β-96 AC 2020 その4
ACジャパンの2020年度NHK共同キャンペーン及び、第16回ACジャパン広告学生賞グランプリ・準グランプリ作品についての感想をお届けします。
全国キャンペーンはその1、地域キャンペーンはその2、支援キャンペーンはその3をそれぞれご覧ください。
ACジャパン・NHK共同キャンペーン
本年度は、恐らく直近で作られたであろう作品ですね。
説明文で見る限りだと。
ただ、後付け感もあるような気もしますが。
どんなときでも
ちょっとまだ反映されてない感じがしますね、それくらいに制作が滞っていたのでしょう。
映像を見るにCOVID-19が表に出てからの制作になりますね。
音声からして。
そうなると6月の撮影かな、緊急事態宣言が明けないと撮影できなかったと思いますので。
男の子(ケンイチくん)がバットを持って素振りしているけれど、どうやらうまくいってない様子。
両親はニュースを眺めて、なにやら憂慮を浮かべている模様だけど、息子に寄り添えているかはわからない。
ただ、最後には両親が励ましている様子が描かれており、明るい形で終われているような気がしています。
個人的には、素振りを見るに「ああ、これでは打てないよな」というスイングだと思いました。
掛け算の筆算の下に「僕は才能がない」とか書いているのもなんだかリアルだなとは思いました。
もちろん、私の世代のリアルなので、現代の小学生のリアルとは乖離しているのかもしれませんが。
第16回ACジャパン広告学生賞
全受賞作品は、こちらにて。
あらかじめ申し上げると、2020年度に放映されたり掲載されたりする作品以外は今回は見送りします、でもどこかで取り上げるかもしれませんが。
そのときはまた、記事に追記しておきますかね。
ただ、しれっと更新しているとは思いますけどね。
グランプリと準グランプリ作品以外は、映像作品も新聞広告作品も拡大したり、巡回したりすることがなかなかままならなくてね。
そのために、見送ったという判断です。
テレビCMも新聞広告作品もそれぞれ2作品ずつあるので、順番に。
いままでとこれから
こちらが第16回のテレビCM部門でグランプリを獲得した作品です、URLでは準グランプリとなっていますが、これは間違いです。
この辺は、修正していただきたいかなと思いつつ。
長岡造形大学の学生さんによる映像作品です。
幼少期の絵から大学生に至るまでの絵がアニメーションとして見事につながれて、現在に至るまで成長を遂げていっている様子が読み取れます。
結局、何を伝えたいかというところになると思うのですが、このたび、18歳から投票できるようになりました。
学生さんにとってはちょうどタイムリーな話題だそうで、この題材で投稿した作品も少なくなかったとか。
アニメーションのなかで、成長を振り返り、未来に向けてどうなっていくか、まだ実感は湧かないかもしれないですが、場合によっては選挙によって将来が左右される可能性だって十二分にあり得るわけでございまして。
そういう意味では、選挙に行って投票することは、とても大事だよという意識を持つことはとっても大事なことではあります。
もちろん、いろいろ、もっと知識は得ないといけないのですが、まずははじめの一歩を踏み出すという意味合いでは、この広告は十分に発揮されることもあるかもしれません。
放送頻度と時間帯別によりますけれど。
笑顔を守る
テレビCM部門準グランプリ作品です、武蔵野美術大学の学生さんによる政策となっております。
ビデオカメラに映された姉妹がすくすくと大きくなっていきます。
ただ、妹さんが20歳を迎えたときまで一気に時代が進みます。
そのブランクは12年。
この12年の間には思春期もありますし、ビデオカメラで撮影することも少なくなってくる傾向にはあるとは思います。
でも、この間に成長を一番見てもらいたかったのが他でもないお母さん。
お母さんの声が確かに最初のビデオカメラにはしっかりと残されていました。
しかし、その12年の間にお母さんの身体をがん細胞が蝕んでいき・・・、旅立ってしまったということを察知できるようになった後、定期的な乳がん検診をという啓発メッセージを添えて締められます。
お気持ちはたいへん身に沁みるものがありました、30秒では収められないできごとが少なからずあったことだとは思います。
故に、30秒でまとめるという難しさはあったのかもしれません。
うまくまとめられれば、グランプリになってたのかもしれませんが、素人目戦なのでクリエイトする部分に関してはよくわかんない面もあるので、もしかしたら別のところを補強すれば・・・というものがあるのかも?
