#3 身近な大人が憧れになる瞬間
10月のはじめに、静岡県ビーチサッカーリーグを息子と観に行った。
今シーズン何度か観戦していたが、その日は最終節で、残り2試合を残すのみだった。
その日は、午後から少年団の練習試合が組まれていた。
少しせわしなくなってしまうので、行かないだろうと思いつつ息子に希望を聞くと「絶対観に行く。」と言われ、予想外の反応だった。
息子がお世話になっているコーチが、現役のプレーヤーで、どうしてもみたかったらしい。
そのコーチとの出会いは1年半くらい前。
地域のママさんから「週1回だけ、廃校になった小学校で子どもたちにサッカートレーニングしてくれている。」と教えてもらい、観に行った。
当時少年団に入って1年ほど経った頃で、毎朝学校に行く前に父親とボールを蹴ってから、登校していた。
少年団あるあるで、まわりの上手な上級生や同学年の子も、平日はスクールに通う子が多数派だった。当時の我が家も御多分に漏れず、その考えに影響され(苦笑)良い場所はないかと思っていた。
息子は、発達の特性もあり、新しい環境に馴染むのに非常に抵抗があり、いわゆるスクール的な場所にすんなり入り込めるとは私も夫も思っていなかった。だから、そのアットホームな雰囲気のトレーニングなら抵抗も少ないのではないか、と期待していた。
案の定、少し謎めいたその南米っぽい雰囲気のコーチのトレーニングには、不思議とすんなり入っていくことができ、4回の無料体験ののち、継続して参加することとなり、以来、トレーニングに参加している。
今となっては、少年団をやめてそのコーチのトレーニングだけでいいかとさえ親は感じている。
そんなコーチが現役プレーヤーのビーチサッカーリーグ。
普段みないプレーヤーとしてのコーチの姿に目を輝かせる息子。
本気でぶつかり合い、プレーを真剣に楽しむ大人の姿。
みているこちらも、一喜一憂してしまう。
オーバーヘッドキックなんて、キャプテン翼の世界だけ、もしくはごくごく稀、と思っていたが、ビーチの上では、その光景を幾度となく目撃し、びっくりもした。
また、チーム内には、部活が終わった中学3年生プレーヤーもいた。
チームキャプテンのプレーヤーが運営するサッカーアカデミーの卒業生らしい。そういうfootballを通じた繋がりが、人生の中で続いていく関係は、素敵だなと感じた。
プロ選手への憧れも、もちろん大事だけれど、
身近な大人や先輩が憧れになり得る、このスポーツの風景も凄く大切だと思った。
静岡県はシニアサッカーリーグも盛んだと聞く。
県から日本代表選手、年代別代表選手を輩出するための選手強化や、Jリーグ選手の輩出も重要なことだけれども、
そのような、土壌も大切にされるべきものと感じた、秋。
先日は公園で、日暮れまで親子サッカーした。