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物流2024年問題考察


物流2024 問題ー考察


 この 4 月から施行された新たな法律で、何がどのようなスピードで変化するのか、当事者でありつつも推移を見守りたいと思います。

 物流事業者の取り組みに注目が集まって報道されていますが、本質はそこではありません。取り上げられている事がどう考えてもチグハグです。
 昨今の報道を受けて、残業できないから収入が減る…その理由からドライバーが退職していく、という話をあちらこちらでら耳にします。
このままでは、ドライバー不足が予想以上に加速するでしょう。

 制度規制が本末転倒になっているからです。
稼ぎたい人のポテンシャルを奪ってしまっては元も子もありません。

 規制が厳しくなると、同時に間接スタッフの仕事も増えていくことも予想されます。役所や団体や専門部署への報告書類の仕事が始まります。過去の類例を考えても、本質的課題解決に向かうよりも形式や報告が目的化していく、ことをやりがちです。大きな組織になればなるほどその傾向が強い。


「木を見て森を見ず」ー
瑣末な運び方、これを心配しています。

物流事業者の話ではなく、川上から川下までの流れ全てにおける価値の変容、サプライチェーンの社会最適をめざす時代です。

それは、

消費者、利用者、お客様、顧客である川下。生産者、供給者、メーカー、売り手である川上との間にあるそれぞれの階層での慣習や取り決めや制度、費用分担の見直しということ。

なぜか?

労働人口が急激に減少していく中で、経済全体のバランスを保っていくために、「持続可能」な社会を目指すのが根底テーマです。

もはや競争社会目線だけでは、どこもやっていけない、続けられないフェーズに突入しているのです。

 力あるものが富む、のは結構。しかし力あるものは未来のために循環のセルモーターにならなければ、バランスはとれません。儲けた力を内部から外部に排出するモーターになる必要です。


 トラックドライバーが足りないのではなく、その仕事の重要性と報酬のバランスが明らか欠いているので歪んでいるわけです。トラックドライバーに限らず、社会のエッセンシャルワーカーといわれる全ての人々や業界が同じ悩みを抱えています。

この共通テーマに向き合うためには、それぞれの立場にある人が、その意味を理解しなくてはなりません。

人が足りないのではなく、まず過剰さを見直す事から始めること。それと合わせて人間の持つ「ポテンシャル」の発揮が阻害されない環境が大事になります。

稼ぎたい人が稼げる環境、きちんと勤めを果たしたいと思える社会です。

ロボットやAIや様々なテクノロジーなど技術革新に積極的に投資し、満たしたい分野を補う。一方、人間の持つ「ポテンシャル」を信じて、個性を活かしつつ相互の関係性を充実させていく努力が大人の社会人職務ではないでしょうか。

 法律やルールの運用に対しては冷静に取り組み、人間同士の関わり合いには情熱を持って生かし合う、また企業間連携には、個別対応の集積とすり合わせによる知恵が求められると見ています。


誰も経験したことのない、下り坂を人類は歩み始めています。そのトップランナーに立っているのが日本です。人口減少、超高齢化、少子化、労働人口減少に伴う歪みは増していきます。そうした社会構造の渦中、経済発展、成長加速主義の指標だけではない、「心の豊かさ」となる新たな指標が必要な時期を迎えています。みんなでそれを探す時代だと呼びかけたいと思います。

物流 2024 問題認識と考察です。

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