とは、考えてはいますけれども。
対がん協会の支援が休止になったので、今年度のキャンペーンの被りはないかと思われます。
お次は、新聞広告のグランプリと準グランプリ作品を。
タピのち、投票。
新聞広告部門のグランプリ作品です、相模女子大学の制作ですね。
奇しくも、テレビCMも新聞広告も、18歳選挙権の題材がグランプリを受賞しました。
実際には、選挙というものは全世代にかかわる大切なことではあるのですが、政治の世界は複雑怪奇で、一つ知ってもまたべつのわからないものが出てくるとんでもなきものです。
でも、頭ごなしに若い世代に説明しても耳を傾けてくれるわけでもないので・・・、タピオカを飲んでる女子高生がブームを起こしたいというとても軽い感覚で投票に向かうんだろうなという様相が容易に読み取れる内容となっております。
「いままでとこれから」で述べたとおりですが、入口はやわらかく、興味を持ったら深く探究し、こうだなと思ったら発信していけばいいと考えております、私としては。
固まらないときはぐっといったんこらえるのも術ではあるのですが。
タピオカのブームはやや過ぎている感覚がありますが、締め切りの時はまだブームだったので仕方ありませんわな。
お母さんという者です
新聞広告準グランプリ作品は、東北技術工科大学の制作です。
「お母さん」は名刺などをもちません。
でも、年中無休で働いてるのは事実です。
無償の愛のもとに。
でも、「ありがとう」と「いっしょにやるよ」の言葉を忘れずに。
という内容です。
現代は専業で主婦もしくは主夫業を行う人数は減少傾向で、共働きが当たり前の社会になっているかと思われます。
でも、共働きになっていたとしても、家の様々な役目を「お母さん」の方向にすべて任せてもいいのだろうか。
役割分担はきちんとなされているか、たいへんな時に声を掛けて手伝えるのか、してくれたことに感謝の気持ちを素直に告げられるのか。
ということを自問自答しながら、広告を眺めました。
一部の界隈は声を高らかに挙げそうな気もしますね、ちょっと言葉足らずな面も見受けられたかもしれません。
シンプルに直球勝負でもベストではあると考えておりますが。
あと、〒123-4567は実在しない住所です。
123は足立区なので新聞広告にあるように新宿区にはございません。
新宿区だと160の3桁が通例になっているようです。
そのことだけ、伝えておきながら。
2020年度キャンペーン総評
総評に相応しい年齢及び経験数は持ち合わせていないのですが、本年度の22作品をその1~4に散りばめてお送りしました。
全国キャンペーンでは、外国の方や聴覚に支障のある方にも配慮された広告キャンペーンが本年度でも展開されていましたね。
地域キャンペーンに関しては7地方すべて据え置き、これはCOVID-19による制作期間が確保できなかった問題点がそのまま反映されたのか、継続という名目の元、制作費が捻出できずやむなく続投させたのかは判断に困る面がありました。
公開資料を見る限りだと、前年度よりも減少しているように見受けられますが・・・、でも冒頭の期間はしっかり2019(平成31)~2020(令和2)に修正しましょうとは、2020年4月から2020年3月であったり、令和3年の収支報告がなされているのは、不味いような気がしてなりませんので。。
支援キャンペーンの数も7団体と1団体減少しました、医療系の団体をもう少し補充したいなとは個人的に考えました。
バランスの面からしてももう一つくらいは、なんて。
そうは言えど、いろいろとあることでしょうけれども。
広報キャンペーンはございませんでした、本年度は。
ただ来年度は、50周年なので、仕掛けてくることでしょう。
広報に限らず、全国・地域・支援・NHK共同キャンペーンなどにも力を入れてきそうです。
ウェブサイトの刷新や、充実したアーカイブの検索、イベントや展覧会の実施も模索しているそうで、密かに楽しみにしています。
現在も今までよりはアーカイブを検索しやすくなっていますが、支援団体を検索しても、出てこないケースが多発したので、せめて検索した時に出てくるようなデータベースであってほしいなと感じながら、本年度の広告キャンペーンをまとめてみました。
私は、一般会員ではありませんが、18年にわたって外部資料や実際の広告などを頼りに、公共広告機構の時代からひっそりと追いかけているあした・の・β<ベータ>と申します。
かつて汐留のアド・ミュージアムにおいてACジャパンの45周年記念のレポートをおよそ3時間かけてじっくり見ていくくらいに追いかけてはいます、四六時中ではございませんが。
最後に、公式サイトをのっけておいて、締めとなります。
読んでいただきありがとうございました。
一般会員、なってみようとは思うけど、本名はちょっとばかりきつい気もしなくはない・・・、その辺が躊躇ってしまっている部分でございまして・・・。
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