高齢者フットケア、どこまで技術があればプロデビュー?
技術系のお仕事を始めたいと、スクールに行き技術や知識を習得する人は多いと思います。
鍼灸師・マッサージ師などの国家資格者ならば、資格取得と同時にプロとしての意識が芽生えるのかもしれません。
では、フットケア、アロマテラピー、リフレクソロジー、などの数々ある民間資格でプロになりたい人は一体、自分の力量がどこまでならお金をいただくに値するのでしょう?
技術がどのあたりまできたら、プロデビューできるのか?
私の場合、いつがプロデビュー?
その日は突然でした。
フットケアサロンをしている友人から、どうしても手が足りなから手伝ってもらいたい。
そのオファーを引き受けた時から、私のプロ人生が始まりました。
もちろん報酬もいただきました。
報酬をいただいた時からがプロです。たとえ安くても技術に対して、お金を支払い、受け取ったらプロです。
その次の仕事は、整形外科のフットケア外来の開設でした。
こうなると誰からみてもわかりやすく、プロです。
技術はどのくらいあったのか?
12年以上前です。当然、今よりは経験もなく未熟です。
技術のクオリティは、今の半分くらいだったかもしれません。
時間内におさめるのに苦労しました。
整形外科では、次の予約が入っていれば延長するわけにはいきません。
毎回、大汗かきながら施術していました。
初めての高齢者施設の訪問ケアでのことです。
痛みのある方の肥厚爪を、なんとか痛みだけでも緩和したいと1時間ちかくもかかってしまいました。
今でも覚えている爪の形。今の技術と知識なら間違いなく、時間内で終わらせることができます。
それでもお付き合いしてくださったお客様。ご逝去まで、度々その話をして笑ってくれました。。
練習で上達するのはある程度、本番で技術は磨かれる
練習は大事です。私も周りに協力をしてもらって、かなり練習をしました。
ですが、体も足も爪も人それぞれ。練習ではやり切れない形やパターンが数々あります。
しかも練習だと気持ちが違います。真剣にやっても練習だと、頭のどこかで意識があります。
練習だけで上手くなるのはある程度までです。
日々、技術を磨く機会をくれるのはお客様です。お客様が成長させてくれるのです。
自信がつく日を待っていたら、いつになるか分かりません。
それよりも1日も早く、フットケアを待っている人にサービスを提供するべきです。
技術よりも大切なこと
高齢者フットケアでは、特に技術よりも大切なことがたくさんあります。
「足」ではなく、「人」をみて施術をすることです。
先日、スタッフと一緒に仕事に入った時のエピソードです。
片足だけでやめて、もう片足は再度、ケアに入ります。
普通に考えたら、効率が悪いです。どうしてそんなことするのか?と思いますが、深い理由がありました。
片足、終わった時点でトイレに行きたくなってしまったそうです。
中断して再度、出直しケアに行くことにしたのです。
別のスタッフは、ケアの予定ではなくても、訪問日に時間をつくって心配な人の足の状態を確認に入っています。
臨機応変、私でも尊敬してしまうような神対応を毎回、してくれています。
そこにあるのは「愛」だなって思うんです。
そしてプロだなって、つくづく思います。
高齢者フットケアを始めたい人へ
技術はスクールで教えてくれます。練習もある程度、できます。
でも現場の空気や、対応などはやってみないとわかりません。
訪問先の施設によっても違います。
お客様も高齢者と一言で言っても、色んな方がいます。
まずは一歩、踏み出してみると世界がひらけるはずです。