さを実感しましたね。


なんとか前方でケンドリックを肉眼ではっきり確認できる位置に鎮座し、あとは開演までぬっくり待つだけ。周りを見ると音楽オタクっぽい人だったり、リアムの流れで見てるロック好きそうなおじさんもいるし、普段YOASOBIとか聴いてそうな女子大生っぽい人だったり、めちゃくちゃ夏!って感じのギャルだったり、旅行で来てる感じの韓国人の少年だったり、アリーナなのにiQos吸ってる勝地涼そっくりな兄ちゃんがいたりと、多種多様な人たちがこのサマソニの歴史に残るような瞬間の証人になろうとしているわけです。

会場のSEが途切れるたびにケンドリックコールが起きてた会場も暗転した瞬間と共に暴発寸前までに。「The Heart Part 5」の妖しげなイントロと共に発光するスクリーン、画面下部からブラックアウトすると共に一筋のスポットライトがステージに照らされる。


光の先にいたのはケンドリックラマーその人だ。

リアムといい暑く無いの???って思わず聞きたくなる紫のセットアップに身を包み、真っ直ぐに立つその姿は阿修羅像に似た神秘的な魅力も孕んでいた。そしてポケットから取り出したマイクを片手に、マシンガンのように乱射される言葉の弾丸がオーディエンスに襲いかかる。最新作からの一曲「N95」で始まるオープニングは爆発する火花の如く、ZOZOマリンスタジアムのボルテージを一気に最高潮へと引き上げた。

そして3曲目の「King Kunta」、名盤「To Pimp A Butterfly」の最初のピークとも言えるこの曲、この日のケンドリックのライブはとにかくバスが利きまくり、というか心臓マッサージってくらい重低音がズッシリ鳴ってて、それがこの曲のファンクネスな魅力をさらに増幅させていく。自分の前方にいた韓国人の青年が物凄いケンドリックガチ勢で、リリックを一言一句全力で歌っていて、思わず周りがこいつすげぇ..!みたいな感じでになるという。曲中にその少年に突然「Oh....Shit!!!!」って突然言われて、とりあえず「Fuckin' Cool!」って返したら、「Very Nice!!!!!」って返されて謎に握手するという一幕もあり。

そして「Worldwide Steppers」でうおーっていう驚きと圧倒から漏れ出るオーディンスの声の数々の隙間をを縫うように、彼のラップが流麗にバスバスッと駆け巡る。まぁほんとラップが上手いというか、よくここまでスラスラと口が回るねという感心。あと思ったのが、ケンドリックめちゃくちゃ音源に近いというか、ちゃんと生でラップしてるのに一糸乱れずにめちゃくちゃ声がスタジアムに通るんですよね。やっぱラップって通してもこういう大きい会場だとがなってしまうラッパーってある程度いるので、その点ケンドリックって非常にそこらへんはクールになるべく音源に近い形で淡々とこなすんですけど、ラップはしっかり聴いてる人に届いててすげぇってなりましたね。

Flying Lotusの「Never Catch Me」あたりからミニミニケンドリック君軍団が登場し、ショーの方もどんどんコンセプトめいたものになっていき、「m.A.A.d city」へと続く。ケンドリックのライブちゃんとあんま見たことないから意外だったんですけど、結構初期の「good kid m.A.A.d city」の曲がセトリに多く入ってるんですね。これは意外。

ほんでそっからの「DNA」で会場は再びシンガロングの嵐!みんなで一緒にアイガッ!アイガッ!アイガッ!アイガッ!と大声で歌うわけです。ほんで思ったのがケンドリックの前にリアムを配置したのめちゃくちゃ正解だなと思ってて、やっぱリアムって問答無用でカラオケ大会を起こさせる力があるアーティストな訳で、必然的に会場がシンガロングしてもいいんだっていう空気感が出来たことが今回のケンドリックのライブでの一体感を生み出したんだと思うんですよ。んでそうするとケンドリックの方もそれを感じ取って、ショーの徹頭徹尾完成された空気を壊さずに、煽りをちょいちょい入れてくるんですよね。


あとどうでもいいけど「Rich Spirit」のタイミングでモニターにケンドリックの足元が映って、履いていたのがNikeの最近出たばっかのコルテッツだったので今めっちゃコルテッツほしぃぃぃぃ。

