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店長がバカすぎて

タイトル買い。タイトルだけで、気が強く尖った主人公を想像できる。そしてそれは間違いではない。

主人公、谷原京子。書店に契約社員として勤める28歳。薄給だろうが、客が神様のように立ち振る舞おうが我慢できていたのは、大好きな本に囲まれ、憧れの先輩と働いていたからだ。だがある日、憧れの先輩小柳真理が、部長と不倫をしていたことが発覚し、退職してしまう。モチベーションの一部が失われた日々をやり過ごすには、店長がバカすぎる。ポンコツ店長にイライラしてたまらない!こんな職場辞めてやる!と胸に誓う谷原京子だったが、彼女を書店に引き留めるいくつもの出来事が起こっていく。

いっしょに働く人って大事だよね。仕事に限らず、自分の周りにいる人って大事。だから、合わない人がもしいるならば、できる限り距離を置きたい。なのに京子は不器用なのか、苦手な人や初対面の人の前でも、建前で接すればいいものを、本音を露呈してしまう。素直に生きている彼女だから、慕う人が周りにたくさん現れていく。

この物語は、たくさんの人間臭い人物が登場し展開していく。それが面白くってどんどん読み進めてしまう。気が強くて尖っていて不器用な京子に、自分を重ねてしまう。私はもうちょっと感情を抑えられるが笑

一言で言い表すなら、周りの人に感謝したくなる物語だ。直接的にそれを訴える内容ではないが、私はそう感じた。こんな職場辞めてやる!と思っても、周りの人の行動によって退職を食い止められ続ける。京子は決して優柔不断なタイプではないはずだが、そうなる。それって周りの人による影響力が絶大だからであろう。「友達5人の平均が自分」とよく言うが、まさにそれであろう(この場合友達ではないが)。影響されやすいとか関係なく、知らずに影響を受けているのだ。

少なくとも私の周りには今、めちゃくちゃムカつく大嫌い!という人はいない。周りの人よ、ありがとう。私はあなた達に影響を受けているみたいです。私はあなた達によって作られています。そう考えるとほんと、よくない人とは付き合えないね。付き合う人を選ぶって大事。私の周りの人と私へ、京子のように人間臭く素直であれ。そうすれば充実した日々を過ごせるはずだぞ。

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