身も蓋もないトラッキングシステム
まずはじめに「身も蓋もない」その意味は、露骨すぎて、情味も含蓄もない。
直接すぎて、話の続けようがない。
にべもない。
さて、4/22よりJRAの一部のレースにて、ゼッケンに取り付けられたGPSにて馬の位置を把握して、画面の下に馬のポジションが示され、特にビギナーにはレースが分かりやすい施策が開始されます。
競馬を何千レースを観戦した玄人なら別に馬の毛色、騎手の勝負服、ヘルメットの色で瞬時に馬の位置くらいは把握出来てるのでいらないよ、というのが正直な感想ではないでしょうか?
でも画面への順位の表示は競馬ビギナーにとっては分かりやすい施策ですので、競馬の間口を広げる良い試みだと思います。
それよりも競馬ファンとして気になるのは、GPSにより全馬のラップタイム、時速、走行距離の取得が可能になる点です。
しかし、それがどこまで開示されるかは公表されておりません。
もし、これらすべてを開示された場合、競馬界は大きく変わってしまうのではないかと思います。
まず馬券購入側からすれば、これを活用すれば馬券の制度が大幅に向上するでしょう。
例えば、前走枠の不利で走行距離が長い割に好タイムの僅差で負けた割に人気が無いから買いというパターンや、逆に前走ピッタリ不利なく回って来た割に負けたのに今回は人気あるので消しなどが考えられます。
その他は個別のラップタイムが分かればかなり高精度に強さの指数を出せるのではないでしょうか?
もちろん今までその様な考えの予想師はたくさんいましたが、精度がまるで違います。
そのデータは必ずAIに組み込まれますので、今までとはまるで確度の違う予想が完成するのではないでしょうか?
多くの予想師は駆逐されます。
そして、オッズも安定し大穴も少なくなるでしょう。
続いてプレーヤー側の代表として騎手はもっとシビアな世界になるでしょう。
例えば東京2400mのレースで武豊騎手は外枠に入れば平均2460mで回って来たとします。
一方、ルメール騎手は同じ条件で平均2480mで走破するという明確なデータがあれば誰に騎乗依頼が集まるか一目瞭然ですよね。
今まで感覚でしかなかった上手い下手が明瞭な数値として表されるはずです。
この様なビッグデータはサッカーや野球ではもう一般人にも公開されています。
サッカーでは1試合での走行距離が明確になっておりますので、チンタラ走ってそうな遠藤保仁選手は意外と人より走っていたんだと、驚いた記憶がうっすらあります。
この様に精密なデータを取ると、アナログ的な面白さが半減する恐れはJRA内で当然議論されるでしょう。
なので、公開しない可能性もあります。
しかし、デジタルの進化は止めることはできません。
どんどん公開していいと思います。
人間はそれを逆手に取る競馬予想を考えてくるでしょう。
この様に、トラッキングシステムは競馬というゲーの身も蓋もなくする革命となるでしょう。