俺は殺人鬼(短小説)
今日も俺は殺した、苦しんでる人を殺した。消えたいと思ってる人を殺した。泣き叫んで救いを求めてる人も殺した。いつも、日が暮れたら、俺は常人から、狂人に変わっていく。よく俺は命令される。こうしろとか、あぁしろとか。また俺は殺した。よく俺は責められる。お前のせいだとか、責任はお前だ。とか。俺はまた殺してしまった。朝が来ると、俺は常人に戻る。世渡りは上手く、人間関係に困ってはいなかった、ただ能力が無かった。才能がなかった。だから色んなやつに越されていった。俺は殺すしかなかった、いつも俺の手は血で染まっていた、けど俺は汚れたとは思わなかった。俺はその血をみて、快楽を感じていた。明日も殺すのかと思うと、俺は正常ではいられなかった。けど、殺すしかなかった、それが俺の快楽だから。人が生きる社会で、殺さなきゃ生きていけないから、人の血なんて、どうせ誰も見えないんだから。死人に見向きもせず、種も水も何も、やらない人間という生物が殺人鬼だと俺は思ってる。だから俺は殺して良いんだよ。殺さなきゃ殺されるから。社会というなのレールは俺にはなかった。あったのかも知れないけど、いつしかそれは途切れて俺とは無縁の線となっていた。今日もまた、日が暮れた。俺は見えないナイフを持ち人を探した。あれ、君は悲しんでいるのかい?と声をかけて、また、1人。そして、2人と、殺していった。いつしか俺は、最強の殺人鬼になっていた。殺すことにしか快楽がなく、生きることに意味を感じない。そんな俺がなぜ、なぜ、生きているのか科学以外の理由が見当たらなかった。そして、俺はそんな日々を4年間続けた。また狂人になっては、常人に戻る。俺はとある女性と出会った。けどその子は、人じゃなかった。人間という種族に分けて良い存在ではなかった。けどその子は俺を殺そうとした、ずっと、逃げても逃げても殺そうとしてきた。俺はその子に惚れていた。人は人を愛するのが普通だか、俺は人じゃない君を愛していた。でも俺の正体はバレていない。だから、少し可能性はあった。その可能性が1%だとしても、俺は1%の可能性を信じた。そして、殺人鬼の俺は、生きる意味を少しずつ見出していた。科学的な理由ではなく、もっと別の何かが、生きている印を作っていた。2人で遊びに行ったり、2人で夜の夜景を見たり、2人は種族の違う同士いつしか、赤い糸が俺たちを結んでいた。けど、そんなある日俺はその子に殺された。俺は言われた。「生きてる意味は私が作ったんじゃない、貴方が自分で無くしてるのよ」と、俺は、その言葉を認めたくなかった、これまで何十人もの人を殺して、それが快楽で、殺さになきゃ不安で、それが生きがいだと勘違いしているのに気づいてた俺自身を認めたくなかった。けどその子は、「もう死ぬんだよ貴方は、」だから、素直に生きて。と、俺はその時やっと気付いた。これまで殺してきた人。殺さなきゃと思っていた、自分。それは間違っていた。殺さなきゃだめだったのは、この俺自身だった。素直な俺をいつしか自分で殺していた。人に怒られるのが怖かった。人に軽蔑されたくなかった。人に逆らうことが怖かった。だから、そんな素直な自分を殺していたのだ。俺は自分を殺した。跡形もなく全て。日が暮れても、俺は常人になった。俺は人間を勘違いしていたようだ。人を知らずに殺しているのが人間だと思っていた。けどそれは違った。殺してもなお、見つめていて傍にいてくれているのが、人間なのかもしれない。彼女は言っていた。 いつでも貴方の事殺してあげるよ!と。 本当に君は、とてつもない殺人鬼だよ