トントン山の芝右衛門(とんとんやまのしばえもん)
芝右衛門は狸である。
淡路島の洲本にある山に棲んでいた。
「化け狸」といわれることもあり、人間に化けて木の葉のお金で買い物をするなど悪事を行ったりした。
その半面、酒に酔っぱらって山中に紛れ込んだ人間に道案内をして麓まで送っり届けるなど良い行いもした。
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陽気な芝右衛門は、月夜になると山の頂上で四股を踏みながらお腹をポンポコと叩いた。麓の住民にも腹鼓は聴こえたという。
なので、悪い狸というよりは陽気で愛嬌のある狸として洲本住民に親しまれていた。
芝右衛門は酒好きだったので、住民は頂上の棲み処まで一升徳利に入った酒をプレゼントするなど、ずいぶんと愛されキャラの狸だったようだ。
洲本の山とは三熊山のことで、山道で四股を踏むとトントンと響く音がするらしく、トントン山とも呼ばれた。