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人の裏道を行く | 株式会社リバティー | 企業インタビュー

Today's President

株式会社リバティー 福原良佐会長

株式会社リバティーは1985年に福原会長によって創立されました。同社は宿泊業経営支援システムの「あすなろ」や集客サポートコンサルティングの「すけさん」を運営しており、全国で4000もの旅館にサービスを提供しています。さらに、IT企業としての顔だけでなく、静岡県内で4つの旅館を運営し、実際の旅館経営にも取り組んでいます。ITと旅館経営の両立という独自のビジネスモデルで、業界に新しい風を吹き込んでいます。

株式会社リバティーHP

福原良佐会長

オフィスツアー

システム部や営業部のオフィスを見学させていただき、活気に満ちたオフィスの雰囲気を感じることができました。社員の皆さんは明るく迎えてくださり、外国人スタッフをはじめ、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が一緒に働いている姿が印象的でした。

インタビュー

Q1. 旅館向けのサービスを始めた経緯について

最初は通信機器の会社を経営していましたが、未来を見据えて光ファイバー技術に賭けることにしました。その結果、通信機器事業から撤退し、ソフトウェア事業にシフトしました。40人いた従業員のうち、考えに共感してくれていた7人だけが残り、0からソフトウェア事業を開始しました。
その後、レンタルビデオ店向けのバーコードシステムを開発し成功しましたが、レンタルビデオ業界の規模が限られていることに気付きました。次に工場の生産管理システムの開発に取り組み、ここでシステムを作り出す能力や財務会計について学びました。そして、旅館業界においても手書きの業務が多いことに気付き、伝票発行のプログラムや決算書のシステムを開発し販売を始めました。その後、Yahoo!の台頭により旅館のポータルサイトなども開発し、多くの旅館から受け入れられようになりました。これが旅館向けサービスの始まりです。

Q2. 経営戦略などの意思決定において気をつけていること

経営においては勘が非常に重要です。成功する経営者は計算ではなく鋭い勘で物事を判断します。例えば、経営困難となった旅館があり、私は勘でこれを再生させることができると確信しました。短期的には儲からなくても、長期的にはお金で買えない信用をつかめると考え、全く新しいやり方で再生事業に取り組み、システムの販売に繋げることができました。

Q3. 高専生について

高専の教育は一貫的で、同じような人材が多く生まれる傾向があります。情報処理などにおいて優秀な人材が生まれる一方で、そこからこぼれ落ちてしまう学生もいます。情報処理の知識だけでなく、営業職やサポート職、コンサルタントなど、様々な役割に対応できるような教育が求められます。また、商売の泥臭い部分や肉体的な体力を鍛える教育も必要だと思います。

Q4. スタートアップの経営者に必要な能力

「コミュニケーション能力」と「はったり」が重要です。最初は自分を大きく見せることが必要ですが、後から実際の能力を身につけていくことで、信頼を築くことができます。言ったことを実行する「有限実行」の精神が大切です。例えば、ただ起業するだけでは、誰もついてきません。どんな会社にするのかを断言し、現実を夢に近づけようとすることで、人が集まるのだと思います。

Q5. 人と関わる上で心がけていること

一人でできることは限られているため、異なる力を持つ人を大切にすることが重要です。営業だけでなく、経理や管理など、様々な役割を持つ人々を尊重し、目標に向かって共に歩むことが大切です。また、バランス感覚を持ち、相手と自分の利益が均衡するように心がけることも重要です。

Q6. 若者へのメッセージ

何をやりたいのかをしっかり考えることが重要です。お金だけを目的にするのではなく、自分がどういう人間になりたいのかを明確にすることが大切です。お金は後からついてくるものです。仲間や自分についてくる人々を大切にし、自分の夢や目標に向かって邁進することが必要です。

+α. 会長が語るAIとデータサイエンスについて

福原会長は、AIの活用が企業の生産管理やデータ分析に大きな影響を与えると語りました。AIは単に業務の効率化だけでなく、人間性や過去の行動を考慮することで、経営判断やリスク管理にも貢献できると述べています。たとえば、過去のデータを基にした精度の高い予測や、人材の潜在的なリスク要因の特定が可能だと説明されました。今後、AIをより活用することで、企業はさらに効率的かつ人間的な経営を実現できると期待されています。

執筆者の感想

リバティーの成長の軌跡や福原会長の経営哲学を伺い、その言葉から強く印象に残ったのは「オンリーワンになるには人と違う道を行く必要がある」というメッセージでした。また、「経営者には勘が必要」という言葉も、福原会長の先見の明を物語っています。多様なバックグラウンドを持つ社員たちが一丸となり、オールインワンの体制で挑戦を続ける姿こそ、リバティーが成長してきた理由の一つだと感じました。
リバティーは今後もイノベーションを通じて進化し続ける企業であり、さらなる飛躍が期待できると確信しました。引き続き株式会社リバティーの発展を応援しています。

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