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大阪万博に触覚付き空中ディスプレイ出展、スパークプラグで世界シェアトップの日本特殊陶業が発表
ニュースリリース
スパークプラグで世界シェアトップの日本特殊陶業から、大阪万博に触覚付き空中ディスプレイを出展すると発表がありましたのでお知らせします。
■2024 年 12 月 3 日
日本特殊陶業株式会社
2025 年 大阪・関西万博において 無鉛圧電セラミックスを用いた未来の「空中感覚装置」を展示 ~空中に浮かんだ映像に触れる、音が聞こえる不思議な体験を提供~
「何でスパークプラグの会社が?」と思って調べてみると、日本特殊陶業は超音波振動子でも世界シェアトップだそうで、超音波メスの市場拡大に伴い成長を続けているそうです。
万博で展示される「空中感覚装置」は、裸眼3Dディスプレイに得意の超音波技術を組み合わせて、空中投影されたキャラクターに手が触れると「触れた感覚」が得られる展示のようです。
使用されている空中表示技術は?
アスカネットの株主としては使用されている空中表示技術が気になるところですが、「裸眼 3D ディスプレイ」と記載されているだけで具体的な説明はありません。
それだけならLooking Glassのような多視点裸眼立体ディスプレイを思い浮かべるのですが、そのような裸眼立体ディスプレイは映像が空中に飛び出すというより画面の奥に立体感を感じる見え方なので、触れて操作する用途には難しいかもしれません。
しかし、ASKA3Dプレートを使って裸眼立体ディスプレイの光だけを空中に取り出せば、空中立体ディスプレイの完成です。
あ、これ理論的には…といった話ではなく、ちゃんと実在するものです。
アスカネットは日鉄ソリューションズと共同で大型ASKA3DプレートとLooking Glassを組み合わせた空中立体映像の共同実験をしたことがあります。
中部電力も「テクノフェア2024」で同様の組み合わせで空中立体映像を実現していました。
日本特殊陶業がどうやって「空中に投影」しているのかは分かりませんが、空中映像×空中触覚がトレンドになりつつあるのを感じます。
何に利用されるのか?
将来的に何に利用されるのかですが、リリースには「未来の都市」とか「未来社会の実装」とか抽象的な言葉が並んでいるだけで、具体的にはどのような用途を想定しているのかが分かりません。
今回「空中感覚装置」の空中映像×空中触覚に焦点を当てていましたが、実は特定の人間にだけ音が聞こえる「指向性スピーカー」も組み合わされるそうです。
これは全くの想像ですが、日本特殊陶業にはスパークプラグで世界中に「お客さん」がいるわけですから、車載用途なんて良さそうに思うのですがどうでしょうか。
多視点立体ディスプレイは「見る方向によって映像が違う」ことで立体に見えるわけですが、運転席からはカーナビの画面が見えて、助手席からは映画やバラエティ番組が見えているといった使い方でも良いわけです。(それが空中に見えている)
指向性スピーカーも、運転席と助手席とで別々の音声を聞かせるのに好都合ですし。
ジャパンディスプレイの「2ビジョンディスプレー」もそうですが、未来では運転席と助手席で別の映像が見えるのは当たり前になっているかもしれません。
実際にどうなるのかは分かりませんが、どんな「未来」がやってくるのか楽しみに待ちたいと思います。