見出し画像

同じ技術のサービスでも、対象・環境が違うと全く別の段取りが必要

湘南あしケア訪問サービスでは、「高齢者」を対象として「施設訪問」を基本としたフットケアを提供しています。

一部、医療機関でも行っています。

同じ「フットケア」でも、お店でお客様もお迎えしてサービスを提供している方もいます。

一見、同じ「フットケア」に思えるかも知れませんが、実は全く違うサービスだと私は考えています。

例えば訪問フットケアをしている施術者がフットケアの技術に自信があっても、明日からサロンワークとしてのフットケアを提供しろと言われても、おそらく上手くはいかないでしょう。

もちろん本気でやる気だったら、勉強すると思いますが簡単ではありません。

同じ高齢者対象でも、訪問先が違うとまた別物

最近、お問い合わせが増えている「在宅訪問フットケア」についてです。

施設訪問と、ご自宅への訪問でのフットケアサービスの提供を比べてみます。

お客様情報の取得

施設ですと、予めケアマネ・看護師・担当者などから得られます。

訪問診療医師から、フットケアを受けることに同意のサインもいただけます。

既往歴から現在の様子まで、細かいことまで確認ができます。

ご自宅訪問になると、よほどしっかりした方(医師や訪問看護師、その他)からの紹介でない限りは施設ほどの情報を得ることは難しいです。

電話で確認をしていても当日、再確認をしてご本人かご家族の同意のサインをいただくことになりますが、たとえ本人でも医療に詳しい人からの情報ではありません。

施術者としては結構、不安があります。

施術スペースの確保

施設ですと当然、バリアフリーになっていますし、居室が手狭だったとしても共有スペースがあるので何とかなることがほとんどです。

たまにお部屋施術で、苦労することもありますが稀です。

経験者から聴いた話です。ご自宅ですと、一体どうやって施術のスペースをつくれば良いのか?と、悩んでしまうお宅もあるそうです。

ベッドで横になっての施術でも、ベッドの位置によっては施術者のスペースの確保が困難なことも多々。

その他

照明が暗いとか、呼び鈴を鳴らしても難聴で聞こえず、出てもらえないとか

電話をかけても、それでも聞こえてなくて無駄足だったとか。

そもそも予定の日時を覚えてないとか、勘違いしているとかはザラにあるそうです。

お金の受け渡し

料金の収受も個人と施設とは違います。施設でのサービス料は、ほとんどの施設が立て替え払をしてくれています。私たちは施設に請求書を提出して、翌月末にお振り込みいただけるパターンがほとんどです。

経理の整理も記帳すれば確認が簡単で、計上も簡単です。

ですが、個人様のお支払いとなると釣り銭の用意、記憶の間違いがないように領収書の管理など、当然ではありますが施設の収受とは違う気の使い方があります。

拘束時間

これも大きく違います。往復にかかる時間です。1件でも10件でも往復にかかる時間が同じなら、例え単価が安くても10件の方が効率が良いです。

ご自宅訪問サービスで10件を一日で回るのは不可能です。

そして上記に書いたような、スペース確保・お客様情報の確認・料金の収受などにも時間がかかります。

施設でお一人に施術をするのと、ご自宅でお一人に施術をするのでは時間が大幅に変わってくるのです。

だから、高額になってしまうのです

色々と書きましたが、その差はサービス料金に反映します。

始めたからには継続をすることが1番の責任です。フットケアサービスは、全額自費負担です。介護保険は適用されません。

ご本人の負担が大きいことは理解できますが、継続するためにも現実的な料金をご提示するしかないのです。

以上。

お問い合わせが時々ありますが、湘南あしケア訪問サービスとして、在宅訪問を正式メニューに入れられない理由でした。




いいなと思ったら応援しよう!

高齢者を足から笑顔に@中西薫
「フットケアだより」ダウンロード役に立った!勉強になった!と思われた方は、サポートして頂けると嬉しいです。さらなる勉強のために使わせていただきます。