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高齢者の水虫が多い理由、高齢者だからこそ、予防が大切

介護施設に訪問をして、フットケアサービスを提供しています。 12年もこの仕事をやっていると、高齢者に水虫が多いことを実感します。

水虫は感染症の一種なので、治療も必要だし予防も大事です。

高齢者の水虫は多いけれど、決して当たり前でも仕方がないことでもありません。

高齢者に水虫が多い理由を挙げてみます。

今回の想定モデルです。

①施設に入居している ②入浴は介助が必要 ③着替えも介助が必要

環境による原因

入浴回数が少ない

施設に入居していると、週2回が平均の入浴回数です。在宅でも介助が必要だと、このくらいの頻度です。

私たち若い世代は、毎日の入浴は当たり前です。高齢で代謝も悪く、汗もかきにくいとはいえ、週7回と2回では衛生面で大きく差が出ます。

常に靴を履いている

館内では、室内用の靴を常に履いていることが日常です。ベッドで横になる時以外は、靴・靴下の着用は必須です。

私たちは帰宅すると、靴・靴下を脱ぎます。何となく、汗でしっとりした靴下を脱ぐと、気持ちもさっぱります。

長時間、靴を履いていると当然、蒸れます。水虫が好む環境が出来上がってしまうのです。

集団生活

気をつけていても、集団生活の施設内では感染リスクが高くなります。大勢が共同で使用するお風呂や脱衣所などの、水分が多いところでは、感染しやすいです。

年齢による原因

足が冷える

夏でも足が冷えると、靴下を着用したまま就寝する方が多いです。寝ている時も足は汗をかきます。靴下を履いていると、水分が靴下に吸収されて、蒸れることになります。

冬になると、足用カイロを靴下にペタリと貼っている方もいます。こちらも思った以上に蒸れていることがあります。

常時、カイロを使用するのではなく、時々は靴下を履き替えたり、足の通気を良くして蒸れないように気をつけましょう。

免疫力の低下

水虫菌(白癬菌)が付着しても、健康で元気でしたら感染に至らずに済むこともありますが、高齢になると免疫力も低下するので、感染しやすくなります。

施設スタッフに気をつけてもらいたいこと

足を丁寧に洗う

外反母趾や足の変形が進み、足指の開きが悪い方も多いですが、そんな方こそ水虫になりやすいです。

指と指の間まで、石鹸で丁寧に洗ってください。そしてよく石鹸を洗い流してください。

水分をしっかり拭き取る

足を綺麗に洗っても、水分が残っていると蒸れの原因になります。入浴後はお体や髪の毛ど同様、足や足指の間まで水分をしっかり拭き取ってください。

できれば足は乾燥するまで、靴下の着用を待ってもらえると安心です。

足を観察する

足を洗うときや、靴下の着用のお手伝いの時に、足や指と指の間を観察をしてください。皮向けや、ふやけたような変色、傷があったらすぐに対応をしてください。

水虫の好む環境をつくらずに、見つけたらすぐに治療

水虫はカビの一種です。湿度や温度など、カビが好む環境をつくらないことが予防になります。

食後にベッドでお休みするときは、靴下を脱いで横になってもらいましょう。

足の指が変形で開かない人は、5本指靴下を着用したり、ティッシュを挟んで指と指を離すよう工夫をしてみてください。

高齢者の水虫、非常に多い皮膚の疾患ですが、高齢者だから当たり前でも仕方なくもないです。

高齢者だからこそ、予防が大切です。


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