🖋️ チャルメラおじさんが夜空のトランペット
おじさんはね、二十歳のころまでは鉄工所で働いていたんだ。
油まみれになって旋盤で鉄を削ってましたね。
なんか、その仕事が嫌になってね、ラーメン屋を始めたってわけ。屋台を引いてね。その頃は「夜鳴きそば」って呼ばれてましたね。
そうこうする内、なんか世の中が変わってしまって若い人は洋食好きになって来たようで、思い切ってスパゲティを売るようにしたんだね。若い人はスパゲティもパスタって言ってるようだけど。
イタリアの料理ということで、思い浮かべたのがニニ・ロッソなのよ。
若い人はイタリアの音楽家 ニニ・ロッソをあまり知らないのだろうけど、おじさんの若いころはねトランペットといえばニニ・ロッソだったわけ。「夜空のトランペット」という曲が流行ったね。とても単純な曲で、シロウトがトランペットを始める時には、この曲を吹いたね。ピアノの「猫ふんじゃった」みたいなもんだね。ん~、ちょっと違うか。
実は、おじさんも若いころトランペットを練習したことがあってね、下手くそだけど何とか音は出る。
そこで、イタリアのパスタ、イタリアのニニ・ロッソというわけで、チャルメラからトランペットに変えたというわけ。
でもね、思うんだけど。スパゲティをより、やっぱりラーメンのほうが性に合ってると思うようになっきたんだ。
友人に一平ちゃんというヤツがいるんだけど、ずっとラーメンで頑張ってるしね。
どうするか、まだ決めてないんだけれど・・・悩んでるわけじゃない・・・楽しく役に立つ仕事をしたいだけさ。まあ、ちょっと考えてみるよ。