2023.07.26 - 速報: 先史時代土器付着物の安定同位体分析について
分析を依頼した株式会社パレオ・ラボから安定同位体比測定結果の速報が届いたので、次に紹介したい。
上茶路遺跡(縄文晩期)・オンネチカップ遺跡(縄文晩期~続縄文初頭):C3植物と海産物のミックス
中茶路遺跡(縄文早期末)・和天別遺跡(擦文)・坂の丘遺跡(オホーツク文化終末期):海産物中心
左股遺跡(縄文中期):C3植物(口縁部外面のため燃料材に由来か?)
坂の丘遺跡(縄文晩期):C3植物(堅果類)
同じ縄文期の遺跡でありながら植物質食料と海産物に分かれていたり、オオムギや雑穀農耕を行なっていた擦文期の土器が海産物の煮炊きに使われていたりとさまざまな問題が生じる測定結果となった。株式会社パレオ・ラボからの詳細な報告を待ち、検討を進める必要がある。(種石)