<相談>高齢者美容系のスクールに通ったけれど、どう仕事にすれば?
高齢者施設に訪問をしてフットケアサービスを自費で提供しています。
湘南あしケア訪問サービス 代表 中西です。
15年前に訪問フットケアを始めました。
当時は周りに同業者はほぼ、いませんでした。
私が始めると決心した時に「無理だから諦めた方が良い」と、言われたことも何度もありました。
ですが今、多くの業種が高齢者フットケアに参入しています。
そして、フットケアに限らず高齢者に対する施術を習得する、たくさんのスクールが溢れています。
タイトルの高齢者の美容系のスクールに通い技術を習得したけれど、どう仕事をすれば良いか?とのご相談もお一人ではありません。数名の方から受けました。
高齢者の美容に関する技術と知識を学びました
高齢者を対象とした美容関係のスクールが盛況のようです。
ここでいう美容とは「ヘア」「お化粧」「ネイル」「エステ」などです。
※だと思います。受講者から聴いた内容です。
美容は高齢者に限らず、気持ちを前向きにして元気にする効果があります。
高齢者で自分自身でメイクやネイルを楽しむことができれば、機能訓練になりそうです。
美容系のスクールでは、その他の有意義な効果についても学べるのでしょうか?
大手の某高齢者の美容系スクールに資料請求をしましたが、届かないので詳細は不明です。
高齢者に美容にニーズがあるか?
仕事にするためには「こんなサービスあったら良いな」という欲求を満たさなければ仕事としてなりたちません。
高齢者フットケアだと、爪は伸びるので定期的なお手入れが必要です。
ですが高齢者の足爪には変形が多く、技術が必要です。技術をお持ちのスタッフがいてもケアに時間がかかるので、その時間の確保をするのは忙しい介護の現場では困難です。
そこで専門家のサービスが注目されるというわけです。
お化粧はどうでしょうか?
特に女性はメイクアップすると晴れやかな気分になり、いつもと違う1日を過ごせるかもしれません。
でも・・・それだけだと弱いのではないでしょうか?
そこに何か、もうひとつ付加価値がつくと求められるサービスになるかもしれません。
例えば、入居して間もない認知症の入居者、帰宅願望があり落ち着きがなく不穏。そんな方に時間をかけてお化粧サービスを提供できれば、スタッフはその時間に業務に戻れます。
もし、そのサービスがきっかけで落ち着きを取り戻すことができたら、施設スタッフからのニーズは高まるでしょう。
あくまでも例えなので、実際にこのような効果があるかは不明です。
お困りごとを解決する
うまくいくサービスは「お困りごとを解決する」これが強いです。
サービスによって助けられる方が多ければ、求められるサービスになります。
先日、入居したばかりのお客様のお話をしましょう。お悩みは巻き爪でした。
施設に入居前のデイサービスでは巻き爪を理由に足爪カットしてもらえずに、皮膚科に行きましたが、満足なケアが受けられずに60代の息子さんが苦労してカットしていたそうです。
そこで入居した先にフットケアサービスがあり大変、喜んでいらしゃいました。
ここでお困りだった方
巻き爪のご本人・苦労してケアしていたご家族・巻き爪ケアは困難な施設スタッフ
フットケアサービスで、少なくとも3者のお悩みを解決しています。
美容ネイル・お化粧・エステ
高齢者に美容のサービスを提供したい方、高齢者のお困りごとをどう解決できるかを考えましょう。
高齢者といっても施設入居者、在宅と環境は様々です。
またお身体の状態も若い世代よりも、幅があります。
同じ85歳でも歩いている方もいれば、杖や歩行器、車椅子の方もいます。
どのようなお客様にサービスを提供したいのかを、できるだけ具体的に考えることが大切です。
スクール選びよりも、サービスの内容を先に考える
スクールの宣伝は素晴らしいことが記載されています。
どんなにカリキュラムが充実していても、その先のビジネスに繋がるかを考えるのはご自身です。
決して、スクールの宣伝で「月に1回で、何万円稼げます!」の文言を鵜呑みにしないでください。
そんな方も一部いるかもしれないけれど、多くはどうだろう?とリアルに考えてください。
自分がやりたいことを明確にして、どう仕事に活かすか、仕事として成り立たせるかを考えてからスクールを選んでください。
決して広告を見て、ご自身のビジョンを決めることのないように。
最後に・・・
高齢者を対象にしたシニアビジネスは、安易に稼げると思われがちです。
仕事としてサービスを提供する以上、外からは見えない苦労の山です。
高齢者と言われる世代は多いですが、お金にシビアで無駄なものやことにお金は使わない方が多いです。
そしてサービスを提供するお相手は高齢者でも、サービスの利用の決断をするのはご家族(多くは娘・息子・姪・甥)です。
ご家族にも必要だと思えるサービスでないと利用はありません。
最後に入居している施設の高齢者が対象の場合は、施設側にもサービス利用のメリットが必要です。
お困りごとではなく、付加価値になるのかもしれません。
その辺りをクリアに整理できると、美容でもサービスとして成り立つのではないかと思います。