真のグローバル企業を目指す! | 臼井国際産業株式会社 インタビュー
Today’s President
林耕一さん
臼井国際産業株式会社は1941年に設立され、自動車用配管を中心とした製品を提供しています。現在では、12ヵ国に18の拠点を持ち、グローバル従業員数11,000人を誇るグローバル企業に成長しています。今回は、臼井国際産業株式会社取締役の林耕一さんにお話を伺いました。林さんは今年の3月に取締役に就任し、技術部門を中心にご活躍されています。
本社見学
臼井国際産業様の本社を見学させていただきました!
本社は2020年に完成したばかりで、非常に綺麗でモダンなデザインが印象的でした。オフィスは広々としており、社員同士が自然にコミュニケーションを取れるような開放感のある空間となっています。
また、オフィスの北側が全面ガラス張りになっており、そこから富士山を一望することができます。この景色は日々の業務に新鮮なエネルギーを与えてくれると同時に、海外からの訪問者にも大変喜ばれているそうです。
インタビュー
Q1. ビジネスモデルと主な顧客層について
当社のビジネスモデルは自動車の機械部品製造がメインです。主に自動車メーカーに部品を提供しており、BtoBビジネスを展開しています。例えば、トヨタ様などの自動車メーカーと直接取引する一次メーカーです。一般の消費者に直接商品を届けるわけではなく、メーカーに納品する形です。
Q2. 競合他社との違いや貴社の優位性について
当社は主に燃料パイプやブレーキパイプを製造していますが、同様の製品を作っているメーカーは日本国内に3社しかありません。そのうちの2社は自動車メーカーの系列に属していますが、当社は独立資本で運営しています。これにより、自由な取引が可能ですが、自社の独自性をしっかりと打ち出す必要があります。また、当社のパイプは高い圧力や過酷な環境下でも15年、15万キロの耐久性を持つように設計されています。この技術を知的財産として守ることにも注力しています。
Q3. グローバル展開していく中で苦労したこと
私は最近取締役になったばかりで、まだ自分でグローバル展開を経験していませんが、文化や法律の違い、商習慣の違いが大きな課題だと聞いています。また、子会社との取引における税金や関税の問題も大変です。海外では、例えば火葬と土葬の違い、宗教的な習慣なども異なり、それらに対応する必要があります。
Q4. 会社の方針決定や事業戦略の策定で意識していること
会社が持続可能であることが最優先です。従業員の雇用を守り、利益を上げることだけでなく、社会に貢献する製品を提供することが重要です。変化に柔軟に対応し、常に新しい方針を策定しています。また、海外拠点からの情報を取り入れ、海外拠点でも無理のない形で方針を決定しています。
Q5. 組織運営で意識していること
部門ごとに役割が決まっていますが、部門間をまたがるプロジェクトについては各部門のキーマンを集め、プロジェクト組織を作っています。現場の意見を大切にし、コミュニケーションを重視しています。特に技術系の組織では、現場での実際の経験や意見を反映させることが重要です。
Q6. 社内で取り組んでいるDXについて
DXはハードルが高いですが、特に検査において画像認識やAIを活用しています。ただし、品質管理のためには人の目による検査も必要です。AIのブラックボックス的な部分は外部のソフトウェアを導入していますが、製品の良し悪しの判断は自社で行っています。
Q7. 経営者やリーダーに必要な能力について
組織を動かし、持続可能な経営を実現するためには、未来を見据えた戦略を立てることが重要です。また、技術系のリーダーにはカリスマ性が求められます。専門知識とリーダーシップを持ち、組織全体を安心させる存在が必要です。
Q8. 若者へのメッセージ
今の若者は私たちとは全く違う環境で育っていると思います。自信を持ち、自分たちの違いを理解しながら、先輩の意見を聞いて自分の力を発揮してください。新しい視点から社会に貢献してほしいです。
感想
系列会社ではないために、技術を特許として守ることの重要性やグローバル企業ならではの経営の難しさとそれに対する向き合い方などについて非常に興味深いお話を伺うことができました。多くの困難を乗り越え、ここまでの成長を遂げた背景を知ることができ、大変勉強になりました。
また、身近にこれほど大きなグローバル企業が存在することを知り、非常に誇らしい気持ちになりました。
臼井国際産業様のさらなる飛躍を心より応援しています。