原作を当てて 第1話
時は知らぬが
場所はガンジス。
鳴り響く祈りが
夕日に照らされ、
聖なる水で身体を洗っていた。
すると、水の流れる音の隙間から、
裸足の男の子が現れた。
大きな瞳と長いまつ毛は珍しくないが、
珍しかったのは、
その眼差し。
自分をこんなに真っ直ぐ見る
赤の他人は初めてで、
男の子は見かけない顔だったため、
思わず声をかけた。
「どうしたの?」
すると男の子は答えた。
「お母さん」
私は、まゆげをゆがませたが、すぐに訊いた。
「アンタ、身体は健康かい?5体満足かい?」
男の子はうなずく。
ほんの少し、息を多めに吸って、ふっと吐くと
「じゃあついておいで。名前は?
ないなら、アルにしよう。」
と言って一緒に家に連れて帰った。
孤児を拾って、
育て始めた。
続く。