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心が通じたと思ったら、お別れ

昨年からフットケアに入った90代男性。

入浴も拒否が多く足の爪も、手の爪も切らせてもらえずに困ったスタッフから頼まれて入ったのですが、入浴や爪切りは頑固にお断りだったようですが、決して嫌な方ではなく穏やかな方でした。

全部の足爪が厚くなり、変形をしていました。しかも長いことケアしていないので、私の仕事の歴史でもかなりの上位の難易度です。

「爪切りの専門家です」と、キッパリ言ってフットケアを納得してもらったものの、時間も長くは頂けず、電動のグラインダーを使おうとすると「それはダメ」と、まさかの使用禁止・・・

全く見映えせずに終了。初回はそんな感じでした。

そんなやり取りで毎回、少しずつ時間を伸ばし、グラインダーを使わせてもらえるようになり、手の爪まで切らせてもらえるようになりました。

苦労したことや、仕事の話を聞かせてもらえるようにもなりました。

そんな風に、少しずつ気持ちの距離を縮めていきました。

「大変な仕事だね」と、ケアの終わりに言葉を頂くこともありました。

実は、最初のケアからなぜか、好きなお客様でした。

ぶっきらぼうな中にも、優しさがあって必ず「ありがとう」とおっしゃって下さいました。

突然のお引越し

先月に入院されていて、退院後お引っ越しとなりました。

詳しい事情は知りませんが、入居型の有料老人ホームで特養の順番待ちをしている方もいますし、お体の具合が変わり、適した形態の老人ホームに引っ越しをすることもあります。

時々あることではありますが、寂しいです。

今月も手の爪切りさせてもらえるかな?♪

なんて、考えていたのにな・・・

足の爪切り、これからどうするのでしょう。

きちんとしたケアを受けられますように・・・



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高齢者を足から笑顔に@中西薫
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