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乃木坂46を聴いてみな。飛ぶぞ。

春はあけぼのいとをかし。どーも三代目齋藤飛鳥涼です。

「人生ノリが命」ということでノリでnote始めましたー。いえーい。まあなんで始めたかっていうと、このご時世家で出来ることも音楽聴くかどう森やるかしこるか。要するに暇なんすよね。いつまでたってもコロっちゃんはノリノリで絶賛拡散中だし、時間もあるからやってみっかということでnoteを始めたわけなんだわ。

君たちは乃木坂46の曲を聴いたことがあるか?多分今んとこの俺のTwitterのフォロワーを見た感じ多分ねえとは思ってる(偏見、そしてごめん)。ていうか乃木坂が好きって言ってる奴の中でも曲は聴いたことが無いって奴は普通にいると思う。ぶっちゃけ世間一般の乃木坂の楽曲に対する評価は低いってよりかはそもそも聴かれてないから評価しようがねえってのが実情なんだわ。

逆に妹分の欅坂は乃木坂より出してる曲の数は少ないのにやれ「サイレントマジョリティー」やら「二人セゾン」やら「不協和音」やら楽曲の知名度は高いし、音楽的に評価も高いわけ。こないだの「関ジャム」でもいしわたり淳治が死んだ顔しながら「さいまじょすげー」って言ってたろ?「2愛+4愛+2愛+4愛+2愛+4愛・・・」とかいう人類が理解するには300年かかるような歌詞書くような人が「さいまじょすげー」って死んだ顔しながら言ってるんだからすごいんだよ。きっと。多分。この乃木坂と欅坂の関係性を例えるのにわかりやすいちょうどいい例があって、岡崎慎司って言うんだけど。欅坂はレスター時代の岡崎だ。ゴールこそは少ないけど重要な場面だったり、岡崎らしくないスーパーゴールだったりと、ようするにみんなの記憶に残るゴール。一方乃木坂はマインツ時代の岡崎。ゴールを量産し得点ランキングでも上位だけど、いかんせん岡崎らしい泥臭いごっつあんゴールがほとんどなのでみんなの記憶に残らないゴールだ。え?岡崎はもういい?とりま本題入ります。

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売れ方が変だよ乃木坂

乃木坂ってとても変なアイドルグループで、それは全盛期を過ぎてから売れたってところ。俺が乃木坂が国民的アイドルとして売れ始めたと思っているのは17枚目シングル「インフルエンサー」と白石麻衣の写真集が出た2017年の初頭ぐらいなんだけど、結構ファンの間でも言われてるのは乃木坂の全盛期は2013年から2016年まで(人によっては2015年)って言われてるんだよね。アイドルってのは成長過程を追うコンテンツってよく言われけど乃木坂にとってのそれってまさにその4年間であって、2017年の乃木坂って既に完成されたグループになってたわけさ。

その4年間の乃木坂って何やってたの?っていうとかなりクリエイティビティなアイドルグループだったわけ。若手映像作家と映像作品作ったり、毎年最低1回はグループ全体で舞台やったり、他のアイドルと比べても力の入り具合が3倍ぐらい違う衣装とか、挙げりゃキリがないけどとにかくクリエイティビティだったわけ。もちろん楽曲面もね。でも2017年を境にそういったクリエイティブな部分が明らかに弱くなった(代表的なとこで言えば個人映像の制作頻度が低下)、というかブラック企業ばりに忙しすぎてそんなん作ってる暇がなくなったっていうのが正解。今じゃ主力メンバーがスケジュール被って大事なライブ出れないなんてざらじゃないしね。この乃木坂の状況をわかりやすく説明できるいい例えがあって、岡崎慎司って言うんだけど。

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クリエイティブな活動をする=得点を決める」という風に置き換えると、全盛期の乃木坂はマインツの岡崎。得点は量産するけど本田や香川(=AKB48や欅坂)と比べると注目度は低い。今の乃木坂はレスターの岡崎。プレミア優勝(=レコード大賞受賞)やヴァーディの特典量産といった個人の活躍(=白石麻衣が写真集女王になる)と注目度は高いけど得点は決めない。え?岡崎はお腹いっぱい?じゃあメインの音楽についてしゃべるけど、今日扱うのはこの2曲。「制服のマネキン」と「君の名は希望」。

