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【仮想対談】長期ホルダーが語る、空中ディスプレイの魅力


はじめに

仮野:新年あけましておめでとうございます。アスカネット株主のoxgさんでしょうか。はじめまして、バーチャルインタビュアーの仮野と申します。oxgさんは掲示板での情報共有など長年空中ディスプレイ事業を応援されておられましたが、昨秋noteに場所を移してますます精力的に活動されておられますよね。
新年特別企画として「長期ホルダーが語る、空中ディスプレイの魅力」と題して、それほどまでにoxgさんを魅了する空中ディスプレイの魅力についてお話を聞かせていただきたいのですがよろしいでしょうか。

oxg:新年おめでとうございます。いいですよ。私で良ければ何でも聞いてください。

ASKA3Dプレートは空中ディスプレイじゃない

仮野:ありがとうございます。早速ですがアスカネットの空中ディスプレイ、ASKA3Dプレートの一番の魅力とは何でしょうか?

oxg:意外かもしれませんが、実はASKA3Dプレートは空中ディスプレイではないんですよ。まあ、そこが一番魅力を感じる部分なんですけどね。

仮野:まさか! ASKA3Dプレートといえば空中ディスプレイですよね?

oxg:誤解する人も多いのですが、ASKA3Dプレートは空中ディスプレイという「装置」ではなく、空中ディスプレイのキーパーツとなる「光学部品」なんですね。私はASKA3Dプレートの本質はプレート裏側の光の状態をプレート表側に再現する特性にあると考えています。

仮野:装置と部品だと何が違うんでしょうか。具体的に教えてもらえますか?

oxg:空中に噴射したミストをスクリーンにして映像を投影したりするもの、透明なスクリーンに映像を投影するもの、レーザー光線で空気をプラズマ化させるもの、Looking Glassのような多視点裸眼3Dディスプレイ、最近のLEDのブレードを高速回転させるものなど、「空中投影」と呼ばれる技術は昔も今も色々とありますが、それらは空中表示を「目的」とした専用の装置です。

しかしASKA3Dプレートは水も電気も必要とせず、プレート1枚で光学的な自然現象として空中表示を行うところが画期的なんですよね。部品として空中表示という「手段」を提供するわけです。

イメージとしては、ビデオカメラとモニターを姿見にしていた鏡のない世界で、初めて鏡が発明されたような感じなのですが、伝わりますでしょうか。

仮野:あ、何となくoxgさんの言いたいことが理解できた気がします。一言で言えば「シンプル」ってことですね?
でも装置だって大掛かりですが空中表示という手段に使えると思うのですが。

oxg:空中ディスプレイに限定すればそうですね。
空中ディスプレイという使い方は、たまたまプレートの裏側にディスプレイを置いて空中にディスプレイの映像を映しているだけで、ASKA3Dプレートの用途は空中ディスプレイに限定されないんです。
最初にASKA3Dプレートは空中ディスプレイではないと言ったのはそういう意味です。
私はASKA3Dプレートに無限の可能性を感じているんです。

仮野:予想外の話で理解が追いつかないのですが、具体的に空中ディスプレイ以外にどのような使い方があるのでしょうか?

oxg:有名なところでは網膜投影ディスプレイですね。テレビでも紹介されました。
網膜に映像を投影しようとしたら瞳孔から投影する必要があるのですが、そうするとプロジェクターを眼球に貼り付けて投影する必要がありますよね?

仮野:新聞か何かでコンタクトレンズ型の網膜投影というのを見たような気がします。

oxg:それは物理的に眼球に貼り付けるわけですが、ASKA3Dプレートを使用した場合、プレート裏側のプロジェクターから投影した映像はプレート表側の実体のない仮想プロジェクターから投影されることになります。
実体のないプロジェクターなら眼球の位置にピタリと合わせても痛くもなんともありません。

同様にVRゴーグルのアイピースを空中表示させておき、空中の仮想アイピースをのぞくとVRゴーグルの映像が見えるという研究もあります。

仮野:「プレート裏側の光の状態を表側に再現する」ってそういう意味でしたか!やっと理解できました!
確かに空中映像を表示する専用の装置には無理な話ですね。

oxg:他にもプレート裏側にカメラを配置すると、空中の仮想カメラから撮影することもできますよ。

仮野:さすがにそれは冗談ですよね(笑)
空中にカメラが浮かび上がるだけじゃないんですか?

