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高齢者が生き生きと語る!フットケアセラピストの傾聴の力

高齢者の話を聴くことの大切さ

高齢者フットケアの施術をしながら、お客様の話を聴くことが私の楽しみの一つです。
長い人生を歩んできた方々の話は、まるで一冊の本を読んでいるように深く、学ぶことがたくさんあります。

人は誰でも話を聞いてもらいたいものです。
特に高齢の方は、過去の経験や思い出を語ることで自分自身を振り返り、人生を肯定できる時間になります。
サービスの本質は、ただ施術を提供することだけでなく、傾聴によって心を通わせることかもしれません。

私が実践している傾聴のコツ

傾聴で大切なのは、形式的な相槌ではなく「心から興味を持って聞くこと」です。私は、個人的に興味のあることをどんどん質問していきます。

  • 女性のお客様:夫婦の馴れ初め、子育ての工夫、家事の知恵など

  • 男性のお客様:仕事の話、特に自営業の方にはノウハウを詳しく聞きます。

どんな方でも、興味深い人生のエピソードを持っています。
それを引き出せたとき、お客様の表情がキラキラと輝くのを感じます。
そして、その瞬間が私自身にとってもワクワクするひとときです。

印象に残っているエピソード

私がこれまで聴いた話の中で特に印象的だったのは、シベリアで終戦を迎えた男性の話です。

戦争中、彼はシベリアに渡り、極寒の中で食べるものもなく、仲間が次々と減っていく過酷な状況を生き抜きました。終戦後に帰国してからも、苦労の日々が続いたと語っていました。

「俺は苦労した」とおっしゃっていましたが、その苦労を乗り越えたからこそ、その後の人生の苦難にも負けない自信になっていたのだと感じます。
何度聞いても、その壮絶な体験には圧倒されました。

話したがらない方への接し方

中には、あまり話をしたがらない方もいます。その場合、無理に質問することはしません。少ない言葉の中からヒントを探し、できる限り会話を広げるようにしています。

また、同じ話を何度も繰り返す方もいます。それはその方にとって大切な思い出や、心に残っている内容なのだと思い、何度でもじっくりと耳を傾けます。

傾聴の本質とは

最も大切なことは、「一人の人として興味を持つこと」です。

ただ耳を傾けるだけでなく、その人の人生に寄り添うように聴くことで、会話が深まり、信頼関係が生まれます。
フットケアの施術をしながら真剣に話を聴くことは、お客様も忘れていたようなエピソードが飛び出すかもしれません。
短時間ではあっても、涙や笑いがある、生き生きとした時間を過ごせるはずです。

高齢者の話には、私たちの世代でも学ぶべきことがたくさんあります。
ぜひ、あなたも目の前の高齢者の方に興味を持ち、人生の物語を聴いてみてください。

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高齢者を足から笑顔に@中西薫
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