20200107_フィルムカメラの話
スマホから記事を書く試み。手直しと写真つけるのはPCにて。
打てなくはないけど、指がつかれるからあんまりやりたくない。
去年の5月くらいに、フィルムカメラを買った。
数年前から、旅行に行くたびに写ルンですを購入し、旅の思い出をフィルム写真に収めていた。写ルンですを買おうとおもったきっかけは思い出せないけど、たぶんネットの記事か何かで見かけたからだったはず。
同居人に「フィルムカメラ買ったほうが安いんじゃない?」と言われて、ついにフィルムカメラの購入を決意したのだった。
いくつか中古カメラ屋をまわり、最後にたどりついた新宿の地下の中古カメラは、すこし空気が悪かった。外はからりと晴れているのになんだか湿気っていた。ところ狭しと並べられたカメラたちは、ここに来るまでにどんな景色を写してきたのだろうと考えたら、ちょっと怖くなった。
気さくなおじいちゃん店員(もしかしたら遊びにきていた人かも)たちと、やいのやいの言いながらカメラの電池はどうだ、これは日付もつけられるよ、レンズ倍率が2段階設定できる、などと盛り上がってはじめて手にしたフィルムカメラ。
MINOLTAのAF Teleというカメラ。コンパクトカメラだけどちょっと大きめ。形が可愛かった、というのが購入の主な理由。わたしは下手くそなので、よくピントがぼやけてしまう。難しい。
初めは、かの有名な(?)フジフィルムの業務用フィルムで撮っていた。
一度なんとなくモノクロフィルムを買ってみたら、これが思いの外楽しい。ここ最近はあえてモノクロフィルムを選んで撮影している。
明暗だけで表現されているのに、明暗以外の世界が広がっているのが好きだ。
わたしはルノワールの絵が好きなのだけれど、いってしまうと、光と影の具合が好きなのだ。質感を感じる、温度やにおい、空気を感じられる絵がこの上なくすきで、そしてそれは写真にも言えることだ。
モノクロ写真は、色という情報が欠けている分、空気感がとがって伝わってくる気がする。文字しか情報がない分、景色や感情がよりあざやかに刺さってくるときがあるような、それに似たもの。
わたしは絵を描くのだけれど、一辺倒にうまくならなくていつも頭を捻っている。足りないものがたくさんあるということは、じぶんの作品を見れば一目瞭然だ。
この数ヶ月のフィルム撮影を通じて、もっとシンプルに絵を描きたいと思った。あざやかな色彩とか、目を惹く構図とか、綺麗な線とか、丁寧なパースとか、本物をなぞらえた立体感とか、そういうものはもっと後でいいのかもしれない。わたしをいつだって沸き立たせるのは、そこにあるかのような空気感であり、それはたぶん、光と影なのだ。
光と影しか持ち得ない、いたってシンプルモノクロフィルムをとおして切り取られた瞬間たちが、いつかわたしの絵の糧になったらいいなと思う。
それはそれとして、写真自体は写真で楽しみたい気持ちもある。ゆったり、ぼちぼち続けていきたい。今は旅行に行く時にしか撮っていないけれど、ほ作品撮りもしてみたい。
ちなみに、モノクロフィルムは大抵800円くらいするので、写ルンですに比べてそんなに安いわけではない(写ルンですは1000円くらい)。
フィルムって結構高級な趣味だな……と痛感する。
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