【考察】ハンター×ハンター３巻に学ぶ「最適解」の見つけ方
今回は大人気漫画『ハンター×ハンター』を考察し、最適解を出すヒントについて紹介します。
舞台は３巻で出てくるハンター試験です。
ハンターになるためには、ハンター試験という難しい試験を受けなければなりません。
ハンター試験を受けるなかで、主人公のゴンは４人の仲間たちと出会って、一緒に協力し合いながら次々と試験をクリアしていきます。
そして試験クリアまで残りあと１つ…！というところで、ゴンたち５人は究極の選択肢を迫られます。
それは「〇」が「５人で行けるが４５時間はかかる道」もう１つは「×」で「３人しか行けないが３分くらいでゴールできる道」の２つです。
理想は５人で行ける道を選びたいですよね。
ですが残り時間はあと１時間。
達成はほぼ不可能だと分かります。
ちなみに３人しか通れない道を選ぶ場合、２人が手錠に繋がれないと扉があかないようになっています。
もちろん手錠は時間切れまで動くことはできません。
さてどうするかということです。
多くの試験を一緒に乗り越えたということもあって、５人はある程度信頼関係というのも築いているなかで、苦しい選択肢です。
究極の２択！優先すべきは理性か？感情か？
人は２つの選択肢で迷った場合、大きく感情を優先するか、理性を優先するかの２つに分かれます。
感情を優先する人の意見では
「やっぱりせっかくここまで来たんだから５人で通過したい」
と出ています。
理性を優先する人の意見では
「先に言っておくぜ オレは✖を押す」
「オレは×を押す。あとはどうやって３人を決めるか。もちろんオレは３人の中に入るつもりだし。誰も降りる気がないなら戦うしかないね」
と答えています。
夏目漱石「草枕」
このシーンを見たときに、私は夏目漱石の有名な言葉の一つを思い出しました。
これは『草枕』という本に出てくる言葉です。
「智に働けば角が立つ。
情に掉させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。」
これを今っぽくいうと
頭良すぎる人って嫌われるよね。
でも、感情的な人だと流されてしまうよね。
だからといって自分の意見を強く主張したら衝突する。
人の世界ってほんと住みにくいよ。
みたいな感じです。
あの有名な人がこう話すくらいなので、何だか希望のない話だなと思うのですが、実際あの５人は結果的にどうなったのか？というのが次のシーンです。
結果は…？？
なんと！５人全員時間内に通過です…！
さて、どうやってこの５人は残りあと１時間という制限がある中で通過できたのでしょう？？
正解はこちらです！↓↓
（少し考えたい人はこのまま一時停止）
↓↓↓↓
正解は「長く困難な道」の方から入って５０分以内に壁を壊して、「短く簡単な道」の方へ出る。
これなら５人で時間内に脱出できる。とういことです。
私はこの主人公のゴン君のように、どちらのメリットを取り入れられる人は好きですね。
なぜなら頭がいいというだけではなく、人としての思いやりも大切にしているから。
私が思う人間性のある人っていうのは、そんな誰も不幸な思いをせず、全員の利益や幸せになれるアイディアを出してそれを実行できる人です。
つまり夏目漱石の言葉を借りれば、理性と感情どちらかに偏れば必ずどこか欠陥が出る。デメリットが生まれる。生きづらくなる。
でも主人公のゴン君は違かった。
主人公のゴン君は、
・理性を優先して得られるメリットの部分（つまり時間内にゴールができるという要素）
・感情を優先して得られるメリットの部分（これは２人を犠牲にしなくてもいいという要素）
のどちらも採用できる「最適な解」をアイディアによって生み出したということです。
能力「クリティカルシンキング」
このようにＡかＢかという特定の方向から物事を見るように強制されず、いろんな方向から物事を見ることができる能力を
「クリティカルシンキング」
といいます。
日本語で言うと「多角的な視点」をもっている人です。
スキルなので考えるクセをつけてれば誰でも身につけられます。
これからAIの導入が当たり前になる時代、こういった色んな方向性から物事をみることができる力が求められるんじゃないかなぁと思います。
こんな状況になったら、あなたならどうする？
これを現実世界であてはめたらどうなるのかということで、一つ例題を考えてみました。
これをゴン君がやった「クリティカルシンキング」を使って、つまり特定の選択肢に縛られずに、いろんな方向から物事を考えてアイディアを出ということをあなたと一緒にやっていきたいと思います。
例題です。
Q 株式会社Xは、長年にわたって企業Aから商品を受注し訪問販売をしていた。
しかし、新規に生まれた企業Bは、企業Aよりも80％のコストで商品を受注することができることが分かった。
これまで信頼関係を築いていた企業Aの受注を切ってでも、20％コスト削減ができる企業Bに移行するか？
それとも従来通り企業Aと取引を続け、コストを削減せずに負担を続けてでも企業間の信頼関係を維持するか？
こういうふうに２択で問われると、つい人はその特定の選択肢だけで考えてしまいがちです。
ですが、ここでまずはどちらかの選択肢を選んだ場合に得られるメリットを考えてみたいと思います。
まずは企業Aと取引するメリットですが、
・長年にわたって取引を続けてきたため、協力関係を築きやすい
というのが１つ挙げられると思います。
ビジネスに関する情報を交換したり、何かあっても裏切られにくい等も考えられます。
次は企業Ｂです。
企業Ｂを選んだメリットは、
・企業Aと比べ企業Aの80％のコストで商品を受注できる
というのがあります。
これは言い換えると、削減した20％を別の経費にあてることもできるともいえます。
ここであなたに問いたいのは、
・企業Aと取引するメリット、企業Ｂと取引するメリットの「双方のメリットを取り入れた解」はないか？
・あるいは「それに相当するアイディア」はないか？
ということです。少し考えてみてください。
ゴン君ならどうするか。
これ正解はないんですけど、おそらくゴン君なら、双方のメリットを取り入れた解として、
・「企業Aに対し、80％のコストで取引できないか交渉する」
のではないかなと思います。
「実は企業Ｂが新しく入ったんだけど、商品を企業Aより80％のコストで取引できるっていってるんだ。
だから俺たちはコストの安い企業Ｂに取引しようって話になってる。
でも、企業Aも80％のコストで取引できるんだったら、今後も商品を取引するって約束するよ。どうかな？」
みたいに説得するだろうなぁと思う。
するともしかしたら企業Aが交渉に応じてくれるかもしれない。
ほかにも
企業Aに新しく自分たちで開発した20％相当分の商品の取引をもちかける。（つまり±ゼロ）
商品を需要の高い地域にターゲットを変えて120％の価格で販売する。（これも±ゼロ）
訪問販売からオンライン販売に変えて消費者の幅を広げ利益率を上げる。（上限なし？？）
などいろいろ考えられると思います。
結論：理性と感情はアイデアを使えば両立できる
つまり「最適な解」というのは、
「ＡかＢか？」ではなく、「AかつＢ」または「Ｃ（ＡとＢを満たす別の選択肢）」だということです。
このゴン君の考え方を、いろんな場面で生かすことができれば、人間関係も仕事もプライベートも楽しく彩れるのではないかなと思います。
これまで私はずっとゴリゴリの論文解説をnoteで書いてきたので、たまにはコラムもまとめてみようかなって思って載せてみることにしました。
また息抜きがてら書くかも(笑)
たまにはこんな記事もいいよね。
今回は以上です。
当noteの内容は『ハンター×ハンター』３巻に載ってます。
詳しく読み込んでみたい方は参考になります↓
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