先週に引き続き、「試行錯誤のチェンジメーカー」延原令奈さんを紹介するブログの後編を更新しました☺️
教育を良くするために色々なことを考え実行している一方で、人間としての成長も実感している令奈さん。後編では、前編で書いた教員養成大学での事例創出に取り組む中での、令奈さん自身に起こった変化や気づきについてせまります。
\前編の記事はこちら/
デザイン思考と出会って生きやすくなった
延原さんが取り組む今の教員養成課程の問題は、コーチングとファシリテーションの能力を自ら体験して身につけられる機会がないことでした。しかし、これは小手先のテクニックの話ではありません。
むしろ、「まずは先生自身が体験してみて楽しむ」「常に完璧であろうとするのではなく、失敗から学んで修正していく」という、今までの先生像とは違うマインドセットを身につけることを意味します。延原さんは、何より自分自身がこういった考え方に救われたといいます。
大学一年生の時に参加した、デンマークへの視察旅行から帰ってきてから、ずっと「学校を夢を叶えるための場所へ」という思いで活動している延原さん。その思いは三年経った今も変わっていません。でも、その手段はどんどん変わっていいと思えるようになったそうです。
親友の言葉で、ジェットコースターな自分から抜け出せた
活動についても柔軟に考えられるようになったと同時に、自分との付き合い方も上手くなったと話してくれました。
小学校4年生の頃から、最高で7つの習いごとをしながら塾にも通っていた延原さん。中高では全国大会でベスト4に行くほどの強豪テニス部に入りテニス漬けの日々を送りつつ、進学校の勉強にも付いていくために、休みが無いのが当たり前の日々が9年間続きました。
教員養成の内容も大事だけど…、もしかしたら構造的なところに問題があるのかも?
教育大学でのプログラムが成功に終わり、将来的にはこのようなトレーニングが教員養成課程の一部になるよう、今後も広げていきたいと思っている一方で、今の教員養成の仕組みが構造的に抱えている問題にも気づいたと言います。
学校改革が進まない、というのも一つの問題ですが、もっと大きい問題は、生徒の可能性にフタをしてしまうことです。
色んな経験を持った人が先生になることで
では、偏った色を理想像として立てて寄せていくのではなく、「自分の色を知ろう」「自分の色でいいんだよ」という環境が、学校で当たり前になるにはどうすればいいのか。
今、ANCHOR KOBEというコワーキングスペースのコミュニティマネージャーもしている延原さんは、教員免許を持っているものの今はベンチャー企業の社長や、教育学部出身で今カフェのオーナーをしている人などのキャリアを持った方に予想以上にあったことからヒントを得ました。
昨年12月に福岡へ行き、Teach For Japan出身の先生たちに会ったことで、この考えが確信へと変わったと言う延原さん。複数のNGOで働いた経験を活かした授業をし、学校の中で改革を進める先生を見て、こういう先生が増えたらと感じたそうです。
「教育大学や教員養成課程の価値とは?」という問いとも矛盾が発生する部分であり、色んな立場の方の事情などについても勉強が必要で、まだ具体的な方法はこれからとのことですが、どうやって風穴を開けていくのかとても楽しみです。
ワクワクする人・モノに出会える場を後輩に残したい
自分が勇気をもらったステージを後輩にも作っていきたいという想いから、教育の活動で忙しい中でも、さらに別の新しいイベントも立ち上げました。
編集後記:優等生からチェンジメーカーへ
延原令奈さんと話す度に、前回とは違うことに取り組んでいる様子や、「次はこういうことしようと思うんです」という話を聞きます。
でもそれは、色んなことに目移りしたり、迷っているのではなく、やってみて「あ、これ違う」と思ったら、その教訓を活かして次の活動をすぐ始めているからです。ぐるぐる同じところを回っているのではなく、確実に前進している。今回もインタビューを文章にまとめながら、そんな「試行錯誤」を繰り返す延原さんのエネルギーと勇気を強く感じていました。
次に話す時はまた10個くらい新しい活動のアイディアが浮かんでいるんだろうな、と思うと、既に「3ヶ月の延原さんはどうなっているんだろう?」とワクワクしてきます。
そして、不完全で中途半端な自分も受け入れられるようになったという言葉がとても印象に残りました。元々は、その時いる環境で誰から見てもすごいねっていう成績や結果が出せないと自分は価値がないと思い込み、周りの自分よりできている人と比較しては自分を責める事を辞められなかったという延原さん。でもそこから、「最初から上手く行かないのは当たり前だから、とにかくやってみる」というチェンジメーカーとしての才能を開花させただけでなく、自分を許せるようになった、という言葉が聞けて、一人の人間としての延原さんの一面を見ることができました。
常に変化し成長している延原さんが、少しづつ教育を変えていくために取り組んでいく姿から目が離せません!
インタビュー日:2022年12月29日
\試行錯誤する全ての若者チェンジメーカーへ/