携帯電話の中の、パートナーにかける言葉
奥様に先立たれた方、90代男性。
携帯電話(スマホじゃない)の中の、奥様のお写真を見せてくださいました。
待受画面にされていました。
亡くなって5年、いまだに大切にしてもらっているんだな・・・と、素敵です。
まだ迎えに来なくて良いよ
90代男性のお客様。
伺えばそれはご苦労の連続の人生でした。
終戦してもシベリア抑留で4年、帰国できずにいました。
その時の話は何度も聴きましたが、おそらく他人には言えないような壮絶な現実があったはずです。
その後、ご結婚。どんな時も奥様が横にいて、支えてくれたと言います。
「よくついてきてくれた」
と、最後は感謝の言葉で締めくくり。
そして今。毎日、携帯電話の中の奥様に言う言葉は「まだ迎えに来なくて良いから」なんだそう。ニッコリ、笑っておっしゃいました。
私、その言葉を聞いて、心から嬉しかったんです。
いつもお客様から、「死にたい」「早く迎えにきてほしい」ばかりを聞いています。
もちろん、本音かもしれません。
きっと、その年齢にならないと分からないことがあるのだろうと、否定はしません。
私にしか言えないのかもしれないと思えば、ありがたいです。
ですが、やっぱり前向きな言葉は気持ちが明るくなります。
笑顔でお話しくださった、お客様の強さを感じました。
きっと天国の奥様も、のんびりお待ちのことだろう思います。
亡くなっても夫婦はいつまでも夫婦なんだな・・・と、結婚も良いものだな・・・と、うらやましく思ったのでした。
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