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am i chrome hearted

だって私、本当はいい子だもん。
毎日学校に通う早寝早起き鉄則のお姫様だもん。

でもそんなお姫様も、ある日魔王と契約を結んでしまいました。

すでにひかれた人生のレールに淡々と従っていい子を演じることに飽き飽きしてたの。
でも魔王はレールに従わずとも
全てを手にできる。
だから私は人生というレールを
魔王に習って壊しました。
その後はもうなんだってあり。
学校どころか、課題も、テストもぜーんぶ忘れて目的地も決めずに魔王とドライブするの。
魔王と毎日キスをして、
離れることがありさえすれば、
魔王の香水をふってお城を出ました。

そんな私だって不安になる時もある。
色目を使って魔王を誘い込もうとする子にも、
はたまた清純そうな、
よそのプリンセスにだって 嫉妬はする。
だけど魔王は唯一わたしを、
世界一のお姫様にしてくれる目を持っていました。
まるで私以外誰も見えていないかのように。

そんな魔王も間違いを犯します。
それは全てを支配しようとしたことに加え、
お姫様に1つの大きな嘘をついた事でした。
でも取り返しのつかない事だと分かっていたので魔王は贈り物をしました。
この時絶対に戻ってくると思ってたでしょう?

でも、戻らなかった。
だって、私気づいたの。

自分のレールを壊してまで、
誰かのレールを歩くなんて嫌だって。
ないものねだりかな。

魔王は私に新しい世界を見せてくれた。
それに何をしてもどこにいても輝いていた。
何か魅了する力があった。
魔王の全てが好きだった。

出会ったあの瞬間から魔王は私の一部になって、私も魔王の一部になっていたのかもしれない。
今でも私の中に魔王がいると感じる時がある。

ビルの隙間から差し込む日差しを見た時、
待ち合わせだった喫煙所を通り過ぎた時、
プレイリストの曲を見返した時。

全てキラキラしていたけど、
だけどそれも今じゃおとぎ話の断片なの。

最近、寂しく感じることがあるよ。
やらなきゃいけないこと沢山あるし、
今までみたいに楽しいことだけじゃない。
今の王子はあなたと違って心優しい。
だけど、それも私が選んだ道。
こんな風に今は自分のレールに乗って生きているのを実感できるの。

だから誰に何を与えられようと、
掴もうと、
断ろうと、
離れようと、
またあなたに出会おうと、

選ぶのは全部私だから。私の人生で私のレール。

n im saying, i dont need ur love any more.
だから、贈り物はもう全部ゴミ箱に捨てた。

そしてお姫様はお城を離れました。


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