oxg:プレートの特性は言い方を変えると、プレート表側の光の状態を裏側に再現するとも言えます。
つまり、空中の仮想カメラのレンズの位置を通過した全ての光線は、プレート裏側の実物のカメラのレンズに導かれることになります。

理論上の話ではなくて、実際にGoThro(ゴースロ。東京大学 苗村研究室 / 電気通信大学 小泉研究室)という研究もあってですね、言葉だけではイメージにしくいかもしれませんが、こちらの動画だとイメージしやすいかと思います。

仮野:カメラが観葉植物や金網を突き抜けて前進しているんですが…

oxg:カメラに実体がないので、金網の内側から目の前で撮影してもハムスターは全然気にする様子はありませんね。
あと、動画のラストのトラの後ろにいるライオンを撮影するシーンを見てください。遠くからだとトラが邪魔で見えなかったライオンの右目が、仮想カメラを近づけると見えるようになるのがわかると思います。

仮野:確かに単なるズームだと同じ映像が大きく見えるだけですから、本当に接近して撮影してる映像ですよね。
またまた頭が混乱してきたんですが、これって事実なんですよね。
不思議ですね…

oxg:空中からの撮影の応用だと、空中生体認証とか仮想顕微鏡でミジンコを内部から観察したりとか、面白い特許も出願されています。

仮野:ASKA3Dプレートは空中ディスプレイではないという意味が良く理解できました。
可能性は凄そうですが、現状は空中ディスプレイとしての利用が中心だと思います。
次に空中ディスプレイのココが凄いという点を教えていただけますでしょうか。

空中ディスプレイは凄くなくていい

oxg:個人的な意見かもしれませんが、私は空中ディスプレイは凄くなくていいと思っています。

仮野:え? oxgさんがそんなことを言うのですか?

oxg:例えば公衆トイレの水道の自動水栓… 手をかざすと水が出る”かざす蛇口”があると思うのですが、普通の”ひねる蛇口”と比べて全然凄くないですよね。
ひねる蛇口はすぐ水が出て、水量も自由に変えられ、水を出しっぱなしにできます。
かざす蛇口は反応に少し時間がかかり、水量は一定で、勝手に水を出しっぱなしにすることができません。

では公衆トイレで手を洗うとき、どちらの水道を使うでしょうか。

仮野:かざす蛇口を使います! というか当たり前にかざす蛇口を使っていますね。
メリットとかデメリットとか関係なくて、せっかく手を洗ったのに蛇口にふれるのが嫌なんだと思います。

oxg:手を洗った後、トイレの扉を押したり引いたりしてたら意味ないですけど。

仮野:意地悪言わないでくださいよ(笑)
理屈じゃなく無意識にかざす蛇口に手を伸ばしてるんでしょうね。

oxg:だとすると空中ディスプレイの非接触も同じように使われるような気がしませんか?
押した感触がないとか、視野角が狭いとか関係なく、普通のタッチパネルと空中ディスプレイが並んでいたら無意識に空中ディスプレイに手を伸ばす時代が来ると。

仮野:空中ディスプレイの弱点が全てクリアされないと普及しないんじゃないかと勝手に考えていましたが、確かにそうですね。
年齢や支払い方法を確認する程度なら”触れてタッチ”でも”空中タッチ”でも構いませんが、タッチパネルにべっとり残った指紋とか気にしなくて良くなるなら無意識に空中タッチかと。

oxg:理解が早くて助かります(笑)
それに空中ディスプレイにはメリットも多いんですよ。
セキュリティ面では本人しか見えない視野角の狭さがメリットになりますし、指紋が残らず暗証番号等の痕跡が残らないのもメリットです。
指紋が残らないのは掃除や消毒の手間が省けるメリットもあります。
乱暴に操作しても故障しない点、手袋をしたままでも操作できる点もメリットですね。

仮野:結構メリットもあるんですね。
そういえばコンビニのタッチパネルをスマホで叩いている人を見かけたのですが、故障の原因になりそうですね。
直接手で触りたくないのかもしれませんが、店側からしたら大迷惑だと思います。

oxg:高額な修理費がかかって結果的に空中ディスプレイの方が安かったなんて話もあるかもしれませんね。

仮野:新年早々ありがとうございました。また機会があればお話聞かせてください。

oxg:またいつでも来てください。


対談形式で空中ディスプレイ、ASKA3Dプレートの魅力について語ってみましましたがどうでしたでしょうか。
機会があればまたやってみたいと思います。

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