にぎやかな過疎の町 美波町のサテライトオフィスについて
私は、ゼミの研究で地方創生について学んでいる。地方創生とは、これからの社会は少子高齢化が今日よりも深刻化し、地方の人口は減少するといわれている中で、少子高齢化の進展に歯止めをかけ、東京都を含む首都圏一極集中の是正を行うためにそれぞれの地域で住みよい環境を確保するという動きである。ゼミでは、徳島県の美波町という小さな過疎地を取り上げ、地方創生の研究を行った。特に、徳島県の美波町を調べていく中で私が最も興味を持ったサテライトオフィスについてこれから述べていこうと思う。
1. 徳島県美波町とは
まず、徳島県美波町とはどんな町なのかご存知だろうか。
（参照: https://www.mapion.co.jp/map/admi36.html）
徳島県美波町は、徳島県の南部に位置しており、太平洋に面する四国山地の東端である。海岸部はリアス式海岸となっており、古くから漁業が盛んに行われている。
総面積は140.74平方キロメートル、人口は6602人（令和2年2月末）となっており、総面積は神奈川県川崎市と同じぐらいである。
美波町の多くは山地であり、平坦地は少ないのが特徴である。
（https://www.town.minami.lg.jp/docs/179.html）
2. サテライトオフィスとは
徳島県美波町は、進学や県外就職によって地元を離れた若者や高齢者の増加で過疎の一途を辿っていた。地方創生を成功させるために、美波町はサテライトオフィスプロジェクトという企画を実行した。
サテライトオフィスとは、
東京都や大阪府などの首都圏に本拠を置く企業や団体を本拠から離れた場所に設置することであり、サテライトオフィスを設けることによって、従業員が本社よりも通勤のしやすい場所にオフィスを作り、本社と同様の仕事を行うことができるという仕組みである。
サテライトオフィス企業には、
① 循環型サテライトオフィス…常駐の人間を配置せず、短期的に地域に既にある公共施設やコワーキングスペースをオフィスとして利用すること。
② 滞在型サテライトオフィス…常勤の人間を配置して古民家や空き家をリノベーションして地方にオフィスを構えること。
という2種類があり、使い方は企業のニーズによって異なっている。
（https://awae.co.jp/column/5071/）
3. 美波町のサテライトオフィス企業
徳島県は、サテライトオフィス進出数全国1位であり、その中でも美波町にサテライトオフィスは20社を誘致している。（2021年、現在は19社）
主にIT企業などを中心とした様々な業種の企業が徳島県美波町に進出しているのだ。ここで、徳島県美波町にサテライトオフィス誘致を行っている企業を紹介しようと思う。
･循環型サテライトオフィス
･滞在型サテライトオフィス
（https://satelliteoffice.town.minami.lg.jp/companies）
4. サテライトオフィス誘致による効果
サテライトオフィスを誘致することによって、得られる効果は多くある。
まず、サテライトオフィスを誘致することで、都市部と地方を行き来する社員が｢地域のファン｣となることで交流人口が増加する。また、進出した企業は空き家や空き店舗を活用することで地域の空き家問題に対する解決につながり、サテライトオフィスの社員が地域の祭りや行事への積極的な参加による地域活動の活性化につながる。さらには地域活動の活性化がされると地域のPR効果が期待でき、進出企業が地域人材の育成を行うことを可能とし、進出企業の中でも多くを占めているITやクリエイティブな企業に関心を持つ若者、地方創生に興味を持つ若者が地域に増え、地域の職業に多様性が生まれる。そうすることで、地域の子どもたちに対して新しい働き方や生き方の多様性を提示することができ、地域全体が盛り上がるのだ。
（https://awae.co.jp/column/5071/）
5. まとめ
これらを見るとサテライトオフィスの誘致は、地方創生を行う上で必要不可欠なものであると考えられる。これからもっと深刻化していくであろう｢少子高齢化｣と｢首都圏一極集中｣の問題を解決するためには、各自治体の努力が必要である。簡単に自治体の努力が必要であるとは言っても、そうは簡単に成功するものではないことがこの授業を通して理解することができた。地域ならではの伝統や魅力を熟知し、反映させることが重要である。これは、単に｢人を集める｣ということではなく、｢ここで暮らしてみたい｣と思ってもらえる人数を増やすことが地方創生の成功する鍵なのではないか。授業を通して、オンライン上ではあったが、徳島県美波町について深く話すことができたように感じる。新型コロナウイルスが収束したら、ぜひ徳島県美波町に足を運ぼうと思う。