そこから「Humble」でまたまたぶち上がり、ミニミニケンドリック君軍団たちが思い思いにスケボーを楽しむとこで和み、「LOVE」の冒頭のZacariのボーカルが流れた瞬間に昔バズった「Love」を聴いて泣く警備員の気持ちがわかったり、やっぱり「Arlight」は名曲だしで、結論、圧巻。ぶち上がるし温度高めの熱っっっっっっついライブなのに、ずっと鳥肌が立っているという矛盾。王者がガチガチに組んだ完全無欠のショーといった感じで、ある意味前日のありのままの姿勢で勝負してたBlurとは対照的なライブだったのが印象的。やっぱり去年のThe 1975もそうだけどバリバリ現役のトップランナーをリアルタイムで見れる幸せってのはありまして、そういった意味でも今ケンドリックラマーを見ることにものすごい価値があるし、その価値以上のものを見れたってのは大きいなと思ったサマソニ2日目なのであったのだ。



総評

今年も雑多にクロスオーバーに最高に楽しめたサマソニ。

個人的ベストアクトとしては

1位. Awich
2位. Liam Gallgher
3位. Cornelius

といった感じですかね。ブラーとケンドリックはまぁ殿堂入り扱いなんですけど、リアムとコーネリアスはまぁ経験値の高い二人を差し引いてもAwichはとにかくフルスロットルでよかったっすね。心残りとしてはさすがにこの一年の運動不足が祟って、ほぼマリンとソニックステージしか行き来してなくて、もうちょい他のステージの若手アーティストをチェックしたかったなってのはありますかね。(あとリアムに関してはアリーナよりもスタンドで見てもいいかもってのはあって...)

あとサマソニが終わってから多くの人が来年のヘッドライナー予想をしてたわけですが、個人的には呼べるかどうかはさておきこの二組でやって欲しいなぁってのがあってそれが

Billie EilishとRolling Stones!

まずビリーに関しては毎年ヘッドライナー候補として名前が上がってる存在だけど、去年まさかの単独やっちゃったから2022の候補からは早めに消えちゃったわけで。うっすら新作の噂も出始めてるし、そろそろヘッドライナーとして箔を付けるのはありかなとは思いますね。同系統のディーヴァ枠で言うとRosaliaとOlivia Rodrigoも待望論がありますけど、比較的最近知名度が出たのと日本でのライブの実績が乏しい点から準ヘッドライナーくらいが限界かなという見込みですかね。あとヘッドライナー云々とは関係なく、新作が良かったMitsukiもマリンで凱旋公演として見てみたいってのはあるかな。

でもう一組のヘッドライナーについては、おそらく片方の日程をポップ枠に譲ることを見越して多分ロック枠になると思うんですよね。ただそうすると去年のThe 1975、今年のBlurという流れを鑑みて今日本に呼んでちょうどいいアーティストって思いつかないんですよね。それこそ待望論が挙がってるKillersなんかは来てくれるならありがたいけど、日本での知名度ってとこを鑑みるとちょっとパンチが足りない感は否めないというか。

そんな中で18年?ぶりの新作発表となったストーンズを呼ぶのはまさにナイスタイミング。ただ相手が大御所of大御所のスーパーレジェンドなわけで、下手すりゃ東京ドームの単独ですら呼べるか怪しい上に、まずフェスのイメージが皆無なので現実味は正直無いです笑。でもサマソニってそれこそフェスと無縁なスティービーワンダーをヘッドライナーに据えた実績もあるわけで、ポールマッカートニーと比べたら日本での固定客も少なそうなストーンズなら、いつぞやのフジのディランみたいな感じになりそうですよね。

で今回ケンドリックの影響でヒップホップ枠のヘッドライナーも期待されてますけど、正直ケンドリックだからこそあの盛り上がりとなったわけで、他にあれぐらいの盛り上がりが期待できるのって現役だと知名度的にTravis ScottかDrakeくらいになるかなってなるんですけど、二人ともあんま自分の中で最近フェスでの印象が悪いイメージなんすよね。トラヴィスはやっぱアストロワールドでの事件がネックでプロモーター的に呼び辛そうだし、ドレイクはドタキャンの危険性が高いアーティストの一人です。ドタキャンで言えばカニエもフジをドタキャンしてる実績?があるので呼び辛い要因ですし、そう考えるとヒップホップ枠って呼べそうな人あんまいないんですよね。Tyler, The Creatorも待望論ありますけど、仮に今年か来年あたり新作出せば可能性はありそうですけど...。


そんなこんなで今年もしっかりサマソニを楽しみ、そして来年の幕張の海辺をイメージしながら、最後に一言述べてこの記事を締めようと思うぞよ。


今年もフェス飯、もっと楽しめた気がするヨォ(不完全燃焼)


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