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似て非なる人工芝のそれぞれ。

私たちが取り扱う人工芝は200種類を裕に超えています。
そんな話をすると、殆どの方々が驚かれます。
「そんなに有るんですか?」はい。そんなに有るんです。
大きく分類すると、室内用と室外用。スポーツに使えるものと使えないもの。スポーツ用は競技によって全て異なります。
サッカーやラグビーやアメフトなどに使うロングパイルと呼ばれる人工芝で、公式ピッチとして使うなら、長さも指定されてきます。
野球もロングパイル人工芝を使う。
ただ野球の場合には、特段長さの指定がなく、それぞれ好みによって使用されている。
ドーム球場などで使う人工芝と、屋外野球場で使える人工芝も違う。
同じく、スポーツ用人工芝が良く使われるテニスやホッケー競技。
この2つは、同じくショートパイル人工芝を使う。
大体が18mm前後の物を使うが、糸は全く違う。
ホッケーは、ボールを走らせる為に水を撒いて使う。その為に、水を保水しやすい糸の仕組みになっている。
テニスはそれとは逆で滑らない糸が採用されている。
見た目ではわからない。

例えば、室内野球で使う人工芝。スパイクを履かずに使う人工芝はショートパイル。
表面に秘密がある。激しく動くスポーツの場合には、グリップの具合が重要になる。
滑り過ぎるとプレーがままならない。
しかし、グリップが効き過ぎても怪我の原因になる。
適度に滑ることで、関節への負担を逃す。

たかが人工芝、されど人工芝。
選手アスリートにとって、怪我は死活問題だ。
1年間を棒に振ることも有れば、選手生命が絶たれてしまうことも有る。
日本ハムや中日の選手に怪我が続出したのは、札幌ドームや名古屋ドームの人工芝に原因が有ったからだ。

同じく室内ショートパイル人工芝でも、足が滑ると危険なスポーツも有る。トレーニングパワー系のスポーツや陸上ランニング系のスポーツは、足が流れたら危険を伴う。この様に、同じく見えても人工芝はそれぞれの競技によって作られている。

ゴルフも専用に作られている人工芝の一つだ。
アイアン用は、良く滑るものも有れば、全く滑らないものもある。
天然芝は、日本とアメリカやヨーロッパでは種類が違う。ゴルフグリーンの芝も違うことから、人工芝も天然芝に似せた作りになっている。
日本ではパターグリーンに、室内用のカーペット人工芝が使われていることがあるが、それは誤った使い方で、練習にはならない。殆どのゴルフショップで販売されているのがそれだ。

ランドスケープ景観用の人工芝も用途別に作られている。特に危険なのは、窓の有る場所で使う場合。
窓の反射熱で溶けたり、発火する危険がある。
耐熱性のもの、そうで無いものが有るから気をつけたい。
その他、ペットや動物に使えるもの。使ってはいけない人工芝が有る。
日本では、人工芝は全て同じと思われている節が有る。
施工業者は販売店でさえ殆どが知らない。
量販店やホームセンターやネットECサイトで販売されているのが殆ど中国産の模造芝。
模造芝とは、機能性が全く無く、人工芝に似せて作られたもの。
耐久性に乏しく、帯電防止対策や紫外線反射機能も備えて無い。
スポーツやペットには使えないものが、平気でそれ用に販売され、施工もされている。
恐らく、日本で販売施工されているものの9割は、中国産模造芝で、本来なら使用出来ない用途に使われている。
しかもかなりの高値だ!
冷却人工芝や温度抑制クール人工芝などとして販売する、悪質な業者には特に気をつけたい。
パフォーマンスに騙されてはいけない。

小谷ユタカ『人工芝の真実』
YouTubeを是非ご覧ください。

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