安定魅力 日本株

日経平均株価が心理的節目の3万円に近づいている。海外投資家が買い優勢に転じた4月以降、日本株はドル建てでも米国株対比の堅調さを見せ始めた。根底には「まだ割安」との評価があり、景気や金融政策面での不安が低いとの見方から投資マネーが流入する。PBR(株価純資産倍率)1倍割れ是正に向けた動きが広がるなか、投資家の視線はなお上向きだ。

TOPIX500指数採用銘柄をPBRの高低で半分ずつに分け、それぞれの中央値を計算してみる。15日時点では上位が2.23倍、下位が0.79倍だ。月次で遡ると上位群は13年から上昇傾向をたどってきたのに対し、下位群はおおむね0.7~0.9倍で10年以上横ばい。低金利環境で高PBRのグロース(成長)株が選好されるなか、バリュー(割安)株は後れを取り続けてきた。
割安株是正の機運が注目を浴びるなか、日本株はドル建てでも下値を切り上げてきた。日経平均は12日に218ドル台と22年4月以来の高値をつけた。円安に頼らず株価が上げてきた表れと解釈できる。22年末比の上昇率は前週末時点で10.8%と米S&P500種株価指数(7.4%)を抜き、ドルで運用成果をみる海外勢の目線でも優位になってきた。

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