天敵はいつも5月
ふと頬を撫でた
その感覚にハッとした。
1筋の涙
なぜ泣いているのか
分からなかった。
突然のことに隠せない困惑
私は鏡を見た。
そこには信じがたい姿
サルビアの花が咲いたような
好きな子に微笑まれた時のような
そんな綺麗な言葉では表せない程の
異様な色の顔を持つ姿
まるで身体中の血が全て顔に集まったようだった
そういえば今日は目が見えにくい
そういえば今朝クシャミを5連続でした
そういえばティッシュのなくなりが早い
ああ、あいつがやってきた。
私が誰よりも嫌いなあいつ。
花や木々から舞い降りて
ハチに着いてきゃいいところ
わざわざこっちに来るんだもん。
ほんと好かれたもんだ。
5月
涙のワケはだいたいあいつ。
好きな子でもないのに
顔を染める私。
勘違いしないで。
私はあなたが好きじゃないの。
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