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芦北町の未来を語る 釜課長と地域活性化起業人・寺浦さんとの対談

■芦北町の「商工観光課」の挑戦者
芦北町役場で商工観光課課長を務める釜辰信課長。元教育委員会所属。17年にわたり青少年の育成に携わり、現在は子どもから高齢者まで様々な年齢の方たちに空手を教えるなど、多方面で活躍しています。令和2年度の豪雨災害直後に商工観光課課長に就任し、ダメージを受けた商工業の復旧・復興に尽力してきました。芦北町の地方創生を支える商工観光課の釜課長と、地域活性化起業人として芦北で活動する寺浦が芦北町の魅力や課題、取り組みについて伺いました。

■芦北の魅力を再発見した
寺浦:
釜課長は芦北町出身ですよね。高校卒業後、一度東京での生活を経て再び芦北に戻ってこられたとのことですが、どうでしょう、戻ってこられて今のお気持ちは。

釜課長:
東京、その後、山形で仕事をしている時に、縁があって芦北に戻ってくる機会がありました。その時の私はどうにもならない状況や自分のふがいなさにやきもきすることが多くありました。しかし芦北に戻ってきた私は、芦北の景観の良さや町の人が自分たちの町を一生懸命に盛り上げようとしている姿などを目にして心を打たれました。芦北にいる間には気づくことができませんでしたが、この街には外に出てはじめて気づく良さがあります。

■地域課題への取り組み
寺浦:
確かに、僕も芦北で良いところを挙げるならやっぱり景観ですね。では、現状の芦北町での最も大きな課題は何だとお考えですか?

釜課長:
全国的な問題でもありますが、やはり「人口減少」という全国的な課題が、芦北町にも重くのしかかっています。
 芦北町には広い土地や空き家が多く、都市部に比べると家賃も非常に安いですが、若い人や子育て世代が住みたいと思う住宅は不足しています。芦北に興味があるけれど初めての場所だからなじめるか不安だという方向けに、週末だけ過ごせるお試し住宅を整備し、芦北での生活を体験していただける「移住体験住宅」の取り組みも始めました。本格的に芦北に移住を考えている方向けには、老朽化した町営団地をリフォームしたり、空き家・空き地を活用したりと住みよい町にするために各課が連携して整備を進めています。

寺浦:
なるほど。芦北が一丸となって芦北への移住を希望している方たちをサポートしているんですね。商工観光課でも、たしかワーケーションなどを含めてた地域間交流にも力を入れていますよね?

釜課長:  
そうなんです。商工観光課では子どもを含めたワーケーションのほか、うたせ船クルージングができるイベントや、商工会が主体となって行うお祭りなど地域間交流の活性化にも力を入れています。この取り組みをさらに充実させることで、交流人口や移住人口を増やしていきたいと思います。

■「芦北ロス」を生みたい
寺浦:
確かに芦北では地域でのお祭りなど、地域の人と交流できる催しがたくさん開催されていますよね!地域活性化に向けて地域の中での取り組みは何かされていますか?

釜課長:
はい。現在は行政も含めてDX化を行っていければと考えています。
芦北町の商工業は高齢化が進んでおり、デジタル技術に疎い経営者が多いのが現状です。デジタル機器やSNSを活用することで、業務効率化や集客なども見込めるため若者の力を借りたDXに今後は力を入れていきたいと考えています。現在すでに小さなことでは商工会の中にある青年部や婦人部などの層がIT活用のハブとして活躍しています。今後は商工会全体でさらに芦北のDX化に取り組み、協力して商工会を盛り立てていきたいですね。

寺浦:
新しい取り組みといえば、先ほどもお話がありました通り芦北ではワーケーションの誘致にも力を入れていますよね?

釜課長:
「ためしてあしきた!」ですね。IT企業に勤める若い世代などが芦北町を訪れ、景観や温泉、食事を楽しみながら仕事をする取り組みを進めています。帰る頃には「芦北ロス」を感じるほどの満足感を得たというお声もあり嬉しかったですね。そうしたワーケーションを通じて、都市部から移住を考える家族も増えてきました。若い世代がこの町での生活に憩いを見出し、再訪してくれたり移住を検討してくれたりするなど、非常に手応えを感じています。今後も良い意味での「芦北ロス」を生みたいですね。

寺浦:
釜課長のお話から、芦北町が持つ可能性と、それを支える課長の情熱が伝わってきました。今後も地域活性化起業人として、芦北町の魅力を発信し続けていきたいと思います。本日はありがとうございました!

釜課長:
こちらこそありがとうございました!これからも芦北を盛り上げていくために様々な活動をしていきますので、ぜひ注目してみてくださいね。