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たらブックス

何の本だろうか? 魚のタラ(鱈)に関わる本だろうか? 副題を見るとインドの小さい出版社と書いてある。 インドと今も係わりを持っている者としてはページを開いてみるしかありませんでした。

副題の通りインドの小さな出版社の話しで、その出版社がどんな本を作っているのかとか、活動状況、社員スタッフ、出版社自体も紹介しています。2017年7月10日初版、株式会社 玄光社 著者 能勢奈津子、松岡宏大、そして矢萩多聞さんの挿画、写真がふんだんに入っているインドの出版社タラブックス紹介の本です。 この出版社は南インドのタミルナドゥ州チェンナイにある出版社で当時社員50人に満たない小さな出版社が美しいハンドメイド、手作り絵本を数多く製作し、様々な絵賞、児童文学賞を受賞されています。世界中の絵本好き、本好きを惹きつけています。この出版社は今なら1日あればできてしまう本を話者の口承による神話や歴史の聞き取りから、下絵づくり、デザイン、版を作る、インクを混ぜる、刷る、製本する、梱包と発送の手順をこなし世界中の発注者の元へ届けられます。この間、数か月を費やす工程となっています。。

1995年、創設者のギータ ウォルフはインドで育ち、比較文学を専攻、ドイツ留学をし修士課程を修了、その後、海外で働いた後、家族でインドに戻ってきました。 もう一人のパートナー V.ギータはチェンナイ生まれのチェンナイ育ちの編集者、作家、歴史家、子供の教育、女性の地位向上など社会問題に取り組む活動家でもあります。インドでは子供に読ませたい本が手に入らないということと将来出てくるまで待ってられないというギータの気持ちもあり自ら作り始めたこの出版社。ハンドメイド本の出会いはワ―ルリーガ絵描きのインドラプラメット・ロイとのつきあいからはじまります。タラブックスから呼ばれてインド中部のマハラシュトラ州からチェンナイにやってきたロイはギータに会って、ロイが何か話を聞かせてくれと伝え、ギータが子供のころに祖母から聞いた、向こう見ずで狩りが嫌いな怠け者のライオンの話を聞かせた。するとロイは色鮮やかな色遣いで生き生きとした物語を描きました。ギータはこの鮮やかな本をフランクフルトのブックフェアへ飛び、回っていたらカナダの出版社が完成もしていない2ページの本のサンプルを見て8000部の注文をだしてくれました。ギータは大喜びしてインドに戻り、本を完成させることになりました。ギータの活動が実り1995年に完成しました。 タイトル『THE VERY HUNGRY LION」で、ハンドメイド本であるこの本は今やタラブックスの代名詞のような存在となりタラブックスの名声が確立されていきます。
日本との関わり合いについては、タラブックスの活動と事務所、日本での出版が2001年から始まりました。 2012年のタムラ堂から「夜の木」が発刊されこれが初めての邦訳されたタラブックスのハンドメイド本となりました。 当時で5刷発行されて日本の本好きを魅了してタラブックスと日本との深い関係が構築されています。現在、日本でも入手できますが新品入手はなかなかむつかしいです。中古本は入手可能です、しかしながらハンドメイド本であるがゆえ、その貴重な本でありハンドメイド本という個性のある書籍であることから売り切れ状態ががほとんどです。会社の方針としてはTARABOOKSを大きくせずに金儲けの商業化には向かわずに地道な本づくりに徹しています。1冊購入してどのような本か手に取って中身も見たいのですが、そのタイミングを模索中です。  今度訪印時には訪問してこようかな!

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