5月2日、祖母の誕生日に思う。眠るように旅立つことはむずかしい
3年前。102歳の誕生日を迎えた7月に転倒。
骨折なくてよかった・・・と喜んでいたのに、誤嚥性肺炎で入院からあっという間に天国へ。
最後に、高齢者の転倒がいかに怖いかを教えてくれた。
102歳の転倒まで自力に
特養に8年、お世話になっていた。
90歳を超えてから転倒して大腿骨骨折のけがをしたけれど、寝たきりになることなく歩けるようになった。
入院時のオムツ生活が、どうしても我慢できずトイレだけは自力で行っていた。
夜間だけポータブルトイレに、とスタッフがすすめても頑固に拒否。
それが祖母のプライドだった。
転倒もトイレ
102歳にもなるとベッドからおきてシルバーカーを押し、トイレに行き用を済ませる一連の動作に30分くらいかかることもある。
それを日に何度もするのだから忙しいし、疲れるのはあたりまえ。
最後の転倒もトイレの前後どちらかだったと思う。
打撲ですんで、家族もほっとしていた。
体か痛むからと、安静期間が数日。
その数日で筋力が低下、のみ込みがわるくなり誤嚥性肺炎で入院。
約1か月の入院生活は、それはそれは苦しそうだった。
どうしても施設に帰りたいという本人の希望で、施設にお願いして看取り体制を整えてもらった。
眠るように旅立つのは難しい
祖母のあしのケアをしているときに、「いつまで生きるんだろう」と、いつも言っていた。
いつまでかは分からないけれど、100歳を超えていたので、そう先のことではないとわたしも思っていた。
そして102歳まで元気に自立して過ごしてきたんだから、ピンピンコロリだろうと勝手に思っていた。
「元気でないとなかなか死ねない」と、聞く。
元気でも眠るように旅立つのは、難しいのだと祖母の死で思った。
転ばないために
祖母も転倒していなければ、安楽な死を迎えられたのかもしれない。
それは転んでしまった祖母がいちばん、失敗したと後悔していると思う。
お客様でも転倒をきっかけに車椅子生活になってしまう人、入院で認知症がすすんでしまう人、その後の生活がかわってしまう人が多い。
転ばないように、歩かないのもまた違う。
わたしたちのフットケアの目的は、「自分らしい生活をするためのお手伝い」
フットケアが平穏な人生のしめくくりのお手伝いになること。
これもひとつの目的、ねがい。