シドニーで違うこと学んだ

シドニー語学留学の初日

初めて出会ういろんな国の人たちが
だけど共通の言語をまだ持たず
ひとつの部屋に集められた

学んだはずの英語は
全く役に立てることができずにいた

そして先生がやってきた

言葉の鎧をはぎ取られたいま
相手を100%信頼するしか
コミュニケーションは成立しない

この状況は赤ちゃんと同じ

そう気づいた瞬間
おれは脱力して
赤ちゃんがそうするようにフワァーッと笑った

自分からは何も語らず
ただふにゃふにゃと無防備に笑って過ごし
先生の発する音をただ吸い込む
考えない、疑わない、自分の知識に当てはめない

今は赤ちゃんなのだから

初めておれが発語したのは友達の名前
友達ができてすごく嬉しくて
丁寧に大切に慈しみながら
全ての友達と会うたびに彼らの名前を呼んだ

彼らの名を呼べば
彼らはおれの名を呼ぶ

やがて
おれが入室した瞬間
クラスメイトがほぼ全員おれの名を呼ぶという
奇妙な現象が起きて
先生は困惑していた

肝心の語学は
今まで学んできた点が線に面に球体になっていく実感があっておもしろい
語り合える楽しさがわかりはじめてきた

あの授業の受け方は万人にはオススメしないが
おれには合っていた

その一方で

かけがえのない大切な友達
・・なぜこんなにおれに親身に接してくれて
どこへ行くにも声をかけてくるんだろうと思ったら、そうか、
おれは彼らを100%信頼して
ただまっすぐ笑いかけていたんだなと
そこで気づいた

名前を呼べば名前を呼ばれる
笑いかければ同じ顔で応える

単にアホで可哀想な子と思われただけかもしれないけどね笑

そんなことどうでもいいくらい
みんなが大好きだってこと

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