2023年 京都金杯 回顧
一年の計は金杯にあり、という競馬言葉があるように東西金杯は関係者やファンにとっては普通のG3では無いようです。
特に命を取られる危険性がある騎手にとって、縁起や験担ぎを一般人以上に意識します。
その騎手にとって年始一発目の重賞の結果は、今年一年を占う意味で大きな意味があります。
結果はイルーシヴパンサーと岩田望来がインから抜け出しての快勝となりました。
昨年、4連勝の末に一番人気で迎えた安田記念を敗戦。
そこから2ヶ月後の関屋記念では惨敗し、それ以来の久しぶりのレースとなった京都金杯は5番人気と、やや信頼を落としていました。
1ハロン目は12秒台でしたが、その後のハロンラップは11秒台と淀みのないペースでした。
ハイペースではないが、緩まる場面もなく道中の隊列は最後の直線まで変わりませんでした。
勝ち馬のイルーシヴパンサーは終始、距離ロスの無いラチ沿いでピタリと競馬をし、じっくり足をためていました。
勝ち馬の前には僅差の2着馬エアロロノアもピタリとラチ沿いで競馬をしていました。
今回の勝負の分かれ目は、最後の直線残り400mので先を行くエアロロノアの福永はなかなか前が開かず、痺れを切らし進路を外に取ります。
その一瞬、後ろにいた勝ち馬と岩田望来が開けた進路に飛び込みます。
そこからまったく不利がないまま、最内をまっすぐ突き進み、2着馬に半馬身差をつけてゴールイン。
2着馬は外に持ち出すも進路が開けず、慌ててインに戻ろうとするもそこには勝ち馬、手間取ってる間に一着馬はすんなりと加速、半馬身差まで追いかけるもそこでゴールイン。
岩田望来の腹をくくったイン突きから始まった2023年、父親の岩田康誠を彷彿とさせるイン突きは彼を大きく成長させたでしょう。