型にハマることを嫌った「制服のマネキン」

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時はアイドル戦国時代の2012年。前田のあっちゃんは卒業し、指原は文春砲で博多まで吹っ飛んで、こじはるは全く卒業する気配はねえし、ももクロはなんか元気だしで、結論アイドル増えすぎまじうぜーって感じだった頃に乃木坂はAKBの公式ライバルっていう大ボスに喧嘩売る形でデビューしたわけ。こんなアイデア出す秋元康はザコシショウのギャグばりに意味不明なんだけど、とはいえ初期乃木坂ってフレンチポップをベースにした超ブリブリのアイドルやってたんだよね。ちなみにこの頃だと謎にベースラインがおしゃれな「おいでシャンプー」、ビートルズの「涙の乗車券」のオマージュが入ってる「走れバイシクル」、他にも「失いたくないから」「せっかちなかたつむり」はいい曲。で、売れたか?って言われるとそんなわけはなくて、世間に大きなインパクトは与えられなかった。


そんな中、2012年末にリリースされた「制服のマネキン」で大胆な路線変更を図ります。この楽曲から乃木坂とはその後長い付き合いになる作曲家杉山勝彦が起用されます。


それまでのフレンチポップ路線って何だったん?ってレベルでバッキバキにキメたダンストラック。ミュージックビデオでは終始無表情で踊り続け、終いには「恋をするのはいけないことか?」とお前ら恋愛禁止って知ってる???っていうよな歌詞まで飛び出ます。あれ?なんか似てる曲なくね?

そうなんすよ。「制服のマネキン」って後の「サイレントマジョリティー」のプロトタイプなんすよ。淳治も死んだ顔で「まねきんすげー」っていってるよ多分。乃木坂並び坂道シリーズというダンスを主体とした表現を行うグループにとってのいわばバイブルが「制服のマネキン」なのよ。ただこの大胆な路線変更によってフレンチポップっていう大きな土台を失った乃木坂はデビュー1年目にしてアイデンティティを失ってしまうわけさ。

乃木坂らしさへの探求と「君の名は希望」

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アイデンティティがらららら無ーいうまーれーなーいららららーってサカナクションが言っているよな。そいうわけでこの時点で振り出しに戻った状態に近いわけで、アイドル戦国時代でアイドルグループが飽和しまくってる中、個性皆無で立ち向かうのはある意味自殺行為に近いわけ。俺らだってこの外出自粛してくださいって世の中でマスクはおろか全裸で外出したら間違いなくコロナ感染するやん?やっぱり人間服とマスクは欲しいわけで、この頃から乃木坂は「乃木坂らしさ」を探求することになります。この「乃木坂らしさ」という言葉はメンバーからの発言を見る限り2016年ぐらいまでかなり頻発すんだけど、要は乃木坂の全盛期とは「乃木坂らしさ」の探求の時期になるのよね。そしてこの「乃木坂らしさ」の最初のヒントになったのが次のシングルの「君の名は希望」だ。

こんなタイトルだけど入れ替わってねえし、村に彗星は落ちねえし、僕らあたいむふらいやあってのも全く関係ねえ。ただ言えるのはこの曲のクオリティはアイドルソングとかいう域を超えて、邦楽の歴史においても語るべきスーパー名曲だってこと。

まず曲の構成がやべえ。この曲作ったのも「制服のマネキン」と同じ杉山勝彦なんだけど、Aメロ→Bメロ→Aメロ→サビっていうまさかのAメロ一回戻ってからのサビに飛ぶっていうセオリーぶっ壊しな構成。蔦谷好位置がみたら死んだ顔で「のぎざかすげー」って言うぐらいにやべえ。大ロンド形式っていうちゃんと名前のある構成らしいが、正直に白状すると俺はよく知らん。そんでもって歌詞。康マジ絶好調。大雑把に言うとクラスで影の薄い少年が一人の少女への片思いを通じて自分のアイデンティティを確立するって感じの歌詞なんだけど、まあヲタクホイホイだしめっちゃ青春って感じで超いい歌詞。

ざっとこんな感じの歌なんだけど、この曲の肝ってのは乃木坂46が初めて作った乃木坂らしい曲なんすよ。俗に言う清楚で儚いイメージを確立したし、サウンド面でもその後の乃木坂の鉄板とも言うべきピアノ主体のストリングスサウンドはこの曲が始まりなんだよね。「制服のマネキン」と「君の名は希望」っていうのは乃木坂46が乃木坂46たる所以なんですよ。岡崎だって清水エスパルス内でのFWの序列が8番手だった時代を経て日本最高のストライカーになったのと同じで、乃木坂が国民的アイドルになるために必要な過程だったわけさ。

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ちなみにこの2曲はネットの音楽オタクが選んだ2010年代上半期のベストトラック50にも選ばれている。やったね。

というわけでほんとはもっと乃木坂のいい曲紹介したかったけど岡崎のせいでだいぶ文字数増えたからまた別の機会にするわ。ほんじゃさよならー。


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